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第48話:15階層

ここから深層攻略編 Part2になります。

護衛任務が済んで数日休んだので、再びダンジョンの深層を攻略することにする。まずは14階層にある、15階層への階段前までリヤカーで瞬間移動して、15階に降りる。


「15階も洞窟なんだな」

「この階の通路も広めだから、大きな魔物がでそうね。」


探知魔法を使うと3匹の魔物が見つかる。


「さっそくお出ましだ。3匹だな。あの角の向こう側から来るぞ」


現れたのは2mを少し超えるぐらいの大きな魔物だった。豚のような顔をしているので、異世界ものの定番のオークだな。1匹は盾と剣を持っていて、10階層のゴブリンナイトのオーク版、つまりオークナイトだ。次の1匹は弓を持っているのでアーチャーオーク、もう一匹は杖を持っているのでマジックオークだな。それにしてもこの世界のオークは魔法を使うのか?どういう設定をしたんだあの神は。


「召喚!」


試しに一番うしろのマジックオークの上にリヤカーを召喚してみたが、なんとオークはそれを受け止めてしまった。


「げっ、俺の必殺技が!」


洞窟の中だと高いところから落とせないので、洞窟ではこの手は使えないようだ。


「かっこわるいから使いたくないといっていたくせに、いつの間に必殺技になったのよ」

「そうなんだけど、いざ効かないとなるとショックで」


仕方ないので再び召喚してステラに乗ってもらう。


「ステラはそこから弓を撃ってくれ。あれはオークと呼ばれている魔物だな。力が強いので気をつけろ」

「了解」

「アリサ、最初は遠距離の魔法戦でいこう」

「わかったわ、ファイアアロー!」


まずは遠距離で魔法を撃っていく。しかしアリサのファイアアローと俺のスラッシュはいずれも避けられてしまった。


「オークのくせに動きが速い!」


さすが15階層の魔物だけあって、体が大きいのに動きが速い。こんどはマジックオークがアイスアローを撃ってきた。アリサは俊敏性向上があるので難なく避けられているが、残念ながら俺は俊敏性向上を取っていないのでシールドで防いだ。それでもオークのアイスアローの威力が強くてシールドが数回ぐらいしかもたない。もっと周回して俊敏性向上のスキルも取ればよかったか。


「遠距離戦では決着がつかないわ。突撃するわよ」

「わかった。俺はマジックオークを抑える」


ステラはアーチャーオークに対して弓で攻撃している。アーチャーオークも避けようとしているが、ステラには追尾のスキルがあるので確実に当てることができている。この分ならアーチャーオークはステラに任せて大丈夫そうだ。


アリサがオークナイトに突撃したので、俺はマジックオークを倒すべく攻撃する。マジックオークに向かってスラッシュを撃っていくが避けられてしまう。魔法職のオークのくせに動きが速い。それならばとスラッシュの連続攻撃をしかけると、さすがにいくつかは当たり、オークの動きが鈍る。チャンスと思って近づいたのだが、マジックオークがニヤリとしたように見えた。何か企んでいる?と思って杖を見てみると魔法陣が出ている。何の魔法だ?と思ったところで、俺の動きが止まる。


「なに動けない。拘束魔法か?」


動けない状態のところにマジックオークからアイスアローが打ち込まれる。シールドで防ぐが3発目でシールドが破壊され、腹に攻撃を受けてしまった。防具のおかげで致命傷にはなっていないがかなりのダメージだ。オークはすでに4発目のアイスアローを撃とうとしている。このままではシールドが間に合わない。


「召喚!」


リヤカーを目の前に召喚してアイスアローをブロックすると、すかさずステラがマジックオークに対して弓矢を放つ。マジックオークは避けようとするが、追尾のスキルがあるため避けたオークの頭に命中し、オークが消滅する。


「ステラ助かった。ありがとう」


アーチャーオークはすでにステラが討伐してあったようだ。オークナイトもアリサに討伐されて消滅している。


「アキ先生、何があったの?動きが止まっていたみたいだけど」


ステラが治癒魔法で俺が受けたダメージを治しながら聞いてきた。


「拘束魔法をかけられたんだよ」

「拘束魔法?」

「相手を動けなくする魔法だな」

「ひょっとしてこの魔法スクロールがそれ?」


アリサが赤いスクロールを持ってきた。スクロールには箱が描かれていて、紐でしばりつけられている。


「まさか、こんな魔法があるとはな。誰が使うのがいいかな?」

「アキが使ってよ。アキが探索魔法で敵を見つけて、拘束してくれれば私たちはやりやすくなるし」

「それもそうだな」


拘束魔法は俺が使うことにした。


「それにしても、動きは速いし魔法も強力でさすが15階層の魔物だな」

「俊敏性向上(大)があったからオークナイトの動きを上回れたけど、あの力と速度は脅威だったわ」

「私も追尾がなければ当てられないと思う。」


アリサとステラでもギリギリだったようだ。


「ところでドロップ品は肉塊じゃないかった?」

「よく知っているわね。肉塊なら8階層でもドロップするのに、なぜいまさら15階層でドロップするんでしょうね?」


アリサが指さしたところに大きな肉の塊が落ちている。


「オークの肉は美味しいというのが定番なんだよ。スターローナに戻ったら家で食べよう」

「あんたの異世界の定番は変なのばかりだったけど、今回は楽しみだわ」

「美味しかったら孤児院にも持っていこうか」

「アキ先生、ありがとう。」


□◆□


初戦ではかなり苦労した15階層だったが、拘束魔法を取得してからはかなり楽になった。探知魔法もそうだが、深層で取得できる魔法はかなり強力だ。なにしろ拘束魔法で動けなくしてしまえば、もはや的でしかない。アーチャーオークはシールド魔法を使ってくるが、ファイアボールの連続攻撃をすればさすがにシールドも破壊できる。最初はレベルが低くて使える回数が少なかったが、3組のオークを討伐したところで、使える回数も増え3匹とも拘束できるようになった。


「探知魔法もそうだけど、その拘束魔法もチートね。」

「深層で取得できる魔法だからな」


その後、宝箱が見つかる。ここまでは罠がなかったが、念のためシールド魔法をかけながら開けると


「「危ない!」」


宝箱から矢が飛び出してきた。シールド魔法をかけていたから大丈夫だったが、この世界でも宝箱に罠がかかっていることがあるようだ。


「アキのいうとおり、罠がかかっていることがあるのね」

「そうだな。ミミックだったりすることもあるぞ」

「ミミック?」

「宝箱に擬態した魔物だよ。蓋を開けようとすると魔物の口で食べられてしまうんだ」

「えげつない罠だね」

「この宝箱も罠だけで空だったよ。えげつないよな」


ここまで宝箱には貴重な品が入っていたんだが、まぁ仕方ないか。その後4組目のオークを討伐したところで16階層への階段を見つけることができた。そろそろ夕方になってきたので、リヤカーの瞬間移動で家に戻る。ドロップ品については最初の拘束魔法の他にはアイスアローの魔法スクロールがでてきたので、これはアリサに使ってもらった。


「それじゃ、俺はドロップした肉で料理を作っているよ。ギルドへの納品をお願いできるか?まだ価値が分からないだろうから、そこまで高い値段がつかないだろうけど、そのまま納品してくれていいから」

「わかったわ。ステラ一緒に行きましょう」

「うん。アキ先生行ってくるね」

「行ってらっしゃい」

48話までお読みいただきありがとうございます。よろしければ評価、感想などを頂けると嬉しいです。

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