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第21話(閑話):孤児院での雑談

閑話です。短めなので、本日はもう1話を投稿予定です。

Side:ステラ


今日、アキ先生が上位世界からの転移者であることを教えてくれた。転移者は神からの神託の中に現れる伝説的な存在なことは以前から知っていた。普通に考えたら、そんな存在と会うことができるなんて考えもしないけど、かなり最初の頃からひょっとして?と思わせることが多かった。アキ先生が孤児院でいろいろと教えてくれるようになった頃、アキ先生が不思議な教え方をしていることに気づいた。


「ソフィアは昔は学校に通っていたんだよね」

「そうだよ。算数、国語や理科に歴史も勉強したよ。今日はステラはアキ先生から何を教わったの?」

「今日は九九を勉強したよ」

「九九は覚えるのが大変だからねー。頑張ってね」

「でもかなり覚えられたよ。もう半分ぐらいは言えるかも?」

「えっそうなの?凄い記憶力じゃない!」

「でも、全部を覚えているわけじゃないの。分からなくても前後がわかっていれば答えられるって教えてもらったから」

「そんな教え方、聞いたこともないなぁ」


私はアキ先生から教えてもらったことをソフィアにも伝えていたが、ソフィアが言うには聞いたこともないような教え方ばかりだった。まるで神託にあるこの世になかった物、例えば唐揚げやマヨネーズのような...


私は孤児院ではもう年長組に入っていて、いつまでもここにいられるわけでもなかった。もちろんソフィアは居てもいいと言ってくれていたが、孤児院の運営もかなり厳しそうで、なんとか独り立ちしたかった。冒険者になれれば独り立ちもできるのだが、ダンジョンで魔物を討伐するのは自分には無理のような気がしていた。


そこに現れたアキ先生。私にはこの人しかいないと思った。子供達に教えてくれるような優しい心。ダンジョンに潜るときには手を握ってくれて、そのおかげで安心できた。極めつけは、あのリヤカーだ。私はスキルや魔法のことはよくわからないけど、あのリヤカーがこの世のものではないことぐらいはすぐにわかった。なにしろ魔法陣がないのに、攻撃が無かったことになるのだ。しかもレベルアップまでするなんて。3階層に行った後にソフィアに相談したのだが。


「今日はメタルアントを討伐したんだけど、リヤカーに乗っていると攻撃を受けないの。なんかおかしくない?」

「えっ?攻撃を受けない?メタルアントが避けているとか?」

「そうじゃなくて、メタルアントはリヤカーに噛みついてくるの。でもリヤカーに触れたところで止まってしまうの。」

「シールドの魔法が付いているのかな?」

「でも魔法陣はないの。それからこちらからは攻撃できるの」

「そんなのはありえないよ。だってシールド魔法は魔法陣がないと展開できないし、そもそもこちら側からの攻撃も通らない。そんなこの世の理を無視したものが本当にあるとすれば」


そう、それは上位世界からの転移者以外にはありえない。


□◆□


「ソフィア、今日のアキ先生おかしかったね」

「転移者であることを伝えてくれたときね」

「あのときのアキ先生の驚きようといったらなかったよ。本当は私たちが驚くと思っていたんだろうね」

「逆にアキ先生が驚いていて面白かったね。」

「でも、あれだけ常識外れなことをしておいて、驚かないと思っていたらかなりの鈍感だね」

「本人は気づかれなかったと思っていたみたいだし」


ここまで話をしてソフィアと一緒に笑った。アキ先生と一緒にダンジョンに潜れるところまできたし、あとはどうやってゴールまで持っていくか。ギルドにはどうやらフローラというライバルがいるみたいだしね。なんとなくアキ先生はソフィアにもいいところを見せようとしている感じもするけど、それがかなわないことは分かっているので問題ない。


ステラはいろいろと策略を考えるのであった。

21話までお読みいただきありがとうございます。感想などお待ちしています。

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