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妖封戦戦  作者: 恋空
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妖封戦戦

血まみれのクラスメイトを保護しました。


高校生の榎宮伊吹は鬼宮神社の跡取りである。無難が「モットー」であったはずが、ひょんなことから瀕死のクラスメイトを保護する。


とある事件に巻き込まれて以来妖怪が見えるようになった伊吹の元に一通の手紙が届く。


自分の平穏な日常はどこへ消えたのだろう、伊吹は今日もお札を片手にため息をつくのだった。

「胡散臭えな」


生まれてこの方、何度も耳にしてきた言葉。


今更面と向かって言われたところでどうということもないのだが、いささか周りからの好奇を含んだ視線に厳しさを感じる。


人を貶すなら1対1で、とは行かないものなのだろうか。


そこまでする価値はない、驚くほど自然と出た言葉だったのだろう。


一数分前


「最近行方不明者多くね?」


いかにも物騒な話だが、事実問題、最近行方が分からなくなる者が多い。


「なんでも居なくなった奴らは全員丼小川を訪れてたとか!」


(物騒な話だなあ。)


あくびをしながら伊吹は心の中で呟く。


伊吹の住むこの小さな町、錦糸町では行方不明者が出るなど、町を揺るがす大事である。


(行方不明者は全員どこへ消えたのだろう。)


そこまで考えて、思い直す。

自分にどうにかできないことで思い悩むものではない、と。

そう聞くといささか薄情な気もするが、無難に過ごすのが伊吹の「モットー」なのだ。


(そういえば今日の夕飯どうしよう。)


そんなことを考えていると…


「なあ!お前んち神社だろ!?行方不明になった奴らが見つかるようお祈りでもしてやったら!?」


ギャハハハ!


下品な笑い声が辺りに響き渡る。 


家柄のためか、昔からこのような扱いには慣れている。


「だな!無事見つかるよう祈らせてもらうわ!」


ギャハハハ!ガタッ


再び辺りが笑い声に包まれたのと同時に隣の席の男が立ち上がった。


「お前さ、何ヘラヘラしてんの?」


急な隣からの攻撃に伊吹が狼狽えていると、男は続けて言う。


「家のことバカにされて、悔しくねえのかよ。」


こいつは何を言ってるのだろう。

こういう場合、相手を刺激しないのが得策だということが分からないのだろうか。

今すぐ言い返してやりたいが、今はまず場を収めなければ。


「バカにするなんて大げさな。うち神社でさ。お祓いとかやってんだわ。胡散臭えだろ?」


「…。」


「だからさ、こうやって言われるのも慣れっこで…」


「胡散臭えな」


冒頭に戻るというわけだ。


隣の席の男、酒槻巧はまだ何か言いたそうにしていたが、ギャラリーが集まって来たこともあり、不満げに教室から出ていった。


一番馬鹿にしてるのはお前じゃないか。去っていく背中に怒鳴ってやろうかと思ったが、既のところで思い留まる。


無難に。目立たず。それが自分のモットーであるのだ。そう考えて、自分も帰り支度を始めるのだった。


伊吹の家から高校まではかなりの距離があるため、帰路でクラスメイトに出会うことなどない…はずだった。


「酒槻?」


見間違いではないかと目をしばたたかせるが、今まさに若竹山に入っていこうとしてるのは、まごうことなく酒槻の姿である。


「あんなとこで何してんだ…?まさか。」


若竹山を少し登った先には話題の丼小川がある。

そこへ行くつもりなのだろうか。


「まあ、俺には関係ないけど。」


そう呟くと伊吹は自転車を漕ぐ足に一層力を入れるのだった。


「おかえり!」


帰るや否や神主である祖父、銀次が屈託のない笑顔で出迎える。


「ただいま。」


思春期特有の恥ずかしさを覚えながらも、返事だけはしっかりする。

以前無視した際の雷はもう二度と喰らいたくない。


「学校はどうだ?友達できたのか?」


夕食を食べながら銀次が興味深そうにに聞いてきた。


「まあ、ぼちぼち。」


貴方のしてるお祓いのせいで友達なんてできたことありません。

そういうわけにもいかないため、当たり障りのないことを言って取り繕う。


「なあ伊吹、お前には家のことで苦労を掛けているが、なにも輪を作ることを諦める必要はないんだぞ。」


苦労とは、家事のことを言っているのか、はたまた「胡散臭い」家業のことを言っているのか…。


そんなことを考えていた時、


「大変だ!銀次さん!」


数十メートル離れた先に住んでいる武蔵爺さんが駆け込んできた。


また家にネズミが出たとか言うのだろうと考えていた伊吹の目に飛び込んできたのは、武蔵爺さんに背負われた体中傷だらけの酒槻の姿だった。


「酒槻!?」


「お前、知り合いなのか?」


銀次からの問いに答え倦ねていると、武蔵爺さんの治療を促す声が響き渡った。


「で?何があったんだ?」


傷ついた酒槻の手当てをしながら銀次が武蔵爺さんに事の経緯を話すよう促す。


すると武蔵爺さんは動揺しつつも少しずつ話し始めた。


「山に山菜採りにいったんだ。今日の夕食用にしようと思って。その帰りに物騒な噂が立ってると耳にした丼小川に寄ってみたんだ。」


(野次馬なんぞするから面倒事に巻き込まれるんだ。)


武蔵爺さんはいつも面倒事を運んでくる。

気が弱いくせに野次馬精神は一丁前なのだから困ったものだ。


「そしたら辺り一面赤く染まっていて、この子が川の中に倒れていたというわけなのさ。」


「近くに事情を知ってそうな者は?」


銀次からの問いに武蔵爺さんは静かに首を振る。


「この子以外誰もいなかったよ。」


(近頃の行方不明事件と何か関係あるのだろうか。)


関係あるとしたら、なぜ酒槻だけは行方知れずにならなかったのか、引っかかる。

行方不明になる者はいても、こんな酷い怪我をした者はいなかったはずだ。


「とりあえず当の本人が目を覚まさないことにはどうしようもない。幸い怪我の手当は済んだし、今日のところはこの子はうちで預かろう。」


酒槻の住所が分からない内は仕方がない。

一晩だけとはいえ、いざこざがあった相手と一つ屋根の下に居るのは気分が悪いが、怪我人を前にそんな薄情なことも言っていられまい。


酒槻のことは祖父に任せて伊吹は寝る支度に取り掛かるのだった。


(2時か。)


変な時間に目覚めてしまった。

明日も学校があるため、用でも足して早く寝ようと部屋を出た伊吹の目に飛び込んできたのはふらつきながら庭を歩く酒槻の姿だった。


「な、何やってんだよ。」


急いで庭に出て酒槻の手を掴む。


「おい!怪我してんだから安静にしてろよ!」


酒槻はキッとこちらを睨むと手を振り払う。


「余計なお世話なんだよ!こっちは中妖への昇級が掛かってるっつうのに!」


「昇級?」


酒槻はハッと口を押さえると、再び鳥居の方へと歩き出す。

まさかまた丼小川に行くつもりなのだろうか。


「お前、何するつもりなんだよ。というか何があったんだよ。」


「お前には関係ない。」


「関係なくはねえだろ。クラスメイトなんだし…」


普段の伊吹なら面倒事には関わらないようにしていただろう。

しかし、怪我をした姿を見て無関心でいられる程性根は腐っていない。


「心配してるから言ってんだ。あんな怪我して、只事じゃねえだろ。」


「…。」


「第一、いきなりいなくなったら爺ちゃんも心配すると思うし…」


「責任取れよ。」


「は?」


そう言うと酒槻は再び歩き出した。


「責任って…?というかあんま動くなって…」


「お前は今から妖怪と戦ってもらう。」


「…。何いってんだ?」


「いいから黙って聞け。俺は最近この辺りで起きてる行方不明事件の解決のため派遣された。」


「だから何言って…」


「いいか、よく聞け。この事件の犯人は妖怪だ。」


「妖怪って、そんなもん居るわけねえだろ?」


「いなきゃ俺はこんなボロボロになってない。」


「お前の怪我が妖怪の仕業だって言いたいのか?」


「その通り。俺を襲ったのは妖怪 岩魚坊主だ。」


「い、岩魚坊主?」


「長い年月を生きた岩魚が妖力を得て人に化けられるようになった妖怪。」


「お前の言ってることが本当だとして、なんでそいつは人間を襲うんだよ。」


「分からねえ。だが、人間に害をなす妖怪は討伐しなきゃならない。そのために俺達妖封師がいるんだ。」


「妖封師?」


「それは置いといといて、お前動けんの?」


「分からない。」


「あっそ。死なねえように精々頑張ってくれよ。」


(やっぱり嫌な奴。)


伊吹の思いとは裏腹に満月が清々しいほどに輝いていた。


丼小川に続く道中

「妖怪ってどうやって倒すんだよ?」


「倒すんじゃない。妖力を散らして封印するんだ。」


「なんか出せんの?ビーム的な奴。」


「ビームは出せない。俺が使えるのは酒童術だ。」


「何だそれ?」


「細かいことはどうでもいい。お前には囮になってもらう。」


「囮?一番危険な役どころじゃねえの?」


「仕方ねえだろ。こっちも切羽詰まってんだよ。」


「そう言えばさっき昇給がどうとか…」


「そろそろだな。」


丼小川はすぐそこまで迫っていた。


「俺は茂みに隠れて急所を狙う。それでお前には今から釣りをしてもらう。」


「釣り!?」


「岩魚坊主が襲う対象には共通点がある。釣りをしていたってことだ。」


「釣りねえ。いいけど、そいつが出てきたら俺はどうしたらいいわけ?」


「俺の合図で逃げろ。」


「その間に俺が死ぬ可能性は?」


「そこは上手くやれ。」


「はあ!?お前肝心なとこいい加減…」


「俺にはどうしても成し遂げたいことがある。どのみち助けられなきゃ俺は死んでいたんだ。助けた責任、取ってもらうぞ。」


(助けたの俺じゃねえけど…。)


酒槻の言う通り、見晴らしの良いところを選んで釣りを始める。


(ちゃんと守ってくれるんだろうな。)


そんなことを考えつつも釣りを続ける。


「お、案外釣れんじゃん。」


何匹目かの掛かった魚を釣り針から外していると、


「こんな夜中にどうしたね。」


突然後ろから声をかけられたため、心臓が止まるかと思うくらい驚いた。

その瞬間、酒槻からの忠告を思い出す。


『話しかけられても答えるなよ。』


意図は分からないが、答えてはいけないらしい。

しかし、この坊さんが本当に妖怪なのだろうか。

確かにこんな夜中に外出している時点で怪しくはあるのだが。


そんなことを考えていると、


「酒童 暁!」


酒槻の声が響いたと同時に茜色のコウモリが坊さんを取り囲む。


すると…


「グアアア!」


坊さんの顔がみるみる魚と化していく。


『俺の合図で逃げろ』


これが合図で合ってるんだよな。

そんなことを考えつつ、逃げる足に力を入れる。


「よくやった榎宮。」


後ろから酒槻の声が聞こえるが、立ち止まったら死ぬような気がしてならないため、そのまま逃げ続ける。


数百メートルは離れただろうか。

ふと酒槻が心配になり後ろを振り返ると、そこには顔が魚で体が人間、いわゆる半魚人というのだろうか、と酒槻が戦っている最中だった。


「魚人行進!」


半魚人、岩魚坊主からの攻撃をなんとか躱し、酒槻は体勢を整える。


そして腰に提げていた小瓶の中身を仰ぐと、


「酒童 清流!」


川の水が持ち上がり、これまた岩魚坊主を包み込む。


「グアアア!」


岩魚坊主が膝をついて倒れるのと同時に酒槻を取り巻いていた魚の群れが消えた。


項垂れる岩魚坊主を前にして、酒槻がお札のようなものを取り出しているのが見えた。


(封印するのか。)


その時、伊吹の脳裏にとある夏の日のことが蘇った。


伊吹がまだ幼い頃、小学生くらいの頃だっただろうか。

ザリガニ釣りが流行っていたとかで、友達のいない伊吹は一人で丼小川に釣りに来ていた。

その日は前日が雨で、今思い返せば危険な状況だったのかもしれない。


「釣れないなあ。」


いつまで立っても一匹たりとも釣れないことに痺れを切らした伊吹は、少し深い方へと足を踏み入れようとした。

その時、


「これこれ。戻って来い。」


背後から見知らぬ人の声がした。


振り返った伊吹の目に飛び込んできたのは法衣を着用したいかにもな坊さんの姿だった。


「お爺さん、誰?」


「ワシはしがない坊さんじゃよ。お前さん、そっちは深うて…。」


「うるさいなあ。ちょっとくらいいいんだよ…」


口答えが終わるか終わらないかのタイミングで伊吹は足を滑らせた。

そしてあっという間に深い方へと流されてしまった。


(苦しい…!)


伊吹が必死に藻掻いていると、

バシャッ

大きな音が聞こえたのを最後に記憶は途切れた。


次に目覚めた時は川岸の上だった。

死ぬかもしれなかったという恐怖のあまり今の今まで忘れていたが、おそらくあの坊さんが助けてくれたのだろう。

あの時の坊さんは、岩魚坊主によく似ていた。


「ちょっと待ったあ!」


無意識の内に声が出ていた。


驚いた様子で振り返った酒槻の元に全速力で駆け寄り、札を奪い取る。


「封印、絶対しなきゃなんねえの?」


「はあ?」


「こいつさ、そんな悪い奴なんかな?俺、小さい頃こいつに助けてもらったような気がすんだよな。」


「お前、何言ってんだ?」


「俺が丼小川で溺れた時に助けてくれた坊さん、こいつにそっくり…。いや、こいつが助けてくれたんだ。」


「バカバカしい。他人の空似だ。そうじゃなくてもこいつを助ける理由にはならない。」


「話してみなきゃ分かんねえじゃん。こいつがどんな奴なのか、なんでこんなことしてんのか。」


「いい加減にしろ!」


「…!」


「ならお前は封印対象の妖怪全部と対話すんのか!?封印対象はこいつだけじゃない。例外を作るってことは規律からはみ出すってことだ。そんな奴はいつか足元すくわれる。」


酒槻の言ってることは正しい。

岩魚坊主が伊吹を助けた本人だという証拠は無いし、そうだったとしても封印しない理由にはならない。

でも、でも…!


「坊さん、なんでこんなことしてんだ?」


岩魚坊主に問い掛ける。

すると、奴はポツリポツリと話し始めた。


「ワシには孫がおった。それは可愛い可愛い孫でな。ワシのことをよく慕ってくれていた。ワシは孫と共に遊び、時には生きるための知識を授け、このままずっと幸せが続くのだと驕ってしまっていた。そんな時だった。悲劇が起こったのは。」


「悲劇?」


「殺されたのじゃ。ワシの孫、岩吉がな。」


「!殺されたって誰に…?」


「年は中学生くらいだろうか。ある日5人組の男達がやって来て釣りをしていたかと思ったら、釣れない腹いせに川に洗剤を流したのじゃ。それを飲んで孫は死んだ。」  


(酷すぎる…。そんなことをする奴が同じ町内にいるなんて…。)


「それ以来ワシは復讐に駆られるようになり、一人、また一人と犯人共を攫っていった。」


(攫う?殺してないのか?)


「ワシは人間が好きでな。孫を殺した犯人と言えども、殺すことは、できなかった。」


(殺してないっていうことは、まだ引き返せるかもしれない!)


「酒槻!」


それまで黙っていた酒槻は不満そうに頷くと、岩魚坊主の方に向き直り言った。


「攫った人達の元へ案内してくれ。」


「何をするつもりじゃ?」


「決まってる。攫われた奴らを解放する。」


「それは無理じゃ。」 


「!?どうして!」


「お前さんはあの時の子供か。大きゅうなったのお。こんな醜いところをみせてすまないが、わしは奴らを許せん。殺せないのなら、せめて生涯水の中で…」


「そんなの間違ってる!」


「何じゃと?」


「間違ってるよ、そんなこと。確かに彼らは取り返しのつかない過ちを犯したかもしれない。でも、罪を償う道を閉ざされて良いはずがないんだ。岩魚坊主、お前の辛さを分かってやることなんてできない。大切な人を失った悲しみはきっと本人にしか分からないから。」


「…。」


「お前が自暴自棄になってただ釣りをしていた罪のない人達を襲ったこと、許されることじゃない。だけど、お前だって、罪を償う機会は残されるべきなんだ。だから、彼らを解放してくれ。お前はまだ引き返せる。」


「…。承知した。」


そう呟くと、岩魚坊主は付いて来いと言うかのようにどこかへ歩き出した。


岩魚坊主は伊吹達を洞窟へと案内すると、何やら呪文を唱え始めた。


「解!」


奴がそう叫んだ瞬間、10個程の水の塊が目の前に現れた。


中には攫われたであろう人達が囚われていた。


「今すぐこの人達を出してやってくれ。」


岩魚坊主は頷くと、再び呪文を唱えだした。


しばらくすると、彼らを包んでいた水の膜が弾け飛んだ。


ドシャッ


囚われていた人達が地面に横たわる。


「大丈夫ですか!?」


駆け寄ろうとした伊吹を酒槻が止めた。


「ここからは俺の役目だ。」


そう言うと酒槻は先程同様小瓶を仰ぎ、


「酒童 花雪。」


淡い雪が彼らを包むと


ゲホッ


息を吹き返した。


「仮死状態にされてるだけだ。これでもう大丈夫。」


「よかった…。」


「本当にありがとう。」


そう呟くと岩魚坊主は深々と頭を下げた。


「ありがとうじゃねえよ。お前の処分は妖務省が決める。大人しく待つことだな。」


項垂れる岩魚坊主を横目に、伊吹は酒槻がどこかへメールするのをボーっと眺めていた。


あれから伊吹は警察に通報し、事情聴取を受けた。


警察が到着した頃には酒槻も岩魚坊主もいなくなっており、

行方不明者は全員無事で、事件は不可解な点を残したまま幕を閉じた。


あの後すぐ酒槻は転校してしまった。


あの夜のことは全て夢のように感じられる。

妖怪なんて本当はおらず、全て悪い夢だったんじゃないだろうか。


しかし、実際問題行方不明者を見つけたのは自分であり、事情聴取まで受けているのだ。

まさか、妖怪の仕業だなんて言うことはできず、だんまりを決め込んだのだけど。


無難に。それが自分のモットーであるなんて言う割には今回は厄介なことに首を突っ込んでしまった。

でも、これ以上何かに巻き込まれるなんてことないはず…そう思っていたのが間違いだった。


『榎宮伊吹様』


そう書かれた手紙を眺めながら、伊吹は過去の自分を恨むのであった。

















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