「堕落王」おにや、転生ス
2036年、8月
「うわうわうわ!!!ほほほ!!!やめ、やめてくれぇーー!!!!!」
突如、目の前に現れた「敵」にショットガンを撃ち込まれてしまう。いわゆる、「かどまち」によって華麗にやられてしまう。順位は2位。ここまで積み重ねてきたkill数は12。過去最高のデキである。リアクションも悪くなかったはず。。。コメントではさも盛り上がっているであろう。
「へい!チャッツ!惜しくね!今、P持ってれば勝てたわ!!うわ、まじもったいね!」
負けてしまったとき用のリアクションを軽くしつつ、コメントに目を移す。コメントは、、、流れていない。。。それもそのはず。閲覧数は1。自分のアカウントで配信、コメントを見ている1である。つまり
「誰も見てないか、、、」心の声が、漏れてしまい、ふと正気に戻る。
「いやーーー!またやるわ!おつおつ!」明るい声で配信終了のあいさつを終える。
彼は肩を落としながら、「おにや」と検索をかける。同接99800人。そこには、サングラスをかけた見慣れた顔があった。そう、「彼自身」である。しかし、ドッペルゲンガーなどの超常現象ではない。
「俺が、、、俺たちがまさか負けるとはな」昔は、よかった。昔は、、、彼の脳裏に仲間とともに駆け抜けた「青春」がよぎる。身の丈に合わない、輝かしい過去。そして二度と味わうことのできない「味」。
しかし、俺たちは負けたのだ。カロさん。。まこうさん。。。彼らとともに最後まで戦い抜いた。すずきのさん、こしなま、ばんじょう、かものはし、、、数多の戦友が命を散らした、「頂上戦争」。あのときもし、もし俺が戦い抜いていれば。あと少しの勇気があれば。。。公開と懺悔の念に駆られる。しかし、時は戻らない。
「寝るか。」後味の悪い配信になってしまったな。そう思い立ち上がった瞬間!!!
「うお!!!うおうおうおうおうお!!!!!!」かつて経験のない頭痛とともに目の前がぐにゃぐにゃとねじまがる。声も出せないほどの痛みに悶絶するのも束の間、体が動かなくなり、すっと心地よい気分となってきた、、、脳内麻薬だろう。即座に頭の片隅にある雑学が思い浮かぶ。俺、死ぬのか。
思えば、悪くない人生だった!そう思って死んでいくと思っていた。それが「おにや」。本気で思っていた。そんなものは妄想だった。そんな思いが駆け巡りながら彼は長い「眠り」についた。。。。