表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

災厄

かなり間が空いてしまいましたが、2話目つくりました。

 目の前の少年は、「今日中に返さなきゃいけないんです……借金!」、涙目で、確かにそう言った。


 さて、僕は飛行機を余裕で追い抜く程のスピードで頭を回転させる。彼の目的は何か。考えられるのはこの3つだ。

①ただのイタズラ

②同情を誘って僕に景品を獲らせ、そして獲った景品を高く売って儲ける

③僕を誘い出してリンチにかけようとしている

このうち1番僕が望むのは当然①。犯罪に加担することもなく、これからもバイトで金を稼ぎつつ、クレーンで飯や洋服獲って安定した生活を続けられる。逆に、最悪なのは③。最悪死ぬ。

 そして、僕が出した答えは、これだ。

 「……………」

 無視。

 無視!

 完全なる無視!

 さっき見たのは多分夢か幻だ。こんなのに関わっちゃろくなことがない。そういうことにしておこう。そうすれば多分双方にとって平和だ。彼には多分後で5億円くれるおっさんが出てくるから大丈夫だということにしておこう。

 そして僕はその場を後にしようと台車を押して歩を進める。


「ちょま」

「あのぅ」

 何か気味の悪い声が聞こえてくるが、多分僕は疲れているのだろう。昨日たまたま100円でとれたゲームで夜遅くまで遊びまくってたから仕方がない。


 だが、急に首元の襟を掴まれる。まさか、さっきの少年じゃなかったよな。

 恐る恐る、少しずつ、ゆっくりと振り向いていく。僕の視界が捉えたのは、最悪なことにリーゼント頭の集団だった。十、いや三十はいるか…?全員ムキムキだ。おいおい、こんなファッションとっくに廃れたんじゃなかったのか?なんて内心愚痴をこぼしてみるが、これはまずい。今の僕は所謂袋の鼠だ。迂闊に逃げることはできない。


 その不良のうち、金髪の1人が、さっきの少年に訊く。

「おい春川、こいつがお前の言っていた凄腕のゲーマー?」

 

 「…は、はいぃ」

 違う。それは僕のことじゃない。

 「ふーん……」

 金髪は僕の容姿を隅から隅まで舐め回すように眺める。これは何の品定めなんだ。

 「じゃあ、今からこいつに」

 1秒が1分に感じる。さようなら。僕の人生。

 「クレーン勝負させよう」





 














………は?

こんなに行間が開くぐらいには肩透かしを喰らった。助かった。死ぬより5000倍ぐらいはマシに。

 「ルールは簡単。あそこにあるぬいぐるみを先に獲れたほうが勝ちだ。」

 不良の一人は二台のクレーンゲームを指した。どちらも同じ種類のものだ。これは最近流行のぬいぐるみを取るものである。しかし、前回記した通り、急に情勢が変わったため、このぬいぐるみの中にちゃっかり缶詰が入っていたりする。政府の必死な情報統制のおかげで、情報が周知されることは防がれたものの、プロのゲーマーなどの一部の人間からは強く注目されるものになっていた。


 先ほどあの不良たちが言っていた事は本当で、

この店には、伝説級のクレーンゲーマーがいると噂されている。僕もその情報を知ってここに来たわけだが、いまだにその人と会えていない。そして目の前の不良は勝手にその人を僕と勘違いして、勝負を申し込んできたということだ。


 そして、絶対に逃さまいと言わんばかりの30人の屈強な男達。僕が一歩でも下がろうとしてくると、みんなズボンのポケットに手をかける、そこから一瞬ギランと鋭く輝くものが、私の目に留まった。それを見れば勝負を拒否すればどうなるかと言うのは想像に難くなかった。

 肝心の僕自身の実力だが、超雑魚級である。昔あるアニメにはまっていたときに、そのヒロインにゾッコンだったんだが、ある日、そのキャラのフィギュアを獲ろうと思った時に、のらりくらりと躱されて結局私は5000円ほど貢いでしまったことになる。

 そんな雑魚野郎が、目の前のこの怪物のような男たちに最も苦手な分野で立ち向かうわけだ。

 こんな状況で露骨にびびっているように見せると、相手を強気にさせるだけなので、

できるだけ挑発しないように、ちょうど良いバランスを見つけた結果、


「いいっすよ。暇ですしやりましょう」

できるだけ平然を装ってそう言ってみた。今の僕の顔はどんな風になっているだろうか。過去一ダサいだろう。

「へへっ。さぁ、やろうぜ」

その不良の顔は、どこかうれしそうに見えた。しかしなかなか趣味の悪い笑みである。わざわざ顎をこちらに向けて文字通り上から目線で某ファミレスのドリアを食べる作者のような顔をして。こっちは命がかかっているというのにいちいち癪に障る奴だ。

そして、僕ら2人は位置につき、

「はじめぇ!」

春川の情けない声でスタートダッシュを決めたのである。


 

次回は来週までには書いておきます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ