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模擬戦


 模擬戦をするために広場へ向かった。

 広さで言うと100人近くは動ける広さだ。

 魔法障壁が張られていて強力な魔法を使っても壊れることはないだろう。


 「どういった形式で模擬戦をしますか。」


 アオイが話しかけてくる。


 「そうだな。まずは皆の戦力を見たい。二対二で戦闘にしよう。組み合わせは任せる。」


 アオイが頷き3人に話しかけた。

 組み合わせはアオイとサナ。カリーナとソフィの組み合わせになったみたいだ。 

 アオイとカリーナが前衛で対峙し、ユナとソフィが魔法を使うため後衛に立つ。


 「オレが辞めと言ったら終わりだ。始め!」


 アオイとカリーナの剣が衝突する。

 力ではアオイが上で押しているが、技術ではカリーナが上だ。

 うまくアオイの攻撃を捌いている。


 無詠唱でサナが巨大な火の玉を放つ。

 驚いた。無詠唱なんてオレは見たことがなかった。この若さでこれだけの魔力がある。

 サナは天才魔道士と言っても過言ではないだろう。


 「今度こそ負けないよ~」


 ソフィが水の障壁<ウォーターウォール>を展開して火の玉をかき消す。

 かき消すと、すぐにサンダーボルトをソフィが放つがサナは危なけなく躱す。


 ソフィは幼いが、様々な属性の呪文を展開できるみたいだ。

 実力は十分だが、サナが相手だと厳しいみたいだ。

 後手に周り、徐々に押されている。


 前衛でもアオイがカリーナを押す展開が続き、カリーナはアオイを止めるだけで手一杯だ。

 このまま長引けば、アオイ・サナ組が押し切るだろう。


 「そこまで! 」


 皆が動きを止める。


 「なぜ止めるのです。納得できません。まだ勝負はついていませんわ! 」 


 カリーナが叫ぶ。


 「たしかに勝負はまだ決して居ないが、これ以上続けても無駄だ。カリーナほどの実力者だったら結果くらい分かるだろう。押し切られるのは時間の問題だ。」

 「ですが! 」

 「次はオレがカリーナ、ソフィ組に入る。オレは物理攻撃は一切しない。いいんだろう? 」


 オレはカリーナを無視してアオイとサナに問いかける。二人が頷く。決まりだな。


 カリーナとソフィを呼んで作戦会議をする。


 「さっきと同じ戦い方でいいが一つだけ注文がある。」

 「なんですの。」

 「オレが相手の陣形を崩す。オレが合図をしたらソフィはなるべく速く魔法をアオイに放ってくれ。」

 「あなた、さっきは物理攻撃をしないと言いましたわよね。どうやって陣形を崩すつもりですの。」

 「まあ見てろ。ソフィもいいかい。」

 「わかった。お兄ちゃんの言う通りにするね。」


 先程と同じ陣形で戦闘開始だ。

 オレは後衛のソフィの前に立つ。前衛は引き続きカリーナに任せる。


 「先程と同じだ。合図で終わりだ。始め! 」


 合図を同時にアオイとカリーナの剣がぶつかる。

 無詠唱でサナが魔法を放ってくるが、ソフィが打ち消す。

 先ほどと全く同じ展開だ。


 アオイとサナはオレがなにか仕掛けてくると警戒していたが、

 オレが突っ立っているだけと判断すると攻勢を強める。


 「お兄ちゃん、このままだと押し切られちゃうよ! 」


 ソフィは後手に回りながらもサナの魔法を打ち消す。

 もう少しだけ耐えてくれ。もう少しだ。

 サナが一気にかたを付けようと呪文を詠唱し始めた。強力な呪文を放とうとしたのだろう。


 だがそのスキが命取りだ。


 「ジーク! 」


 ジークが空から直滑降で降りてサナを攻撃した。

 ジークの攻撃に気を取られて、サナの詠唱が止まる。


 「ソフィ! 」


 サナの魔法攻撃が途切れたことで、ソフィの手が空いた。

 ソフィがサンダーボルトをアオイに放つ。

 アオイは直撃を避けるため横に転がった。そのスキを見逃さずカリーナが剣を振り上げた。


 「そこまで! 」


 オレの声でカリーナの剣がピタッと止まる。

 オレは倒れているアオイに手を出して引き起こしながら言った。


 「力と魔法の威力だけが勝負じゃない。大事なのは頭をどう使うかだ。最強の戦力を揃えたからと言って、魔獣に勝てるわけではない。魔獣たちはオレなんかより卑怯な手を使ってくる。それこそ仲間を犠牲にしてでも殺しに来るんだ。」

 「あなたがリーダーに任命された理由が分かりました。先程までの無礼をお許しください。」


 カリーナが膝をついてオレに頭を下げた。


 「いや。頭を下げなくて良い。オレが皆と戦えば一番弱いのは事実だからな。」

 「油断した~。まさかジークが戦闘に加わるなんて思わなかった。悔しい。」

 「私もです。最初ヨースケさんが何か仕掛けてくると思いましたが、動きがなかったのでカリーナに集中しました。完全にスキをつかれました。」


 サナが頬を膨らませて悔しがっている。アオイも手を顎に当てて先程の戦闘を振り返っている様だ。


 「次は組を変えてもう一度だ。オレはバフのみを使う。」


 その後、昼の鐘がなるまで模擬戦を何度も何度も繰り返した。

 戦力で言うとS級パーティだった銀狼の牙より強い。

 鍛えれば鍛えるほど皆の動きは良くなっていった。

 

 昼の鐘がなると、皆で食堂に向かった。

 帝国の食堂では美味しい料理が無料で食べられるらしい。

 メニューを選びオバちゃんに伝えると作ってくれる。

 皆で食事を取っていると、オレは質問攻めにされた。


 どうやら、多少は皆に認められたみたいだな。

 隊員から多少は信用を得られたみたいでホッと胸をなでおろした。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


「面白かった。」


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