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初ダンジョン

仕切り直して冒険者登録を行った。

身分証明書にもなるギルドカードを手に入れたオレたちは晴れてF級冒険者になれた。


ここまでオレは《閲覧》スキルを使っていない。

敢えて使わずに冒険を楽しむつもりだ。

いざとなったら《契約》した神々の魔法を使えば何とでもなるだろうし。

ダンジョンに潜る前に道具屋で買い物をした。

シャルロットとアンリは聖魔法の聖灯(ライト)を使えるので嵩張りそうな松明を買わずに済んで助かった。

ポーションと毒消し、それに乾燥肉や乾パンなどの食糧を買い込み準備万端だ。

隊列についても打ち合わせした。

ダンジョンは幅が10メートル位あるそうなので先頭に重戦士テオドール、2列目に軽戦士のニースとゼダン、3列に回復術士シャルロットとアンリ、殿に身軽な格闘家?のオレということになった。


いよいよ明日からダンジョン攻略が始まる―――。


――――――――――――――――――――


ダンジョンってこんな感じなのか。まるでアリの巣だな。

分岐に次ぐ分岐、更に高低差もあって今何処にいるのか分からなくなってくる。

モンスターはたまに遭遇するがスライムばかりで歯応えがない。

「おーい、これまで来た道覚えてるか?」

不安になって聞いてみた。オレは覚えていない。

「大丈夫。聖灯(ライト)の軌跡を追えば地上に戻れるから。」

アンリが淡々と答える。

「ならよかった。」

ニースがホッとしたように呟いた。

「しかし聖魔法って便利だな。何処で覚えたんだ?」

「ボクたちは教会で司祭さまから教わったんだ。」

「へぇ?教会でねえ。」

不審な顔でニースがオレの方を見る。

「何か?」

アンリが若干不快そうに問いただす。

「イグナシオは教会で育てられたんだけど聖魔法使ってるの見たことなくてね。さすがのイグナシオさんも不得意な分野があるんだなあと思ってさ。」

ニースがケラケラ笑いながら答える。

「そういうことか。聖魔法も適性がないと使えないから。」

アンリはそう言って押し黙る。

ここまでオレは無言。

確かに聖魔法は使えないけど神聖魔法なら使えるんだぞとイキる場面でもないからね。


オレたちのパーティは更なるダンジョンの深部へと進んでいく。


「あれは何だ?人か?シャル!聖灯(ライト)で前方を照らしてくれ。」

テオドールが指示する。

シャルロットは聖灯(ライト)を前方へ移動させた。

「子ども?いや、あれはゴブリンだ!!」

光に照らされたソレは赤黒い肌の小人だった。小さい斧と小さい盾を持っている。

「1匹じゃないぞ!迎撃態勢を取れ!!」

テオドールの声にニースとゼダンは1列目の右翼と左翼に移動しゴブリンが後衛に向かわないように道を塞ぐ。

オレは背後からの奇襲を警戒するため後ろを向いた。

暗闇に光る幾つかの小さな光が見えた。

「テオドール!背後からもゴブリン数匹!!」

「わかった!そっちは任せる。アンリはイグナシオをフォロー!」

「了解!」

アンリの聖灯(ライト)がパーティの背後を照らす。

4匹のゴブリンの姿が照らし出された。

「後ろはゴブリン4!任せろ!!」


オレは勢いよくゴブリンに向かって突進した。



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