魔女のしっぽ
久しぶりの投稿です。
翌日、オレたちは再びヤクト・ランカード伯爵の護衛についた。
昨夜の襲撃から引っかかっていることがある。
オレの魔法が使えなかったことだ。
オレの魔法は神や精霊から力を借りるのではなく直接神の力を行使している。
ゆえに昨夜の事態は神が力を封印されたことに等しい。
神の力を封じることのできる神外、そんなバケモノの心当たりは一つしかない。
「難しい顔してどおしたんですかマスター?」
アリミノが能天気な声を出して隣に並ぶ。
「昨夜の襲撃で何かおかしな事はなかったか?」
小さな違和感でも積み上げれば確信に変わる。情報収集はコツコツとしなければならない。オレにはオレの、アリミノにはアリミノの見え方があるかも知れない。
「じ、実は実際に闘うの初めてだったのでワタワタしててよく覚えてないんです。」
まあ、そうだな。初陣で状況を把握できる者など達人でも無理な話だ。
「で、でも不思議だったことがっ!」
「な、なんだ?」
「わたしを狙ってくる人が誰もいなかったんです!」
どういうことだ?普通ならば弱い者から狙うのがセオリーだと思うが
「わかった、ありがとう。」
手を振って下がるように合図すると何を勘違いしたのかオレの手を握り締めてくる。
「こんど襲われたらマスターを必ず守りますからっ!」
「あ、あぁ…ありがとう」
潤んだ瞳で見つめてくるアリミノ。コイツこんなに目が大きくて綺麗だったのかー、そういやマジマジと顔を見るのは初めてかもしれないな。
などと考えてると
「ま、マスター?もし催したのならばそこの路地でチャチャっとしちゃいますか?」
雰囲気台無しである。
「いや、いい。今は仕事中だしな。あとで頼むわ。」
「は〜い、かしこまりました♡」
ようやくアリミノは配置に戻っていった。
さて、取り敢えず何かしら対策をしないと後手後手に回ってしまうな。さしあたりアレを試すか。
魔力を集中させ「トリ」の形を作り部隊の先頭を飛ばさせる。
「おーい!アリス!そのトリが消えたら襲撃がくる合図だからなー!」
「了解!あとでってのも頼まれた!!」
……地獄耳。
シャルは…最後尾にいるから聞こえてないか。
オレたちは議会議事堂を出発し伯爵邸に向かう。
時間は午後2時、帰ってからの予定はないようだし今日の襲撃はなしかな?
と呑気に構えていたところ、トリが消えた。
「てきしゅーーー!!!」
アリスの声が耳に響く、高くて遠くまで通る良い声だ。
ちなみに消えたトリはオレが作ったオリジナルの魔法だ。それが消えるイコール敵の結界に入ったことを表す。
魔法が使えない中で剣技のみで相手しなければならない。しかし、たぶん、おそらく。地獄で修行して会得した魔法は使えるだろうな。
あれ?まてよ?神の力を行使する魔法は使えない、という事は神から授かったスキルは?
嫌な予感がする。オレは地獄魔法(名称仮)脚力増強を使い全速力でアリスのもとへ向かう。
「アリスーーーーっ!!!」
前方に闘っている人の姿と倒れている人影が見える。
やはり『剣聖』は封じられてるか
闘っているのはアリスと見たことない者が2人
1人は重そうな長い刀を片手で振り回している。
体躯も大きく顔貌も黒々して濃い顔をしている。見るからにパワー系だ。
もう1人は青白い顔で線が細い痩せ型、通常の寸法の刀を使っているが刀身が多分赤い。
多分と言うのは太刀捌きが速すぎてほとんど見えないからだ。
「アリス!無事か!?」
「ごめんイグナシオ、ワタシ弱くなった。」
しょんぼりしてアリスが呻く。
「剣聖が使えないんだから仕方ない。」
「どういうこと!?」
「説明は後だ。コイツら倒すぞ。」
せっかく見つけた魔女への手掛かりだ。きっちり回収しておきたい。
地獄魔法(仮)身体狂化剣聖を無詠唱でアリスにかける。
「アリス、やってお仕舞い!」
「ありがとうイグナシオ。あとでのやつサービスしちゃうね♡」
っとくだらないやり取りをしている間に敵2名は肉塊と化した。
一から読み直しましたが誤字が大量に発掘されました笑
お恥ずかしい。




