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龍と虎とポンコツと

オレは剣術修行という名の放置プレイでアリミノを置き去りにし聖都での情報収集を始めた。

酒場で聞き耳を立て、商人から情報を買い、娼館で女から噂話を掻き集めた結果、この国は暫く前から内乱寸前の状態となっているようだ。

先の帝国侵攻も国民の不満の目を逸らすための策と称して一部の過激派の暴走が原因だ。

皇国内の主な勢力をざっくり分けると、改革派、保守派、中立派がそれぞれの階層を縦断して存在し、改革派では平民層、保守派は貴族や聖職者、中立派は王族が多数を占めている。

また、面白いことに改革派の王族がいたり保守派の平民がいたりするらしいことが分かった。

「国がこんな状態では戦争どころではないか。」

ひとまずは帝国は安泰そうだな。

あとはブタを探さないと…

思案しながら宿屋へ向かうと2つの影が襲い掛かってきた。

その1つはオレの反応速度を遥かに凌駕するスピードだ。

こんな場所でこれほどの手練れがいるとは!完全に油断した。

身体に衝撃が走る。遅れて二つ目の衝撃が続く。

「ぐぁーー、シャル!アリスごめんッ!!」

正直死んだと思った。


あれ!?死んでない?

薄っすら目を開けるとシャルとアリスがジト目でこちらを見ていた。

「ちょっとイグナシオ?会うなり謝るとか何したのカナァ?」アリスの声が殺気に震えている。

「ボクたちのイグナシオが悪いことするわけないよぉ?浮気とかネ!!」シャルの顔が凍り付いている。

「やっぱり宿の裏にいたエルフ殺しておけばよかった!」

「まだ微かに息してたね、そう言えば。」

え?アリミノさん殺しちゃったの?

「へえ?アリミノって言うんだ?随分と親しそうね?」

アリスの読心術の前に隠し事はできない。

「勘違いしてるようだけどあいつはただの従者だッ!」

宿の裏庭へと急ぐ。

「たしかに()()肉体関係はなかったようね?」

なぜ分かる?そんなことよりアリミノだ。

裏に着くとアリミノがいた。

顔はボコボコで下半身裸の状態、逆さ大股開きの状態で転がっていた。ひでえ。

完全回復(パーフェクト・ヒール)

瀕死だったアリミノの意識が戻る。

「あれ?わたし何でこんな格好してるんだろ?はっ!マスター!!」

丸出しのままアリミノは話し続ける。

「ようやくわたしの初めてを貰っていただけるんですね!いきなり野外だなんてこのケダモノッ!」

赤くなり顔を隠す。隠す場所違うんじゃねーか?

「馬鹿なこと言ってないで服着ろ!」

自分の着てた外套を投げる。

「イグナシオ、紹介してくれるかしら?」

いつの間にか2人とも側にきている。腕を上げたな?

「ご、ごほん!行き違いがあったが改めて紹介する。こっちのスレンダーな金髪碧眼の美人はオレの妻、ルーデシア帝国子爵アリス・マレニア・リークレット中将だ。」

帝国式敬礼を決めるアリス。

「こっちもオレの妻、帝国第二皇紀シャルロット・ルーデシアだ。美しい赤い髪に青い瞳実に可愛らしい顔をしている。武器は大きな胸と硬い拳!」

優雅に会釈するシャル。

アリミノの方へ向きを変え

「こいつは大森林のエルフ、アリミノだ。金髪ペッタンコ。最近オレの従者になったが特に秀でたところはない。というかポンコツだ。」

アリミノは…ポカンとしている。

「どうしたアリミノ?挨拶して。」

「は、初めまして?わたしは先週からマスターの従者になりましたアリミノといいます。というか質問いいですか?」

「この御二方が奥さん?マスターは何者です?」

「よくぞ聴いてくれた。我こそはCランク冒険者イグナシオ・ルーデシア!」

「そして公爵」シャルが補足する。

「しかも元帥」アリスが付け加える。

「はあああああああ!?」アリミノが絶叫する。

「そんなことは置いといて、元気そうで何よりだ二人とも!」

「イグナシオに早く会うために敵をソッコー片付けてきたんだ。」

シャルがドヤ顔をしている。

「よちよち。偉いでちゅねー。」

頭を撫で撫でされて満足そうにしている。

「イグナシオ!ワタシには?」

アリスはアタマをグリグリ押し付けてくる。

「はいはい。アリスたんも偉いでちゅねー。」

こちらも撫でられて満足したようだ。

「マスター!わたしにも!?」

アリミノがもじもじしている。

「この2人はカーライル王国を滅亡させた功績により撫で撫でを授けている。キミは何か功を立てたかね?」

「ひぇ」

腰が抜けたようだ。

「冗談だ。アリミノは剣術が上達したら御褒美をやろう。だからがんばって!!」

「はい!マスター、わたしがんばります!!」

アリミノは会心の笑顔を見せた。



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