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冒険者イグナシオ

神聖マレドニア皇国―――

この大陸で一番古いヒューマン族の国。

ルーデシア帝国ももとは皇国からの移民が建てた国だ。

北東にルーデシア帝国、北西にカーライル王国、南と東は海に囲まれ西は人が足を踏み入れない大森林となっている。

今の皇王はアルバンス・ヴィン・マレドニアという。

政治体制は皇王を頂点に執政府を起き12人の大臣が補佐をする一方、3部制の議会が設置されている。議会は国教ウィンストン教の聖職者が議員を務める審問院、貴族院、平民院で構成されていて、新たな政策や課税などは議会の承認を得なければ皇王と言えど勝手に施行できないシステムになっている。

そのため皇都イスタファンでは様々な思惑や陰謀が渦巻いており自国民からでさえも魔都などと呼ばれている。

軍隊は皇王直下の聖王騎士団、親衛騎士団、審問院の不死隊、ウィンストン教会の神聖騎士団、議会が持つ銃士隊、衛士隊、そして常備軍である国軍がある。聖王騎士団はその剣技において皇国最強を謳われる騎士団であるが、人数は13名しかいない。聖王騎士は皇王を代理する権力が許されており常備軍の指揮権も持っている。彼らは国民から特別な崇敬の念で敬われている。


オレは早速聖都イスタファンに侵入した。

冒険者ギルドライセンスを見せたら簡単に検問を通してくれた。前回死に入りした苦労は一体…

「昼間は人が結構出てるんだな。」

前回は夜だったため昼間のイスタファンを見るのは初めてだ。

「流石にこの格好じゃ人目を引くな。装備を買っておくか。」

オレの魔剣は大剣に分類されるため背中に背負っているが、それ以外は鎧もなく兜もない平服なのだ。

当たらなければ!当たっても回復さえすれば!

つまり防具はオレには意味がない。

ただ今回は冒険者として皇国内部を探ろうとしているのでそれなりの格好をしなければならない。

オレは防具屋で適当な鎧兜に大きめな外套を購入した。

次は冒険者ギルドへ向かう。

入り口の扉を開くと蒸せ返るような汗と酒そして若干の血の匂いが鼻につく、どこのギルドでもこの臭いは変わらないな、オレは苦笑した。

受付に向かおうとすると大男が立ち塞がる。

モヒカンヘアーのそいつは

「おいガキぃ〜、いい剣を持ってるなあぁ?よこせや!」

毎回絡まれるのはオレが悪いのか?

無視して通り過ぎ様に膝を鳩尾に入れる。

無言で倒れるモヒカン。気絶したようだ。

「おい!コゾウやりすぎじゃねえか!?」

「俺の仲間をやってくれたなあ!!」

続々と汚らしいハエどもが集ってくる。

めんど臭いから《威圧》した。

《威圧》スキルの威力は使用者の戦闘力に依存する。

よってきたハエは全員その場で気絶した。

「このギルドは汚物に集るハエしかいないのか?」

受付嬢に話しかける。

「きみ見かけによらず強いのね。それでウチのギルドに何の用?」

「オレはノースアンドから来た冒険者だ。今日からこの街で働こうと思ってな。移籍登録とクエストの受注をしたい。」

「ほほ〜い、じゃあライセンスだしてくださ〜い。」

背後で屈強な男が倒れている中でアホみたいな声で受け答えする受付嬢、肝が座っているのかバカなのか。

ライセンスを提出する。

「へぇ〜、Cランクなんだ?もっと上かと思ってた。」

サクサクと所属都市の変更をしている。

「職業は戦士のままでいい?」

あー、そんなんあったな。

「魔法剣士とかにしといて?」

「は〜い、あとクエストはそこに掲示してあるから勝手に見ていいよ〜。」

言われるがまま掲示板で手頃なクエストを探す。

ふと気付くと隣に見知らぬ女が立っていた。

オレに気付かれずにここまで間合いを詰めるとは!?

みるとフードを被った170センチくらいの痩せた女だ。

「何かオレに用か?」

「私たちの出したクエストを受けてくださらない?」

そう言って女は掲示してある一つのクエストを指差す。

「ブラックドラゴンを殲滅すること。対価は1匹3億ゴールド、か。」

女が頷く。

ブラックドラゴンはドラゴンの中でも上位種の古龍(エンシェントドラゴン)に分類され、1匹退治するのに1個師団の兵力を要する。

「殲滅ってことは何匹いるんだ?」

「受けてくれたら話します。」

「場所は何処だ?」

「それも受けてくれたら話します。」

「何故オレに依頼したいんだ?」

「さっきの《威圧》を見てたから。」

うーむ、危険しか感じない。見返りもオレにとってはショボい。受ける理由が見当たらない。

「悪いが…」

「待ってください!報酬が足らないのでしたら私が貴方の奴隷になってもいいです。だからどうか!!」

オレのローブの端を引っ張りながら懇願する女。

その拍子に被っていたフードが落ち薄い金髪に抜けるような白い肌、青い目をした美しい女の顔が現れた。

「お前、エルフだったのか。」

その女の耳は長く先が尖っている。

「そうです。稀少なエルフを奴隷にするのはヒューマン族の男の夢だとか。」

「うーん、それはそうかも知れないがオレは別に…」

言いかけたところで女が大声で泣き出した。

「わ、わたしでもお役に立てますから!あなたの奴隷にしくださいっ!!」

ギャン泣きである。

周りから白い目で見られている。

「わ、わかった!分かったから詳しい話は別の場所でしようか?」

「ほんとうですかー!!ご主人さまッ!!!」

「奴隷になるのはクエスト成功してからだろ!ご主人さまは止めろ。」

「だってご主人さまの名前しらないんだもん。」

「オレはイグナシオ。C級冒険者だ。」

「私はアリミノ。風の精霊魔法を使うエルフです。」



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