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誤算

今回の戦闘は奇跡の連続だった。

ハーティア王太子は早い段階で騎兵体当たりを喰らい気絶していたのだろう。《黒騎士》スキルが敵兵に掛かっていなかった。(ウチの方も聖女さまが早々にリタイアしたからスキルの恩恵を受けていなかったが。)

なので純粋な兵と兵とのガチンコ勝負になった。これが一番の奇跡だな。《黒騎士》のゾンビアタックと《聖女》のゾンビアタック対決など目も当てられない。

シャルは木陰でスヤスヤ寝ている。

疲れたのだろうからそのままにしておいた。

王太子を縛り上げてシャルと共に護衛兵100を配置しオレは進軍を開始する。連合軍本隊が間近に来ているとの情報を掴んだからだ。

この地は背後に湿地を背負っていて退路がない。

オレは軽騎兵50とともに決戦に適した地形を探るため偵察にでることにした。

「オレはこの先を偵察してくる。お前は残りの軍で右前方の丘陵へ仮の陣地を構築しておいてくれ。」

「イグさん危なくないっすか?」

この男、ヨクトはリール砦に参集した元傭兵で敬語を使えないが、戦場での突破力には一目置いている。

「ヤバかったら逃げるよ。シャルも回収しておいてくれ。」

「聖女のことは任せとけ!」

敵本隊が現れるまで1時間はあるはずだ。オレは先を急いだ。


―――――――――――――――――――――


街道に沿って進んだ。今いる場所は左右に崖があり弓兵を配置するのに適している。うちの軍は騎兵しかいないけど。

崖の間の道を進むと開けた草原に出た。ここならば騎兵の運用に適しているな。

そんなことを考えていた矢先、後方からイナゴのような矢が飛んできた。

「チィっ!伏兵か!?」

全速で草原を目指す。すると正面に敵が現れた。

動きを完全に読まれている?

被害を覚悟して後退するしかない。

オレは来た道を戻る。再び矢の洗礼を受け味方がバタバタとやられていく。

「軽装騎兵ではロングボウは防げないか。」

後ろを振り返らずただただ走り抜ける。

味方は30騎まで数が減ってしまった。

「とにかく本隊と合流するしかない!」

この先に陣地のある丘陵が見えるはずだ。

突然茂みから長槍が突き出されてくる。馬がやられた。

即座に身を翻して着地する。

「こんなところで再会するとは。久しぶりだね、イグナシオ!」

透き通るような女の声がした。オレはこの声の主をよく知っている。

「奇遇だな、アリス!」

そこには軍神と呼ばれているアリス・マレニア・リーグレットがいた。

「久しぶりついでに剣の腕前を見てやろう!」

オレは言うや否や抜剣してアリスに斬りかかる。

不思議とアリスの護衛は動かない。

「昔のままだと思わないでね?」

アリスも抜剣して応じた。

数合打ち合うがアリスの剣はビクともしない。おかしい、強すぎる。それにさっきから魔法で身体強化しようとしているが発動しない。

「ふふふ、相変わらず元気そうで安心したよ。」

「アリス、その剣は魔剣か?」

「気付いた?この剣は王より拝領した魔剣スケヴニング、周囲の魔力を吸い取り魔法を使えなくする効果がある。」

ということは純粋に剣技のみで勝負ということか、それにしてもアリスが強すぎる。

「お話ついでだ。《剣聖》スキルって今誰が持ってると思う?」

「ま、まさか!!」

「その真逆だよ。」

アリスが4人に増える。ヤバいあの技か!?

48の斬撃がオレを襲う。完全に油断した。

数発の直撃を受けてしまった。右手の感覚がない。

「流石のイグナシオも『首のある』剣聖には勝てないわ?」

遠ざかる意識の中でアリスは話し続ける。

「やっとワタシのもとに帰ってきたね。おかえりダーリン。」





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