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イグナシオ旅団

ワシーズ砦、マレーネ砦の制圧が終わりサリウス大公領の殆どが帝国の手に戻った。

暴走機関車ことルーデシア帝国第二皇姫シャルロット・ルーデシアも無事に帰還した。

オレはその頭にゲンコツを落とした。

「いったーーーい!」

「オレがいないときに無茶するとかどうなんですかね皇姫さま?」

「ごめんなさい、ついスイッチが入っちゃって…。」

涙目で上目遣いにオレを見るシャル

「それに自分から『聖女』とか言うのはやめて!」

「だって、ホントに神さまから言われたんだもん。」

は?前にステータス見たときはそんなもんなかったが?

慌ててシャルのステータスを確認する。

「え?マジで『聖女』やん!?」

「えへへ、いいでしょ?」

満面の笑みを浮かべる。

『聖女』もそうだが『剣聖』とか『聖』のつくスキルはオレでも『契約』出来ない特殊なスキルだ。

神々の力をもってしても認識すら出来ない上位神とも言うべき存在が極々稀に付与しているSSRクラスのレアスキルだと言われている。

正直羨ましい…が。

「『聖女』スキルの効果って兵を狂戦士化するの?」

「それもあるけど士気の超上昇とか範囲完全回復とか範囲蘇生とかも出来るみたい。」

「それって軍勢率いたらほぼ無敵じゃね?」

だから()()()か。

「そーみたい。」

王国軍が可哀想になってきた。

「おほん、おほほん!」

アンリがわざとらしく咳払いする。

「お二人の世界の邪魔をして申し訳ありませんが今後のことについて軍議を開きたく…。」

「わーーゴメンゴメン。」

シャルと2人で平謝りした。


――――――――――――――――――――――


軍議には、オレとシャル、アンリ、ゼダン、エストが参加している。

「これからの我が軍の方針について意思統一を図りたいと思います。我々のことは手足だと思いお使いください。」

アンリが口火を切る。心なしかオレを見て言っているような気がするが気のせいだろう。そんな立場ではない。

誰も発言しないため暫く無言の時間が過ぎる。

「頼り甲斐がないとは思いますが我等にも『イグナシオ旅団』の手助けをさせてください。」

アンリが重ねて発言する。

「ちょっと待て。その『イグナシオ旅団』と言うのは?」

「イグナシオ・ルーデシア殿下の率いる我々のことですよ?」

ゼダンが茶化すように言う。

「だ、誰がその名前でいいと言った?オレは承服しかねる!」

全員の視線がオレの隣に集中した。シャルは吹けない口笛を吹いている。

かわいいから許す。

「で。我が軍の今後だが…」

オレは素知らぬ顔で話し始める。

「まずはオレとシャルは兵1万を率い皇都の救援に行く。アンリは領都ディリシアに残り集結しつつある兵をまとめてカーライル本国からの部隊に備えよ。リール砦のザナドゥと連携を取れば難しくあるまい。ザナドゥは引き続きリール砦。北の魔族と西のカーライルへの布石とする。」

「ゼダンとエストは南部のリーゼロッテ皇姫と合流してマレドニア神聖皇国に対して備えてくれ。」

ここまで広範囲に分散してしまえばあの恥ずかしい旅団名は名乗れまい。

「1万で大丈夫ですか?領都の兵をもっとお連れください。」

アンリの言はもっともだけどここは兵速が最重要だ。

「1万でいい。ただし全て騎兵にしてくれ。」

「かしこまりました。」

「出発は3日後、それまでに各自支度をしておくように!」



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