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暴走機関車

「お疲れのところ申し訳ありませんがこれからの方針を決めたいと思うのです。よろしいですか?」

アンリも大人っぽい言い方できるようになったなあ。

「もちろん構わない。まずはリール砦の戦力とこのあたりの戦況を教えてくれ。」

「リールには2万の味方がいます。領都ディリシアには敵兵6万が常駐していて付近のワシーズ砦、マレーネ砦にそれぞれ1万、合計で8万の敵兵が展開しています。」

「そうか、まずはディリシア奪還といきたいところだな。」

「我々も攻勢に出たいところなのですが何分戦力差が大きく膠着状態になっています。」

「俺もエストもあまりの兵力の違いに手も足も出ないんだ。」

「そんなキミたちに『聖女』であるボクが策を授けるよ!」

シャルが突然会話に参加してきた。いつも会議とかのときはつまならそうにしていたのに。

「困ったときは突撃あるのみ!!すぐ行こう今出よう!!」

あまりに脳筋な主張に一同ポカーンとした顔をしている。

「そうと決まれば陣触れしてくるね!者共ーー出撃!出撃でござる!!ディリシアを奪還せよ!!これは『聖女』が神から受けた天啓であるッ!!!!!」

指揮所には基本各部隊長クラスしか入らない。

だがしかしこのときは『聖女』見たさに多数の兵たちが群がっていた。

「うおおおおおおーーーーッ!聖女さまに続けーーー!!」

「武器を取れ!ディリシアを奪還するぞぉ!!」

「聖女さまに遅れをとるなぁー!進めーーーーー!!」

こうしてリール砦にいたほぼ全軍がディリシア奪還へと向かってしまった。指揮官であるアンリたちを残して。

「あ、姉上ぇぇ!?全軍連れて行ったら誰がリールを守るのですか?」

アンリが情けない声を出しへたり込む。

オレはポンっとアンリの肩を叩き

「なんかすまんな。修行してからたまにスイッチ入っちゃうんだ。」

「皇姫殿下になんの修行させてるんですかッ!」

エストがキレた。

「俺たちはどうしよ?」

剣聖の弟子も困り果てている。

「さすがに4人じゃここ守れないぞ?いっそ捨てるか?」

「いやアイツだけおいてオレたちもディリシアへ向かおう。」

「アイツとは?独りで砦の守備ができる一騎当千の兵でもいるのか?」

「シャルの舎弟がいる。アイツに任せよう。」

「しゃ、舎弟…」

エストが泡を吹く。

「おーい!ザナドゥ!!」

「ナンダァ?おめえか、ご主人様はどうした?」

「シャルがオマエにこの砦守って欲しいって言ってた!」

「ご主人様が初めて俺様に命令をッ!!この魔神将軍ザナドゥ、しかと拝命したとお伝えしてくれぃ!!」

オレの命令はシャルの命令、うん間違いない。

「じゃ、オレらも行こうぜ?」

初めて見る魔神、しかも将軍に流石のゼダンたちも固まっていて動かない。

「お前らもソイツとここ守備するのか?」

3人とも首だけを横に振りつつ漸くオレに着いてきた。

「急ぐぞ!!」

オレたちは馬に騎乗し領都を目指した。


領都ディリシアに着いた。

戦闘は既に終結しておりディリシアは我が方の手に落ちている。何が起こったんだ?

オレは地面に跪き祈りを捧げている老女に尋ねた。

「こちらにいるのはアンリ・ルーデシア皇子である。ここで何があったか聞かせてもらいたい。」

「突然、ルーデシア軍が攻めてきてアッと言う間に領都は陥落いたしました。10分もかかってないかもしれません。」

「10分!!?」

古今を通じて10分で城が落ちることなど未だかつてない。

「聖女さまが自ら指揮を取られていたようでした。兵たちも恐れを知らないように王国兵を次々に倒していったのです。」

「して、聖女さまは今何処に?」

「聖女さまが来たことに領都民も歓喜し闘える男衆は皆ワシーズとマレーネ砦の攻撃に向かいました。」

「え?」

「神よ!聖女を御光臨くださりありがとうございます!!全ては神の御心のままに…。」

老女はそう言うと再び祈り始めた。


「シャルさんもうここには居ないって。ワシーズとマレーネ砦攻撃してるみたい。」

「は?」

エストが泡を吹く(二度目)

ゼダンは倒れそうになったエストを抱え

「なあ?シャルっていつからこんな狂戦士になったんだ?」

「しゅ、修行してからかな?」

「姉上!貴女はいつも私が出来ないことを軽くやり遂げてしまうッ。そこにシビれる憧れるゥゥ!!!」

アンリが目をキラキラ輝かせている。


仕方ない、ここでお帰りを待つとするか。

せめて暴走機関車の終着駅にオレはなりたいと願った。


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