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ノワール

世界が動いた。

大陸でも有数の大国であるルーデシア帝国が侵攻を受けた。

帝国の西からカーライル王国、北から魔族、南からマレドニア神聖皇国が攻め入った。

カーライル王国は以前から噂があった。

それは帝国でも予想しておりサリウス大公に西部国境の防備を命じたばかりだ。

魔族は定期的に小競り合いをしていたから同時期に攻め込まれても不思議はない。

問題はマレドニア神聖皇国だ。

彼の国は帝国と同盟を結んでいる。

それが一足飛びにカーライル王国と連携して攻め込むとは誰にも予想できまい。

いかに帝国が強大とは言え三方向から同時に攻められてはひとたまりもない。

二週間で南部戦線が崩れ、四週間で北部、西部戦線が崩壊した。

カーライル軍に現れた《軍神》と《黒騎士》の武力は前代未聞である。

南部戦線に現れた軍神隊と黒騎士隊の6千は共同して帝国南部を攻略、そのまま北上して帝国最強と謳われていたサリウス大公軍14万を撃滅したのだ。

帝国側の死傷者は民間人も合わせると30万を優に超えた。

軍神、黒騎士両隊の損害は極々軽微であることが喧伝されている。

剣聖サリウスは生死不明となった。


そんな中、オレはマレドニア神聖皇国にいた。

ルーデシア帝国皇帝フィリップ23世から親書を受け取ったからだ。

内容はごく簡潔に

『シャルロットとアンリを頼む。』

と書かれていた。

2人はマレドニア神聖皇国の聖都イスタファンに囚われているとの情報をつかんでいる。

オレは戦争に加担するつもりはないが、仲間を見捨てはしない。

テオドールもニースもゼダンも、そしてアリスも見捨てはしない。


聖都イスタファンは高い城壁に囲まれ城門は厳しい警戒下にある。神聖皇帝は神の使徒だとされ民から熱狂的に支持されている。城内に入るのは困難を極めた。

オレは城門にいる衛兵に見つからない場所で機会を伺った。

「これは強行突破しかないか?」

独り言を言う。

「ここで何してんの?」

突然の背後からの声に背筋が凍る。剣聖相手でも背後を取られない自信があった。

剣の柄に手をかけようとする。

途端に意識が朦朧となる。

「もう一度言う。ここで何をしている?」

若い女の声に聞こえる。何者だ?

「オレは…友だち…助け…きた。」

意志に反して勝手に口が動く。

「お前とその友だちの名前は?」

「オレは…イグナシオ。友だちはシャ…ルロットとア…ンリ。」

「シャルロットとアンリとはルーデシア帝国皇女と皇子のことか?」

「そうだ…。」

《閲覧》で自分の状態を確認する。魔法を使用されている。

見たことも聞いたこともない魔法。

「俺の名はノワール。お前たちが恐れている魔女だ。」

自由を取り戻したオレは振り返りノワールと名乗った人物を見る。

背の小さい子どもがいた。漆黒のように黒い髪、死人のように白い肌に黒い服が映える。

何より特徴的なのは細い三日月を連想させるニタリと笑った口だ。

「オレをどうする?」

「俺の都合良く使わせて貰う。」

ノワールの黒い瞳で射抜かれてオレは気を失った。


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