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人格者の欠点

「ゼダンいい感じに仕上がってますね?」

「まあね。だが彼はまだ伸びるよ。」

「それは楽しみだなぁ。親父さんにもいい報告ができる。」

「君はこれからカーライル王国へ行くんだっけ?」

「そうなんです。冒険者学校のときの友だちが今度叙勲されることになって…」

「その友だちの名は?」

サリウス大公が珍しく食い気味に問いかけた。

「アリス・マレニア・リーグレット」

大公が少し考えこむ。

「そうか。聞いたことがない名だが覚えておこう。」

「剣聖に名前覚えてもらうとかアリスは幸せ者だ。」

「…ぃ、いてえ。イグナシオやり過ぎだぞ。」

ゼダンが遠くでくたばっている。

「悪りぃ手加減難しくて…。」

オレは介抱のためゼダンに走り寄る。


誰もいなくなった場所でサリウス大公が呟いた。

「…軍神か。」


「なんなのアイツ!ゼダンさんも歯が立たないなんて!ほんとにお父様の友だちだなんて!」

エストは走って逃げた。

「あれじゃまるでアイツが『剣聖』じゃない!?」

「許せない許せない!」

エストは自室に閉じ籠り呪詛のように繰り返していた。


―――――――――――――――――――――


昼過ぎ

オレはサリウス大公とゼダンに見送られてカーライル王国へ向かった。

道なりにカーライル王国の領土に入ると検問所があった。

この前来た時はなかったが、こういった物を目の当たりにすると風雲急を告げていることが身にしみてわかる。


首都ベイルに至る。

教会に寄り司祭さまに会う。

油断して荷を下ろしたらワインが転がり出てきてしまった。

司祭さまは温厚で捨て子のオレを無償で育て上げてくれるくらい善人なんだけど、一つだけ欠点がある。

お酒大好きなんだよ!

しかもまろび出たのが門外不出のルーデシア皇家のワインだものだから飲みたくて仕方ないみたい。

土下座までしようとしたから諦めてあげらことにした。

アリスへの土産がなくなってしまうけれど土下座させるよりはマシだ。


ちょっとしたハプニングはあったがアリスのもとへ向かう。

今は城下町の一角に居を構えているそうだ。

愛馬イプシロンとともに先を急ぐ。


―――――――――――――――――――――


城下町に入って直ぐに騎兵の集団に出くわす。人数を数えると騎兵中隊くらいはいる。

みなが光り輝く鎧を着ているのは正規軍だからだろう。

騎馬同士ですれ違う時の作法として身分の低い方が下馬をしてやり過ごす、というものがある。

オレもこの時、例に倣って下馬をした。

相手もこちらに気付く。途端にランスを構える。

え?何なに何で?

隊列を作りオレに向かって全騎兵が突撃してくる。

ーーーやられる。

と思った瞬間、目前でピタリと動きを止めた。


「はーい!久しぶりイグナシオ!驚いた?」

兜を取った指揮官の顔を見た、見知った顔だ。

金色の髪に白い肌、エメラルドの瞳がオレを見つめている。


騎兵の指揮を採っていたのはアリスだった。





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