拘束
いやー流石に疲れたわ。
もう闘気も練れないし皆もヒーヒー言っている。
テオドールとアンリを除いて。
コイツらは蘇生されてHP満タンになってるからなあ。
帰り道はテオドールが殿、アンリが先頭を歩いた。
半日かけて漸くダンジョン入り口の明かりが見え始めた。
一週間くらい潜っていたのかな?
名残惜しいがそろそろ国へ帰らないと学校始まっちゃうなあ。
などと考えながら歩いていたら地上に出た。
「やっぱり陽の光は最高ですわね。」
シャルロットが伸びをしながら呟く。
「そうだな。生還祝いに酒場でパーッとやるか?」
オレが提案するとみんなから賛成の声が上がる。
和気藹々とギルドのダンジョン受付に来たところ周りの様子がおかしいことに気づいた。
「いたぞーー!!」
「殿下!!」
銀色の甲冑に身を包んだ兵士に囲まれてる。
その数およそ50、さらにギルドの外にも軍勢の気配がする。
「捕らえよ!」
指揮官らしき者の指示によりオレたちは捕縛された。
「何なんだこれは?」
「分からんが大人しくして様子を見よう。」
テオドールの提案に一同頷いた。
物々しく1000の兵に警備された馬車に乗せられオレたちはルーデシア帝国の首都ヴィリオンに移送された。
城に着き、地下牢にぶち込まれたオレたちは今後の相談をしようと身を寄せ合った。
しかし人数が足りない。
「シャルとアンリはどこだ?」
「ここにはいないみたいね。」
明かりがないため暗く、目視では確認ができない。
「アイツらだけ別の牢なのかな?」
「考えても仕方ない。取り敢えず寝ようぜ?何せダンジョンからこっちゆっくり休めてないからな。」
そう言われると急に疲れてきた。
オレは床に横になって寝ることにした。
次の日
朝早くから叩き起こされ一人づつ尋問が始まった。
兵士に誘導された部屋に入ると既に尋問官が座っていた。
左右に抜剣した兵士を従えている。
随分物々しいな。
「お前は俺からの質問に正確に答えろ。聞かれたこと以外勝手に話すことは許さん。分かったな?」
頷くことにより肯定した。
「まずお前の名前と何処から来たか答えろ。」
「オレの名前はイグナシオ。カーライル王国から来た。」
「何のために帝国に来た?」
「冒険者になりダンジョンへ向かうため。」
「一緒にいたヤツらは?」
「テオドール、ニース、ゼダンはカーライル王国の冒険者学校のクラスメイト。シャルロットとアンリはこの国のノースアンドで知り合った。」
尋問官は手に持った本に目をやった。
他の仲間との供述と一致してるか確かめているのだろう。
「最後に問う。お前にとってシャルロットとアンリは何者か?」
不思議な質問だが躊躇なく答えた。
「友だちだよ。」
尋問官はため息を吐いた。
「目隠しをしろ。」
オレの視界が閉ざされた。
「連れて行け。」
兵士に促されるがまま歩き始めた。
どこに向かってるんだろう?まさか処刑されるのか?
仲間がすでに死んでいるかもと思ったら心臓がバクバクしてきた。
また死者蘇生で助けるからな。
「ここで止まれ。」
兵士から命令されるがまま歩みを止めた。
ここが終点か。
目隠しを外される。
すると着飾ったシャルロットとアンリが目に入った。
「割と似合うじゃん、そのコスプレ。」
そうは言ってみたがいかんせん似合いすぎる。
端に目をやるとテオドールたちがソファにもたれて茶をしばいていた。
思考が追いつかない。




