頭文字はG(イニシャル・G)
突然聖灯に目を潰され慌てたところにオレが突進してきたからゴブリンどもは混乱状態となった。
左脚に闘気を集め先頭にいたゴブリン目掛け思いっきり蹴りを放つ。
蹴りを喰らったゴブリンは血反吐を吐いてその場に倒れ込む。
倒れたゴブリンの頭を下段蹴りで粉砕する。
―――1匹。
仲間をやられたゴブリンどもは正気に戻り戦闘態勢に入る。
3匹がオレを取り囲もうとする。
倒したゴブリンが持っていた手斧を拾い闘気を纏わせてから投げる。
右手に回り込もうとしていたゴブリンの首が飛んだ。ナイスコントロール。
―――2匹
残ったゴブリンは足を翻し逃走を図ろうとしている。
オレは転がっていた石ころを拾い上げ闘気を込めてデコピンで弾き飛ばす。
1匹は胴体に大きな風穴を開けて倒れ、もう1匹は左腕が吹き飛んだがそのまま逃げられた。
―――3匹
まあ、こんなものだろう。
「アンリ、怪我はないか?」
「大丈夫。イグナシオ本当に強いな…。」
アンリは感心している。
テオドール達は大丈夫だろうか?
パーティの前方を見るとニースが負傷してシャルの治療を受けていて、テオドールとゼダンは苦戦している。
ゴブリンは素早いから素人のオレたちには手に余るのかも知れない。
「アンリはこのまま後方を警戒。オレは前衛の救援に行く。」
「わかった!何かあったら知らせる。」
アンリに任せ前衛へ向かう。
テオドールが3匹、ゼダンが4匹相手にしている。
それぞれ致命傷はないが細かい手傷を負っている。
「テオドール!ゼダン!助けにきた!」
「頼む、イグナシオ!」
普段は無口なゼダンが叫んだ。相当キツかったんだろう。
なのでゼダンから助けることにした。
小石を拾い右掌に握りしめる。攻撃力を増加させるためだ。
ゼダンに気を取られているゴブリンに向かい全力の正拳を放つ。
ゴブリンの頭部が砕け散り、その背後にいたゴブリンの胸板を貫いた。2枚抜きだ。
残った2匹のゴブリンが混乱している。
その隙を逃さずゼダンが2匹とも切り捨てた。
ふぅ、こっちは終了。あとはテオドールの方だな。
ふと視線を向けるとテオドールの姿がない。
驚愕して目を凝らすとゴブリンが地面が盛り上がっている箇所に何度も手斧やダガーを突き立てている。
何かを理解するよりも疾くオレは動いた。
左手で手刀を作り闘気を限界まで込める。
左手が淡い光に包まれ刃の形となる。オーラブレードだ。
手刀を10メートル先にいるゴブリンたちへ向けて振るう。
放たれたオーラブレードがゴブリンどもをメタメタに切り裂いた。
血を吹いて倒れるゴブリンどもを蹴散らしオレとゼダンはテオドールのもとへ駆け寄った。
テオドールは血塗れだった。
倒れたところを何度も何度も鎧の隙間に刃を立てられたのだ。
「テオドールがやられた!シャルとアンリ2人とも来てくれ!!」
ゼダンが悲痛に叫ぶ。
シャルとアンリはすぐに駆けつけテオドールを診た。
「・・・残念だが。」
アンリが泣きそうに言う。
「テオドールはもう亡くなっている。」
「嘘よ!テオドールがそんな簡単に死ぬわけないじゃない!!ヒールかけてよ早く!!」
ニースが絶叫する。
「ヒールしてもいいわ。だけどテオドールは生き返らない。」
「そ、そんな、わ、わたしが直ぐにやられちゃったからテオドールが死んじゃった…。」
明るく朗らかだったニースが哀しみに顔を顰め大粒の涙を流している。
ゼダンもシャルもアンリも皆泣いていた。




