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社畜転生

今日でまる1週間家に帰れてない。

年度末と年度初めの業務が山積している。

来年度のために既に100を超える契約の準備をしている。

支払わなければならない請求書も100を超える。

「毎年度この時期は地獄だけど今年は特にひでぇな。」

誰もいなくなった職場で独り呟く。

ふと時計を見ると朝の3時になるところだ。

「少し仮眠取るかな、、ふぁぁー。」

オレは眠りについた。

そして目覚めることはなかった。

こちらの世界では



――――――――――――――――――――――


「あれ?ここはどこだ?オレは確か職場で仮眠をとっていたはずだが?」

気がつくと眩しく光る空の下、雲の絨毯の上にオレは寝ていた。

《お目覚めですね。ここは神界と人界の狭間です。》

白い絹っぽい服(というか布?)を纏った若い女が現れた。

「はぉ?神界!!」

《わたしは転生を司る女神、アイリスと申します。》

「オレは城崎敬介(しろさきけいすけ)

《けいすけさん、貴女は過労のため職場でお亡くなりになりました。》

「マジか、、」

《ここは死後、人の魂が転生するまで過ごす世界。普通は何年何十年とその機会を待つのですが貴方はこれからすぐに転生していただきます。》

「転生ですか?」

《転生先は貴方がいた世界より過酷な世界になります。なので特別に前世の記憶を残して更に【スキル】を1つ進呈します。》

「スキルですか?」

《スキルというのはこれから行く世界の生物の誰もが1つは持っていて例えば剣術スキルを持っていれば剣技、まあ必殺技みたいなものを習得することができます。》

「なるほど。それでオレは何のスキルを頂けるのですか?」

《それは転生してからのお楽しみということで♪ただしスキルランクは最上級のものにします。》

「あ、ありがとうございます。」

《さて、そろそろ時間ですね。いってらっしゃいけいすけさん。》

意識が途切れた。


――――――――――――――――――――――



再び目を覚ますとオレは見知らぬ空を見た。曇っている。

ふと手のひらを見る、小さくてぷにぷにしてる、赤子の手だ。

冷たい水が降ってきた、雨だ。あめ?

(赤子に転生したオレが何で野晒しになってるんだ?)

捨て子という結論に至るまでそう時間は掛からなかった。

このまま雨に濡れ続けると低体温で死ぬ。

そうだ!スキルで何とかならないか?

まずはスキルを確認しよう!

「おぎゃおぎゃぎゃ!(ステータスオープン!)」

目の前にステータスウィンドウが広がる。

さて、オレの貰ったスキルはなんだ?


スキル欄には【契約】と書かれている。


何だこれは!使えるのかこのスキル?

オレは慌ててスキルの詳細を読む。


【契約:森羅万象と契約が出来る。】


これは引いたかSSR!!

まずは今の状況を打破できるか試してみよう。

「オギャーー!!(契約スキル発動!!)」

目の前にウィンドウが広がる。契約書のようだ。

よく見ると相手方などは空欄になっているテンプレ契約書だ。


『甲:城崎敬介と乙:神々は、以下のとおり契約を締結する。

1 乙は甲に無償で、加護を与へ、乙が命じるときは全力をもってその要求に応えること。

2 甲が解除しない限り、乙は契約を解除することができない。』


取り敢えず最低限の文言を記したが、契約スキルは双方の合意なくても成立するのか?相手方が神でも成立するのか?

疑問は多々あったけど考えるよりもやるが易し。

「ホンギャー!!(契約締結!!)」

すると雨が止み光が差し始めた。オレの直上で。

「ホワギャホワギャーー!(やったー成功した!)」

陽の光を浴び濡れた身体が乾いていく。

これで差し迫る死からは逃れられる。

ぽかぽかした陽光と緊張が解けたせいかオレはこのまま眠りに落ちていった。




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