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俺の部屋にある段ボールの中、異世界(旧)  作者: 風大
第一章 『目覚める歴史たち』
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1章 23.『できない作戦』

なぜ……

「まずドッカーン作戦の方法を……!」


 遅い遅い!早くしてくれないと困る!


「なんでよぉ~」


 これはアニメでも漫画でもねぇんだって!しゃべってるときは時が止まるとかそんな感じじゃねぇし。ってやばい、来た!

 意識を目の前に集中する。視界にはもう一度赤い球を放った瞬間が映し出されていた。


「『カウンター』!」


 ひび割れていき、砕けそうになっている魔法陣の後ろに魔法陣を描く。そして俺はアンカにとにかく何かの魔法を撃つように指示。ガルには壁を壊してもらうように指示した。


「レッツゴー!」


「はい!」「行くぜっ!」


 一斉に地面を蹴る。と同時にそれぞれ行動し始めた。

 まずアンカに意識を向けさせる。この時に壁を壊して道をふさぐのと同時に土煙を発生させ相手の視界を遮り、俺がレイルに聞く時間稼ぎをしてもらった。申し訳ない気持ちが多くあとで謝ろうと誓う。

 で、レイル。そのドッカーン作戦ってのは?そう問いかけると「えーとね…」と言い一瞬黙り込み話を始める。


「まずあの赤い球をどうするか……でロー君!私は時をまたもや止めますっ!」


 ドヤ顔が脳裏に浮かび上がるほどの声音でやばいことを普通に話すレイルにため息1つを贈呈したい。一瞬恐怖を感じたがレイルは時を操れるし精霊だ。時を止めるなど容易い……そう俺に言い聞かせ話を聞く。


「時を止めた後にエイちゃんが指示出すからよろしくねっ?」


 ウィンクをするレイルを想像してしまい吐き気がしたが首を振りどうにか耐えて小さく頷いた。途端ナーハの動きが止まった。


「言った通り止めたってわけか……」


「え、え!?と、止まっちゃいましたよ!?」


「リ…リーダー!どうなってんだ!?」


 2人は目を見開き動揺しながらこっちを向いた。一旦2人には時が止まってるからと説明して俺は耳を澄ます。エンザエムが話しかけてくるはずだと思ったからだ。重要な部分を聞き逃すようなことはあってはならないし。


「―――」


 3分……もう声が聞こえてきてもいいはずなのにまだ聞こえない。もし精神に異常があって話せないとかだと俺がまずおかしくなっていないといけない。となると異常があるわけでもないとなる。だとするとレイルとエンザエムが話している……よし、あいつにあとで反省してもらおう。

 自分で納得して終わらせた。


「―――いや遅くね!?」


 体内時計だともう10分は経っている。まだ話しかけてこないエンザエム。アンカやガルが俺を見つめて何を言うのだろうかという期待のまなざし。俺は少しずつ不安になり始めた。


「―――」


 早くしてほしいんだけど、レイル。


「―――あ、あれ~…?おかしいなぁ……もうちょっと……」


 焦る口調になり始めている。本当に想定外のことが起きているのだろう。ドッカーン作戦を実行しないと勝ち目が見えなくなってしまう。さすがにそれだけは避けたいところだが―――


「…す、すみませ~ん!」


 耳に声が入り込んできた。川のせせらぎのような声音。物凄く落ち着く声に俺はとろけてしまいそうになるが気を取り直し声のする方向を向く。


「いや……精神内で話しかけるのではなかったでしょうか……エンザエムさん?」


「……す、すみません……レイルちゃんがどうしても、と……」


 何回も頭を下げる現実の可愛いエンザエムに見惚れた。がすぐにアンカが俺の頭を叩き頬を膨らませて怒る。このアンカも可愛いな、と思いながらも切り替えて話を戻す。


「レイルがエンザエムの体の時を動かしたのは分かった。でどんなことを頼まれたんだ?」


 あいつがどうしても、と頼んだことはたぶんドッカーン作戦の説明だろう。レイルが直接言えば早かったと思うが、戦力追加の点ならこっちのほうが賢者が隣にいて戦うとなるし心強い。


「…私はレイルちゃんに『ロー君は弱すぎるし盲目だと思うから時止まった相手にも魔法当てれないと思う!だからエイちゃん、よろしくっ!』と頼まれ今この状況ですね…」


「あいつはクズだということと一応役に立つ精霊だと分かったっと……じゃあもしあいつが動いてエンザエムが敵に回ったら終わりってわけだな」


「そういうことですね…」


 馬鹿だなあいつは。精神内であんなに可能性を確認してエンザエムを精神内にいさせようってなったのにすぐに出した。いろいろとめんどくさくさせる精霊だ。

 1回ため息をついた後、気を引き締める。


「賢者の後継者とバトル。状況は相手の時が止まっているのと賢者が味方。頑張って行くぞ!」


「「おー!」」


 俺が言うとアンカやガルは拳を上にあげて大声で叫んだ。ただ1人だけ、エンザエムだけが何か引っかかっているのか頭を抱えて悩んでいた。


「――」


「―――ど、どうした?」


 エンザエムの顔を覗き込むように見て問いかける。するとエンザエムは「…ずっと少し気になることがあったんですけど……」と言いこちらを向き話を切り出す。


「…あのレイルちゃんが止めている女の子……」


 指を指した方向にいるのは賢者の後継者―――ナーハ・エンザエム。怒りの表情を見せたまま時が止まっているナーハを見て気分が悪くなりそうだが歯を噛みエンザエムの話を聞いた。


「…あの人は」


「ワクワク」


「―――」


「ワクワク」


 アンカが目を輝かせて見ている。俺やガルはエンザエムの表情が強張ったのに気づき同じように表情を強張らせる。


「―――」


「……私の後継者ではないです。そしてあの人の本来の姿は魔動物……今翼がない以上殺すことは不可能です……」


 途端、俺やガル、目を輝かせていたアンカの目は曇った。

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