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俺の部屋にある段ボールの中、異世界(旧)  作者: 風大
第一章 『目覚める歴史たち』
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1章 4.決意

「誰だ……」


「はぁ……言ったよね~、呆れる、心外。私は『賢者』それでいいよ……あーあ。楽しくない」


 呆れた表情で言う少女―――『賢者』。殺そうとしてきたからには警戒したいところだ。いつ殺そうとするか分からないし、賢者は強い。偏見ではあるがこの世界のバランスからするとそうだろう。


 ――肩の力が抜ける。


「君たち…何しに来たの?わざわざ洞窟にまで入っちゃってさ?」


「俺たちは強くなりに来た。賢者は『希望』知っているって聞いたが本当か?」


 と賢者に問いかける。賢者は何度もため息をついて目線をそらし、


「呆れる、腹立つ、イラつく。何?後継者と賢者は別。ちょっとは分かるはずだよね。『希望』を知っているのは賢者であって私は違う。理解してよ、腹立つしイラつくし呆れるし心外だし」


 自分の感情や考えをひたすら語り続ける賢者。いや、さっきの話からすると『賢者』ではなく『後継者』と呼ぶべきか。いや、呼びやすい少女が『賢者』でいいと言うのだから賢者でいいだろう。それよりも、賢者が語り続けるのは別に気にしてないがアンカたちのほうに問題が。人の気持ちを考えずに語る賢者をアンカやガルはどう思うか。俺はもう分かっていた。


「なんだよお前!リーダーに愚痴言ってよ!なんなんだ。あ?」


「私も同感です!賢者というのはもっと態度が良かったはずです!後継者のあなたも態度が良いと―――」


「あーあ」


 アンカの話を遮るように声を出す。


「何?偽善者?いかれてる、めんどくさい。どうせ噛み合わない話をする必要ないし。どうせ『死ぬだけだから』」


「何を言って―――」


 自分の考えを語り、語り、語る。アンカやガルも、これを聞くだけで精神は不安定なる、なってしまう。俺は賢者の語りを止めようと声を出した。しかし―――


「心外」


「―――」


 ただその一言を最後に賢者の姿は闇に包まれて消えた。俺の言葉、話を聞かず、ただ自分勝手な態度をとり去っていく。

 賢者の性格はもう最悪だと思っていい。ただ、強くなるには今は賢者に、後継者に頼る以外ない。それをどうするか。


「認めてもらう……ってのもな……」


 賢者に最悪な第一印象となった俺たちに認めてもらえるには、という問題が出てくる。魔王が来たときに強くなる、や、賢者に認めてもらうってのもハードルが、冒険の最初にしては高すぎ。これから始めないといけないのに、このままだと……。

 心の中は不安な気持ちで埋め尽くされていた。


「歩いて30分経った今でも何もなし……」


「はい」「だな」


 賢者との最悪な会話終わりに30分暗闇の洞窟を俺たちは歩き続けていく。


「見つけちゃったな~」


 俺はアンカとガルに自慢するように言う。不思議そうに見ている2人を一気にすごい!と感動する表情へ変えることのできることを、見つけてしまった。


「扉発見。ゲームをしておいてよかったって本気で思うぜ……」


「こんな暗闇で扉を!?ロクさん、どんな魔法を……」


 そう言うアンカに指を左右に1、2回揺らして「ノーノー」言い。


「これは魔法なんか使わなくていいって話。これは隠しルートがよくある場所を探せばいいんだ。俺のやってたゲームではだけど、右の壁をずっと触っていたら壁があるのに触れることのできない不思議な壁があることが多い!」


「不思議な壁?」


「そう。通り抜けれる壁。それがこれってわけよ」


 光を不思議な壁のある場所を照らすように移動させる。見た目は他の壁や土と変わらない。が、違う点なのが、触れられないということ。


「賢者の楽園はこっちだ」


「本当ですか!?…いや、でもなんでわかるんですか?」


「えーっと……勘?」


 頭を掻きながら言った。まあそれはそれは予想外の返答だ。自分でもそう思って恥ずかしい……黒歴史とまではいかないが、この状況、場面で言うことではなかった、と後悔として残るだろう、必ず……。とこれは後として―――


「よし!」


 両手を叩いて話を強制終了。そして違う話へと変える。


「この先は危険かもしれない。でも、絶対に守る」


 洞窟を歩いている途中、俺は密かに決意した、決めたことがあった。


 ―――仲間を大切にし、絶対に守り抜く―――


 これが決意であり、誰のでもない、自分自身との約束。『賢者』の後継者と名乗る人物、『ナーハ・エンザエム』。あいつは人の精神を壊す可能性がある。さっきの話だけでアンカとガルの精神は不安定になりつつあった。


「アンカ、ガル」


「―――」


 もし、アンカとガルの精神が壊れ、襲おうとしても、俺は傷つけない。仲間は仲間。仲間となったら変わることのないことだ。たとえ、俺が傷ついて、くじけて、絶望に陥りそうになったとしても。守る、必ず、絶対に。


「ポジティブ大事!な?」


 今アンカに、ガルに、俺なりに伝えれる言葉を言った。これは、約束をしたということを自分だけが確かめ、確認するための言葉。


「何言ってんだよ、リーダー!絶対に守るとか変なこと言ってよ!らしくないぜ?リーダー」


「そうですよ!いろいろと迷惑をかけてますが、私だってできることはたくさんありますから!ぽ、ぽじてぃぶ大事です!」


「―――!……そうだよな。ごめん!調子狂うよな!よっしゃ!行くぜ『賢者』さんよ~!」


 心にある不安が、晴れていく。奈落の闇すらも光へと変えていく。挑む覚悟が決まる。


「俺たちの冒険を、攻略を始めようぜ!!」


「「おー!!」」


 拳を高々と上げ、壁の向こうにいるであろう『賢者』へ、『後継者』へ、勝負を挑む決意を固めた。

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