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俺の部屋にある段ボールの中、異世界(旧)  作者: 風大
第0章 『1つの段ボール』
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0章 8.『少女』

楽しんでみてくださると嬉しいです!

「おい、誰だ」


 一通り家の中を見て外へ出た俺たちの目の前にはだれかの影があった。金髪でツインテールの女、否、少女の姿。一瞬、町の人かと思ったが、そうじゃないって感じが、勘がそう言っている。


「そんなこと言われたってさ~。名乗る人じゃないんだよね~私」


 自分の髪を触りながら答える少女。じゃあ何をしにここに来たんだろうか。


「『アイスフィールド』」


 俺は質問をしようとした時、体が凍りそうなほど寒くなった。何事なんだと思い周りを見る。そこには厚い氷の壁が俺たちとあの少女を囲んでいた。


「魔法を何も唱えずに使うお前は厄介なんだ~。この世界にいると何もかもがぶち壊しになっちゃうし殺すね」


 指をこちらに指して殺そう宣言。とはいってもおかしいよな。魔法を『何も言わず』には使えないなんて聞いてないし、それにこれって、アンカに教えてもらったからな……ん?じゃあ、俺もアンカもゲームバランス、じゃなくてこの世界の常識に反してるってわけ?


「アンカ……魔法ってどうやって教わった……?」


 そう聞くと少し黙り込み、話し始める。


「独自で……ですかね」


「独自!?よく思いついたな……でも。思いついたとして、使えないはずなのに俺とアンカは使えているけど……?」


 もしや、今度こそ、チート能力……思っていた感じと違うけど。


「じゃあ、俺たちTUEEE状態ってことで!お前を捕まえる!」


 殺そう宣言のように捕まえる宣言をして、炎魔法を使う。一瞬の熱さを感じたが、周りの氷の壁で熱さはかき消される。


「溶かす予定だったけど。まあいっか」


「私だってやりますよ!『グラッチ』!」


 魔法を唱えると、アンカの周りに岩でできた銃弾のようなものが現れる。


「魔法を唱えると、魔法陣は見えずらくなるんですよ!!ロクさん!」


 ドヤ顔で言うと同時に岩は少女に向かって叩きつけられた。土が巻き上げられ、少女の姿は見えなくなった。10センチくらいあった岩、10本を受けたらダメージは結構いくはず、だけど。


「適当に名前を付けよーっと。『アースクエイク』」


 俺は地面に手の平を置く。どんな魔法がどのような詠唱なのか分からないからこそ、いっそ適当に唱えておいて、頭の中で想像しておけば魔法陣も見えずらくなると思い、詠唱をした。


「これでいいかな」


 少女のいた地面を割り、揺らす。簡単に言えば地震、地割れありバージョン。


「ロクさん……すごいですね。初めて見ましたよ……」


「だろ~?俺が知っていた常識を使った……みたいな?……ってえー!?」


 アンカに褒められ照れ隠しをしながら話していると自分の服が動いた。


「動い……た……何かいるのか?」


 俺は自分の服の中を覗く。そこには、真っ白の毛で覆われた動物。


「猫!!いたのか!」


「にゃー」


 段ボールから出てきた猫が俺の服の中にいたのだ。でもどこにいつから……


「うるさいな~。私は死んでないのにさー?」


 地面の割れ目から顔を出し出てくる少女。驚くことに無傷。


「あ、あれ……?倒したと思ってたけど……やっぱそううまくいくもんじゃないか~」


「だからうるさいってお前!今回は見逃す。じゃあね~」


 手を振る少女を止めようと自然魔法を使い、つるで足の動きを止めるが、つるが紫色の光に包まれ一瞬で消え、少女も同じように紫色の光に包まれ姿が消えていった。


「何が目的で来たんでしょうね……」


「だな……」


 ただ現れて殺すと言って消えた…何か目的があったから来たと思うけど……。あの少女の目的は何だったのかを考えていると、服の中にいる猫が俺の肩に乗った。


「にゃー」


「ん?どうした?」


「ロクさん!猫が、古代ルー文字を書いてますよ!?」


「どこに!……いや、空中に!?」


 猫の前の空中に文字が書かれていく。何の文字なのか分からないが、普通の『猫』がこんな文字を書くことができないはず。


「お前、何者なんだ?」


 頭を撫でながら猫に聞くが文字を書いてくれるだけで言ってくれない。文字で言っているのかもしれないし、猫語的な感じで俺たちには分からない言葉をしゃべって教えてくれているかもしれない、でも―――


「全くわかんねえよ!?」


「分かりませんね……」


「にゃー」


 何分かこの文字を解読しようと思ってしたが、そんな能力や知識があるわけもなく降参。アンカにも頼んで解読をしてもらったがアンカも降参。


「一旦これは保留としておこう」


「そうですね。でも、この猫はどうしますか?連れて行くとなるとどうやって連れて行くなど……」


 アンカは首をかしげながらそう言う。俺は「確かに」と言いながら悩んだ。連れて行く方法が今のところないのは事実。


「あの、できるかどうかは分からないですが、別空間を作って収納スペースを作る魔法ができれば、部屋を別空間に作り出して猫を入れて別空間の出入り口を閉じます。で、いつも開け閉めできるようにしたら……どうでしょう」


 不安そうに見つめるアンカ。はい、完璧です、以外言えないような表情をしている。可愛さ満点といったところ。


「いいね!いい提案ありがとう、やってみるよ!」


「本当ですか!!ありがとうございます!」


 目には涙を浮かばせている。俺もアンカの笑顔を見て目に涙を浮かべそうになったが、どうにかこらえて魔法陣を地面に展開した。


「空間をつくらないといけない……空間に穴をあけてその中に部屋をつくるイメージ……」


 すると大きい音とともに暗闇の穴が現れていく。少し時間が経つと暗闇の中から光が見え始め、部屋がつくられていった。


「出来上がり」


「す、すごいです!!!」


 目をキラキラさせながら俺のところへきて喜んでいる。猫も目をキラキラさせているようだった。できたとは言っても初めてしたことだったのもあり、中を確認したり、開け閉めできるかどうかなどと確認した。


「よし、完璧かな」


「すごいです!さすがロクさんですよ!」


 女神のように輝いた笑顔のアンカ。その表情に見惚れながら俺は「ありがとう」と言った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お? これでネコもパーティの一員になりそうですね。 しかしロクの加護はあまり役に立ちませんね(苦笑) 一話一話の文字数がちょうどいい感じですらすらと読めます。
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