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第七話 その3

「…………」

「…………」


 降り注ぐ夏の日差しの下、壁だけの遺跡を二人が無言で歩く。


(…………話す事が何も無いでござる)


 例えば相手がエリザや小春なら適当に目に付いたものについてでも話せばいいが(スルーされる事も多々あるが)、老人ではそうはいかない。これほどまでに目上の相手だとジェネレーションギャップはもちろんの事、言動や言葉遣いに気を遣う必要があるので、軽い雑談というものが成り立ちにくいのだ。


(あくまで本日のメインは追放チートの美少女ヒロインと出会う事……この道案内は単なるサブイベント故、言葉を交わす必要など無いのでござる)


 そう結論付けて、撮れ高無視でオリジン・マップを片隅に道を歩く。まぁそもそもキモオタと老人の会話文なんて目が滑るだけなので、例え雑談が成り立っていようが全カットなのだが。


 そうして何度目かの分かれ道を曲がったところで、カールは信じ難いものを目にした。


「…………。……ん、ファッ?」

 それを見たカールが、驚き目を見開く。


「……? どうなさいましたかな?」

 そんなカールの様子を不審がって、ダニエルは尋ねた。


「突然立ち止まって――そこは行き止まりですぞ」


 それは行き止まりの壁だった。ここから先は通行止めだと言わんばかりの……というか実際その役割を果たしている壁が、二人の前に立ちはだかっていた。


「…………おかしいでござるねぇ」

 カールが再度地図を確認する。


 地図上ではここはかなり長めの通路であり、壁となる突き当たりは当分先だった。

 であるにもかかわらず、実際はこのように少しも進まない内に壁に突き当たっていた。


「……ん?」

 と、地図を隅々まで眺めていると、右下の方に小さな※印を見つけた。


「なんでござるか、このスマホの料金プランでよく見るような、なるべくなら隠しておきたげな小さく目立たない※印は……」


 なんとなく不穏なものを感じつつ、※印をオリジン・マップ上のカーソルでタッチした。


 ※12時間ごとに外周でない壁がスライドします。


「おファッ!?」

「……ん、おおっ!? どうされましたかなカール殿」


 壁を注意深く観察すると、繋ぎ目に小さな隙間が見えた。おそらく壁の底面に車輪か何か、あるいはカールでは想像もつかないような異世界的な装置か何かがあって、音も無く壁をスライドさせているのだろう。


 そもそもおかしいと思っていた。ダンジョンがどれだけ入り組んでいようとも、マッピングさえ怠らなければそうそう迷う事は無い。単に分岐点が多いだけの、一度地図が出来てしまえばそれをなぞるだけで踏破出来てしまうダンジョンに、『迷いの遺跡』などという二つ名は誇大表現、過大評価なのだ。


 だが今、その二つ名に得心がいった。この遺跡は、一定時間ごとに内部構造が変わるダンジョンだったのだ。


「ふむ……行き止まりの壁がそんなに珍しいのですかな? 某にはよく分からんですが」


 まぁ、それはさて置き。


「…………。これを言うと拙者の存在意義が著しく失われる故、なるべくなら口にしたくないでござるが……」


 それでも意を決して、カールは言った。


「道に迷ったでござる」



 開拓者が道に迷う――


 例えるならそれは、宇宙に上がったザ〇ⅡJ型のようなもの。地上では無類の強さを誇るザ〇が、宇宙では制御が効かず溺れてしまい、その役割を果たせないのと同じ事。


(作者がMSイ〇ルーのヅ〇の回を視聴したばかりというのはさて置き、概ねそんな感じでござる)


 ジ〇ニック社の汚い裏工作の件については後で問い詰めるとして、要するにMSなのに改造作業用ポッド未満の戦力になってしまうのと同じくらい、道に迷う開拓者というのは存在意義が疑わしくなってしまうのだ。


「……つまり、貴殿にも帰り道が分からないと?」

「然り。まぁ、マッピングしながら歩けばいずれは出口に辿り着くでござるが」

「…………。それはどれくらいかかりそうですかな?」

「それはなんとも。少なくとも12時間以内でなければならないのは確かでござるが」

「ふむ……それは困りましたな。昼食までには町に着きたいのですが……」


 時刻はあと一時間もしない内に正午といったところ。ダニエルの目的を果たすには、ここをすんなり出られてギリギリといった塩梅だった。


「…………。じゃあ少し急いだ方がいいでござるな」

 リュックに食べ物がある事は明かさず、カールは再出発を促した。


「……ん? これは……」


 と、道を引き返そうとしたところで、カールは床に妙なものを見つけた。

 床にぽつぽつと、カラフルな小石が落ちていた。


「それは道標ですので、お手を触れぬようお願いします」


 それは道を進んでいる時には無かったものだが、どうやらダニエルが撒いていたらしい。点々と撒かれたそれは、まるでヘンゼルとグレーテルのパンくずのようだった。


「フム……実は拙者開拓者故、このような古典的なマッピングは不要でござるが」

「いえ、これは某たちのためではなく。……いやしかし、やはりこれでは昼には間に合いそうもありませんな」

「……別に一食くらい抜いても大丈夫でござろう」


 リュックに食べ物がある事は明かさず、カールが宥める。


「某は別に、朝食を食べたかどうか定かでない日がたまにあるので食事に関してはどうでもいいのですが…………うむ、1つ訊いてもよろしいですかな?」

「さらりと前半、甲冑を着ている場合ではないようなセリフが聞こえたような気がするでござるが……なんでござるか?」

「ここから外に一番近い方向はどちらですかな?」

「…………Pardon?」


 質問の意味がよく分からなかった。


「ふむ……では言い換えましょう。ここから一直線に進む場合、どの方向に進めば一番早く外に出られますかな?」

「…………」


 言い換えられてもよく分からなかった。


「…………。一応、距離的にはこのまま真っ直ぐでござるが」

 それでも分かる範囲でカールは答えた。


「分かりました。ではカール殿、お下がりを」


 そう言うとダニエルは、腰に提げた剣を抜きつつ壁に近付いた。

 そして壁のすぐ手前で足を止め、切っ先が壁と垂直になるように剣を構え――


「ボルゾーイ流剣術、奥義の壱――『遍即断あまつだち』!」


 目にも留まらぬ速さで、剣を三閃させた。


「――――」


 カールが目をぱちくりさせると、壁に三角の切れ込みが入り、そしてその切れ込み通りに壁が切り抜かれた。


 瞬き数度の間に、壁に人が通れるくらいの、三角の穴が開いていた。


「ふむ、全盛期はもっと大きな穴が空いたものですが…………あたたっ、この歳で無理はするものではありませんな」


 腰を押さえ、痛みに顔を歪めるダニエル。そこだけ見れば年相応だった。


「さて、壁はあと何枚ですかな? ほどほどにしていただかねば老体が持たないところですが」


 石の壁を斬る――ファンタジーの世界ではさほど珍しくもなく、これまでも石のゴーレムをバラバラに寸断した魔術師や石の床を抉り取ったヴァンパイアを見てきたカールにとっては、その結果自体は驚くべき光景ではない。


 それでもカールが言葉を失っているのは、ダニエルがそれを剣一本、剣技のみでやってのけたからだった。


「…………」


 まぁ、それはともかく。


(……またボルゾーイか!)


 ボルゾーイはどこにでもいるのであった。



 その後7回同様の事を繰り返し、十数分ほどで二人は遺跡から抜ける事が出来た。


「ふぐぐっ……さすがに7度は老骨には堪えますな」


 外の大地を踏みしめるや、剣を杖代わりにするダニエル。そこだけ見れば年相応だった。


「…………」


 そんなダニエルを尻目に、さて、とカールは思案する。


 当初の予定ではこの遺跡で美少女ヒロインと出会う予定だったのだが、ここは思っていた以上に『迷いの遺跡』だった。今回はたまたまダニエルがいたからよかったものの、次は本当に永遠に彷徨い兼ねない。

 この遺跡を出会いの場に使うのは、断念した方がよさそうだった。


(これは……一旦撤退でござるな)


 ならばこの場に用は無く、次の出会いのあても無いので、カールは今日のところは帰る事にした。


「時にカール殿、これから何か火急の用はおありですかな?」

「イヤ……今から帰還ステップの既定の効果を解決しようと思っているところでござるが」

「帰還ステップが何なのかはよく分かりませんが、不都合が無ければ町まで案内していただけませぬか?」

「…………別に構わないでござるが」


 どうせ帰り道なので、不都合も何も無い。それでも不都合があるとすれば、遺跡の時と同様に撮れ高が無い事くらいだった。


「助かります。それではさっそく参りましょう」

 鎧をガシャガシャ鳴らしながら、ダニエルが歩き出す。


 と、そこへ――


「待ちなさーいっ!」


 遺跡の壁に開いた三角の穴から、怒気を孕んだそんな声が聞こえた。


(――ムムッ!?)


 それにいち早く反応したのは、カールだった。

 何故なら――それは女の声だったからだ。


(諦めかけていたこの場面で、まさかのヒロイン到着……!)


 カールは多大なる期待と歓喜を込めて、だけど逸る気持ちを抑えて、「ん、なんだぁ?」みたいな感じで朴念仁を装って声の主に振り向いた。


「わっ、とと……」


 美少女ヒロイン(予定)が壁の穴に足を引っかけて、地面でたたらを踏む。

 その仕種から『どんくさい系のヒロインでござるかな?』と考察しつつ彼女の全身を見て、カールは考えを改める事を余儀なくされた。


 少女だった。ただし、カールにとって同じく少女であるエリザや小春よりも、更に年若い。


 言ってしまえば、そう――彼女は幼女だった。


(つ、ついにこの作品にも非合法ロリが……!)


 年齢は小学校の高学年くらい。琥珀色のサラサラとした髪に、愛らしく勝気な瞳。将来が非常に有望な可愛らしさを持ちつつも、箱の中で大人しくしそうには決してない少女だった。


(…………。なんかこんな感じの女子がとても身近にいたような気が……)


 少女はどことなくエリザっぽい雰囲気があった。旅人風の簡素な服装が全く似合っていないところがとか特に。


「じい! 私を差し置いて先に迷宮を出るなんて、どういう了見ですの!?」

「置いていくなど滅相も無い……ちゃんと目印は残しましたぞ?」

「目印を撒いたからって、主より先に脱出する執事がいるものですか!」

「いますぞ、それは。ほれ某がこの通り」

「いるかどうかではなく、いてはたまらないという意味ですわっ!」


 観察している間に、口論が始まっていた。


 ……とまぁ、それはさておき。


(……フム)


 こういうヒロインでも悪くはないなと、カールは思い始めた。


 最初に断っておくが、カールはロリコンではない。もちろんいけるかいけないかで言えばいける寄りだが、積極的にそうする事は無いという意味での、『ロリコンではない』という事だ。


 しかしカールは、あの少女に光明を見出した。


(あの年代の少女なら…………拙者のような男が、大きなクマさん的なやつに見える可能性があるでござる)


 普通の人にとってはキモいデブにしか見えない男が、小さな子供には大きなクマさん(灰色熊のような2/2クリーチャーみたいなのではなく、クマのプニキみたいなニュアンスのやつ)みたいにファンシーな感じに見える現象だ。それはまだ思春期を迎えてない、現実と幻想の境目があやふやな少女特有の男性の捉え方だ。


(拙者もはや非モテ陰キャ(ただのイケメン)系異世界転生テンプレ主人公は務まらぬ身、なればマスコット的な立場を狙うが常道でござる……!)


 カールは自分の在り方が、幻想じみたマスコットである事に賭ける事にしたのだ。


「……ところでじい。どうしてそこのオークを退治しないの?」


 駄目だった。


(オークでマスコットはもう作品をそれ専門に舵取りしない限り成立しないでござる……)


 オークの役割は概ねR18なので、マスコットとは両立しないのであった。


「失礼ですぞ、ノエル様。彼はオークではなく、れっきとしたヒューマンですぞ」

「え……。…………。……………………。……あら、本当。失礼、見間違えてしまいましたわ」

「随分と長い事凝視されてましたな。老眼ですかな?」

「失礼な。単に見た目からは信じ難かっただけですわ」

「ほっほ……それはさもありなんですな。失礼いたしました」

 ダニエルは朗らかに笑い、少女に一礼した。


(二人とも拙者に対して失礼なんだよなぁ……)


 カール(オーク)が半ば呆れ気味に二人を眺めていると、それに気付いた少女が佇まいを直す。


「……こほん。申し遅れました。私はノエル・エーヴェル。この良き出会いに感謝を」


 そう言ってノエルは、スカートの端を摘まんでちょこんとお辞儀をした。ちなみにスカートは短めだが、例によってスパッツを履いているので下着が見える事は無かった。


「拙者はカール・ケーニヒと申す者でござる。以後お見知りおきを」


 ボウ・アンド・スクレープ(紳士が自分の鳩尾ら辺をチョップするように腕を曲げてお辞儀をするアレ)で返礼するをカール。肥満体故に不格好極まりないその所作を、ノエルは何とも言えない表情で眺めていた。


「それで、じい。そろそろランチの時間ではなくて? 町まではどれくらい掛かるのかしら?」

「ふむ、それはですな…………いかがですかな、カール殿」

「徒歩30分といったところでござる」

「だ、そうですぞ。もう一息ですな」

「30分……」


 ノエルのテンションが、目に見えて萎んでいった。


「おや、どうされました? いくら朝から歩き通しとはいえ、この程度でへばるノエル様をこのダニエルは存じ上げませんぞ」

「主を明け方からひたすら歩かせる執事も私は存じ上げないのだけれど……」

「それもひとえに、ボルゾーイ流空手の合宿をこなしたノエル様なら可能だと信じているが故の事でございます」

「それは…………そうですわね。私はあのボルゾーイの合宿を二週間完遂した淑女、この程度で音を上げてはボルゾーイに顔向け出来ませんわ……!」

「レクリエーションに等しい合宿内容だったのにボルゾーイを修めたつもりになってはいけませんぞ、ノエル様」

「あなたは私をどうしたいの?」

 励まされていると思ったら、上げて落とされただけだった。


(そんな問答をしている時間が既に無駄なんでござるよなぁ……)


 そんな二人を傍目に、カールはそう思わずにはいられなかった。



 一時間後、三人は町に到着した。


「ふむ……予定よりかかりましたな」

「その原因はね、じい。あなたが道中ちょいちょいくだらない事を言い出すからですわ」

「はて……とんと記憶にございませぬが」

 要介護風に、ダニエルは首を傾げた。


(それの相手をするノエル氏も大概なのでござるが……)


 言い合いで逐一足を止めるから、予定の2倍時間が掛かってしまっていた。


「……こほん。それでは私たちはこれで失礼いたしますわ。ここにはしばらく滞在するので、またお会いする機会もあるかもしれませんわね」

「左様でござるか。ちなみにYOUは何しにエルストへ?」

「ここへはクエストの依頼を出しに来ましたわ。ちなみに腕利きの戦闘職の方などご存知ではありませんか?」

「……特にそういったのは存じ上げぬでござるな」


 一応レベル70の魔術師や魔力カンストのヴァンパイアを存じ上げてはいるが、口利き出来るほど友好度は高くないので言わないでおいた。


 その後、ギルドへ向かう二人の背中を見送り、カールは帰路に着いた。



「ただいま帰ったでござる」

「あれ、もう帰ってきた」


 リビングに顔を出すと、まだ小春がいた。


 時刻はお昼過ぎ。カールが家を出てから、大して時間は経っていなかった。


「一応訊くけど…………いや、訊くまでもなさそうね」


 体中の痛みからか今朝と変わらない姿勢のエリザは尋ねようとして、カールの顔を見て察した。


「拙者今思ったのでござるが、追放チートって異世界転生した人は対象外のような気がするでござる」

「……へー、そうなんだ」


 小春が適当に相槌を打つ。カールが出て行ってからすぐそれに気付いた事は口にしなかった。


「そういえば出先でボルゾーイ流空手の合宿に参加したという人物と会ったのでござるが、ひょっとしたらエリザ氏の知り合いかもしれぬでござるな。しばらくこの町に滞在するらしいでござるよ」

「え、誰よそれ…………まさかサリーナじゃないでしょうね」

 自分の体が今こんな風になっている原因の可能性に、エリザは顔を引きつらせた。


「ノエル・エーヴィルという名でござる。無論、拙者が聞かされなかっただけで実はノエル・サリーナ・エーヴェルというフルネームである可能性も否めないでござるが」

「ノエル…………あぁ、あの子か」


 それは一般参加枠の中で、一人だけやる気に満ちていた少女だった。ただ年齢が年齢なので、レクリエーション程度の合宿でもいっぱいいっぱいだったのをエリザは覚えていた。


「まぁ、あんまり知らないけどね」


 何せあの合宿は初日の午後から地獄と化していたので、お互いの話に花を咲かせる余裕などあるはずもなかった。


「最初は彼女がヒロインかと思ったのでござるが…………やはりそう上手くはいかないでござるな」


 もう少し小さな子でなければ、太った男は大きなクマさんにはなれないのであった。


「……って、なんでござるかその視線は。まるで汚物を見るような……普段とさほど変わらないでござるが」

「いやあんた……あんな子供をヒロインって」

「三次元のロリコンはさすがに引くなぁ……」

「ム……何やら誤解が生じているでござるな。ただ拙者は大きなクマさんになれなかった事を嘆いているのであって、幼女をどうこうするつもりは毛頭……」

「く、クマさん……? ……それは、小春の世界での何かの例え話?」

「クマさん……はっ!? そういえば、世界的マスコットの黄色いクマは…………下半身に何も履いていない」

「……なんて事」


 小春が戦慄し、エリザが天を仰ぐ。


「……ん、あれっ? 何か話がヤヴァイ方向に進みつつあるような……」

「ただでさえ配慮にうるさいこの時代に、そんな所業を全年齢作品でやろうとするのは許されないよカールさん…………ロリコンキャラなのに幼女に触れる事さえ許されなかった人もいるのに」

「それは単にそのキャラが主人公ではなかったからでは?」


 主人公以外の男性キャラがヒロインと友好的になるのは、その作品が複数ヒロイン体制であっても読者にあまりいい顔はされないのである。特に18禁ゲーム界隈では攻略対象ヒロインは全員男性との交際経験が無い事を明確にしなければならない決まりがあるという専らの噂で、だけど作中で20年後くらいっぽい二作目の作品で前作の攻略対象ヒロインたちが主人公と結ばれたメインヒロイン以外全員独身というのはやり過ぎなのではないかと思うのであった。


「何だかよく分からないけど…………あなたはもう生きていてはいけない人間のようね」


 痛む体に鞭打って、エリザがゆらりと立ち上がる。


「ご、誤解でござる、まずは拙者の話を……」


 結局、誤解を解く頃には、カールのHUD表示は真っ赤になっていたのであった。

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