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第四話 その2

「うーん……んぅ? ……うぐっ」


 うっすらと瞼を開く。その直後、強烈な光に思わず瞼を閉じた。


「眩し…………なに、ここガボガボ……ガボッ!? ――がはっ!?」


 さらにその直後、顔面が水没して呼吸が著しく困難になり、エリザは反射的に身を起こした。


「げほっげほっ! なんなのよもう…………って」


 エリザは周囲を見回し、自身の置かれている状況を確認した。


 普段以上に燦々と照りつける太陽。右を向けば白い砂浜、左を向けばオーシャンブルー。寄せては返す波が、濡れた砂浜に座る自分の体を一定周期で濡らしていく。


「……海? なんで私、いつの間に海になんか……」


 記憶を遡ると、すぐに答えに至った。


「そうだ……転送装置とかいうやつで、人類初のワープをしたんだっけ……」


 記憶が鮮明に蘇る。寸前で何か重大な見落としに気付いたような気がするが、現状はその結果なのだろう。


「…………。これは…………どうなった? 成功?」


 エルストの町の近くに海は無いので、ワープ自体は行われたのだろう。


 問題は、そのワープが成功なのか失敗なのかという事だが――生きているという事は少なくとも取り返しのつかない類の失敗はしていないみたいだが、しかし生きていれば成功というものでもない。


 ワープした結果のここが予定通りの地点なのか、見当違いの場所なのか――あるいは未開拓の地なのか、まずはそれを確かめる必要があった。


「ええと…………あ、いた」


 エリザは再び周囲を見回すと、波打ち際にこれ以上無い手掛かりを発見した。


 エリザはそれに駆け寄ると、それ――カールを起こすために、体を叩いた。


「……ちょっとカール、起きなさい(ペチペチ)」


 ペチペチペチと、浜辺に仰向けに横たわるカールの腹を叩く。


「むにゃむにゃ……もう食べられないでござる……」

「うわ、ホントにこんな寝言言う人いるんだ……」


 しかしどれだけペチペチ叩いても、カールが目を覚ます気配は無かった。


「…………。起きなさいカール(ドゴォ)」

「ゲェッッフ!?」


 エリザがカールの腹を小突くと、カールは全身から空気を強制排出されたような声を上げて跳ね起きた。


「おおげさねぇ……ちょっと小突いただけなのに」

「的確に鳩尾を小突く必要はあったのでござるか……?」

「起きたんだからいいじゃない。それよりここはどこ?」

「……ム?」


 カールは例の腹パンされた時の体勢のまま、きょろきょろと辺りを見回す。


「……海でござるな。右を向けば白い砂浜、左を向けば――」

「それはさっきやった。ここがどこだかあんたならすぐに分かるでしょ? ちょっと調べてよ」

「ようがす」


 カールは頭の中にオリジン・マップを立ち上げた。カールは開拓者の固有スキル『地図作成』により、開拓済みのエリア全てが記された原初の地図(オリジン・マップ)を脳内に浮かび上がらせる事が可能なのだ。


「……ここはトゥレス領の小島でござるな」

「トゥレス領って…………随分遠くに来たわね」


 トゥレス領は、エルストの町があるエルスト領からは領地を一つ挟んだ先にある。距離にすると、高速馬車丸一日分ほど離れている場所だ。


 予定ではエルストの隣、ソーン領にワープするはずだったので、領地一つ分ずれた場所に着地した事になる。実験の結果は、ワープ自体は成功したけど着いた場所は見当違い、というものだった。


「トゥレスとはどういう地でござるか? 拙者位置情報は分かれど風土に関しては全くの無知でござる故」

「どうって言われても…………まぁ、海があるわ」

「…………左様でござるか」


 海があるという事が分かった。見れば分かる事だが。


 補足すると、海に面したこのトゥレスは、漁業や海運、造船などの海洋産業が盛んな地域である。もちろん夏には、ビーチを求めて多くの観光客が訪れる。つまるところ、海に関連するイベントの土台にはもってこいな土地だった。


「……得心したでござる。要するにこれは、夏イベでござるな」

「また変な事言い出した…………なによ夏イベって」

「別名水着イベントでござる。なるほど、フラグ建設力皆無の拙者がヒロインを水着イベントに誘導するには、確かにこういった手法しかないでござるな」


 美少女と海に行くどころかその導線となる出来事さえも実現不可能な主人公が水着イベントをこなそうと思ったら、ランダムワープのようなトラップじみた突発イベントに頼るしかないのであった。


「ささ、そうとなればエリザ氏。あそこの木陰で水着に着替えるがよろし」

「相変わらずあんたが何言ってるかさっぱりだけど……そもそも水着なんて持ってきてるわけないでしょ。海に来るつもりなんて無かったんだし」

「…………。それは…………さもありなんでござるな」


 日常的に水着を持ち歩いている女子などいるはずが無いのであった。


「そんな事よりさっさと帰りましょう。日に焼けちゃうし。馬車の停留所はどこ?」

「そんなもの無いでござるよ」

「あぁ、島だったわね。じゃあ船着き場は?」

「そんなもの無いでござるよ」

「…………。もしかしてここって……」


 恐る恐るエリザが尋ねる。


「然り――ここは無人島でござる」




 キモたくサマーイベント! どきどき無人島サバイバル~目が覚めたら美少女と無人島で二人きりだった件~


 イベントクエストをこなしてイベントアイテム『漂着ペットボトル』をゲット! 漂着ペットボトルを集めて、ガチャチケット、イベント限定衣装などと交換しよう!


 パーティーにカール(Vパン礼装)かエリザ(ビーチスタイル)を入れていると、漂着ペットボトルのドロップ量アップ! 更に対象キャラの攻撃力50%アップ!


 ※本イベントは期間限定です。交換期限を過ぎた漂着ペットボトルは消滅するのでご注意ください。



「みたいな感じのアレでござるな要するに。タイトルが夏イベと言うよりは同人ギャルゲーみたいな感じでござるが」

「相変わらず何を言ってるか分からないけど、たぶん全然違うと思うわ……」


 ここはトゥレス領の無人島。半日もあれば一周出来そうなほどの、小さな島だ。外縁は砂浜や岩場になっており、その他の部分は森になっている。地図上では船舶が接舷出来そうな場所は見当たらず、ここは完全に外界から切り離されていた。


「そんな世迷言はどうでもいいのよ! ここが無人島って、どうやって帰ればいいのよ!?」

「……フム。とりあえず落ち着くでござるよエリザ氏。こういう状況に陥った場合、まずは冷静になる事が肝要なのでござる」


 取り乱すエリザに対し、カールはクレバーな様子で眼鏡の中心を指でクイってやった。


「……なんか妙に落ち着き払ってるわね」

「一応拙者、サバイバルのスキルを所持しているでござる故」

「……そう言えばそうだったわね。KOJIKIしてるところしか見た事無いけど」

「時にエリザ氏。こういった状況で優先すべきものは何だか分かるでござるか?」

「えっ? ええっと…………脱出手段?」

「それは最終目標でござる。まずはとにかく生存する事を第一にするのでござる。そのためにまず確保すべきもの、それは――水(water)、火(fire)、基地(shelter)、食べ物(food)でござる」


 カールは親指から指折り、やたらネイティブな英語で挙げていった。


「喋り方がなんか鼻につくけど、とにかくそれらを確保すればいいのね?」

「然り」




 Chapter 1 水を手に入れよう!


「まず最初に確保すべきは水でござる。人間、水が無いと三日が限度でござる故」

「水ならいっぱいあるけど」


 エリザはオーシャンブルーの方を指して言った。


「エリザ氏……海水を飲んだら死ぬでござるよ」

「え……そうなの?」

「然り。喉が渇いたからといって海水を飲むと死ぬのでござる」

「どうして?」

「…………。とにかく危険なのでござる」

「……あ、そう」


 ちなみに正確には、海水を飲むと体内の塩分濃度がなんやかんやして更に喉が渇くという無限ループに陥るからなのである。


「じゃあどうやって水を確保するの?」

「もっともポピュラーなのは、水場を見つける事でござるな。川でもあれば水は無制限も同然でござる」

「なるほど。じゃあ今から川を探すのね?」

「いや、それには及ばないでござる。拙者のスキルがあれば、どこに川があるかなど一目瞭然なのでござる」


 カールはオリジン・マップを立ち上げ、川のある場所を探した。


「……なんだか今日のあんたは一味違うわね。それとも開拓者というジョブが無人島にピッタリはまってるのかしら。何にせよ、頼もしささえ――」

「川は無いでござるな」

「…………。あ、そう。じゃあ次の手段は?」

「次点では、雨水を貯めるのが手っ取り早いでござるな」

「雨水……」


 エリザは空を仰いだ。


 太陽はこの夏一番の輝きを放っていた。


「…………フム。然らば蒸留装置を作るより他は無さそうでござるな」

「蒸留装置…………って、なに?」

「こんな感じの装置でござる」


 カールは棒切れを使って、砂浜に蒸留装置の絵を描いた。


「つまり海水を熱して、塩と水に分けるというわけでござる」

「それなら水に困る事は無さそうね。なんたって海水は無限にあるもの」

「仕掛けが大がかりなのが難点でござるが、確実性、及び堅実性は群を抜いているでござる」

「……それで、どうやって作るの? このホースみたいなのとか、ドラム缶みたいなのはどこから……」

「それは漂着物を使って……」


 カールはきょろきょろと辺りを見回す。白い砂浜、オーシャンブルーというのは決して誇張ではない。ここが元の世界なら自治体は意地でも観光地化するであろう場所に、そんなガラクタなど漂着するわけがなかった。ここはDA〇H島とは違うのだった。


「…………。あるいは、雑貨屋で購入したりでござるな……」

「雑貨屋があるなら蒸留装置なんて作らなくても水は手に入るわね」

「…………」




 Chapter 2 火を起こそう!


「火は暖を取るだけでなく、外敵から身を守るためにも使えるのでござる」

「野生動物は火を恐れるって言うしね。あと煙で虫除けにもなるし」

「然り。火こそサバイバルで真っ先に確保すべきものなのでござる」


 水が無ければ三日が限度という事は、即ち三日は持つという事である。それに対して野生動物は、例えばこないだの熊みたいなのだと出会えば即死の危険性がある。それを避けるための火は、実は最も優先されるべき事項なのである。


「で、どうやって火を確保するの?」

「それはもちろん、これでござる」


 カールは両手を合わせて、それぞれを前後に擦り合わせる動作をした。


「あ、それ知ってるわ。そうやって木を擦り合わせると燃え上がるのよね」

「過程と結果がかなり乖離しているでござるが、概ねそんな感じでござる。いい感じの棒と板と乾いた草があれば、簡単に火を起こす事が可能なのでござる」


 さっそくカールは森の入り口から適切な棒と板を見つけ、火起こし作業に入った。


「平らな場所に板を置き、そこに垂直に棒を立て、それを手のひらで挟み込んだら――一気に擦る!」


 シャコシャコシャコボキッ――


「あ、折れた」

「…………。同様にして拙者の心も折れ果てたでござる」

「え、早っ。なんで?」

「拙者のピアニストの如き繊細な手は、火起こしには向いていないという事でござる」


 カールが手を開いて見せる。手のひらは痛々しく真っ赤になっていた。


「治療道具の無い環境での怪我は大事に至る可能性がある故、火起こしは断念せざるを得ないでござるな」

「……あぁ、そう」




 Chapter 4 食料を調達しよう!


「無人島とは、即ち海。海という事はつまり、海の幸の宝庫なのでござる」

「……そうね」


 濁った目で相槌を打つエリザ。もはや最初にカールに対して感じていた頼もしさはいずこかへ消えていた。


「……まぁ、海だしお魚はたくさんいるわね。それをどうやって捕まえるのかって話だけど」

「何か釣り糸的なものと釣り針的なものがあれば、どうにかして釣竿的なものを作成する事が出来るのでござるが…………岩場の方に行けば何か見つかるかもしれないでござるな。それに岩場には貝やカニが生息しているでござろうから、万が一釣竿が確保出来ずとも食料の調達は可能でござる」

「魚にしろ貝にしろカニにしろ、生では食べられないと思うんだけど……」

「…………」


 この瞬間、食料の選択肢から海産物が消えた。


「然らば山の幸でござる。山と言うか森でござるが、植物という観点からすれば山も森も変わらないはずでござる」

「果物があれば水分も摂れるし、むしろ海よりもいいかもしれないわね」


 何より森には、生で食べられるものがある。火を持たない二人にとって、これは大きなアドバンテージだった。


「無人島という先入観から海に頼る事に固執しがちでござるが、実は平地の部分にこそ活路があるのでござる。それに海が魚なら、平地は肉でござる。故に海に頼れずとも、悲観する事は何も無いのでござる」

「火が無いから肉は無理だけどね」


 森に希望を見出し、二人は海に背を向けて歩き出した。




 30分後、二人は浜辺に戻ってきた。


 結論から言うと、森には二人が期待していたようなものは無かった。


「果物がなってる木なんて一つも無かったわね……」

「手に入ったものと言えば、これくらいでござる」


 カールは砂浜に大きな葉を敷き、その上に収穫品を並べた。


「キノコにござる」


 カールが広げたそれは、色とりどりのキノコだった。


「……色とりどりね、本当」


 引きつった顔でエリザが呟く。


 色とりどりのキノコたち。本当に色とりどり過ぎて、口に運ぶ事さえも憚られるようなものが多数見受けられた。


「明らかに警戒色なやつばっかりなんだけど……」

「見た目に惑わされてはいけないでござる。拙者の世界にはこういう言い伝えがあるでござる。縦に裂けしくさびら(キノコ)、それ即ち毒の無きものなり……と」


 カールはキノコを一つ手に取り、実践して見せた。


「……フム。これは安全でござるな」


 縦に裂く事の出来た、クリムゾンレッドのキノコを『安全ゾーン』に置く。


「このように、見た目が毒々しくともこれは安全なのでござる。……フム、これも安全でござるな」


 縦に裂く事の出来た、シアンブルーのキノコを『安全ゾーン』に置く。


 これを繰り返し、やがてカールはキノコの仕分けを終えた。


「……ウム。どうやら全て安全のようでござるな」

「えー……」


 二つに裂かれて絶対数が倍になったキノコの山。裂かれた事で芯まで毒々しい事が判明し、余計に危険度が増したような気がした。


「然らばさっそく、いただくでござる」


 カールは手を合わせると、ディープパープルのキノコを摘まみ上げ、口に運んだ。


「ムグムグ……ム、これはなかなか美味な…………グフッ」


 カールは顔色をキノコと同じ色にして、その場に倒れ伏した。


「ちょっ、カール!? 大丈夫!?」

「え、エリザ氏…………これは毒キノコでござる……!」


 息も絶え絶えに、カールはその事実をエリザに伝えた。


「あ、うん。それは見れば分かるわ」

「さ、さもありなん……ガクッ」


 程なくして、カールは事切れた。




「フゥ……この小説がデスゲームだったらあのままご臨終でござったな」


 数分後、カールは息を吹き返した。


「やっぱり見た目通りの毒キノコじゃない」

「縦に裂けるキノコは安全というのは迷信でござったか……」


 ちなみにマジで迷信なので、信じてはいけません。


「思い返せばベ〇氏やエ〇氏がサバイバルでキノコを口にしているシーンは見た事が無いでござるな。彼らほどのサバイバーが口にしないという事は、やはりキノコは迂闊に手を出してはいけない食材という事なのでござろう」


 毒キノコは時として人に対して殺意があるんじゃないかってくらい食べられるキノコそっくりなものもあるので、知識に自信があっても道端のキノコには決して手を出さないようにしましょう。


「結局森でも何も手に入らなかったわね……」

「食べられるものが何も無い無人島というのは、舞台装置としていかがなものかと拙者思うでござる」


 カールはそう言うが、この無人島には食べられる物が何も無かったわけではない。むしろ生で食べられる山菜などは、無人島の割には豊富にあるとさえ言える。


 ただ、それを見分けるだけの知識が二人に無いというだけの事だった。サバイバルのランクが低いカールでは、山菜と雑草の区別はつけられないのであった。


「動き回った分、余計にお腹空いたわね……」

「……エリザ氏。実は拙者の世界には、サバイバルに関してもう一つ言い伝えがあるでござる」

「…………。一応聞かせてちょうだい」

「プロフェッショナル曰く――虫は、肉の四倍のタンパク質を有している」

「…………お腹空いたわねー」


 エリザは聞かなかった事にした。


「いよいよとなった時のため、頭の片隅に入れておいてほしいでござる」

「そう言うあんたは食べられるの? 虫」

「…………」


 サバイバルEには、昆虫食の技能は無かった。




 結局この小一時間、何の収穫も無くただ疲れただけだった。


「ところでChapter 3は? 一個飛ばしてたわよね」

「Chapter 3……基地(shelter)でござるか。それに関しては既に――Chapter 1より先に解決済みでござる」

「へぇ……何か良さげな洞窟でもあったの?」

「洞窟と言うか、遺跡でござるな。海底遺跡」

「……海底遺跡?」


 エリザが首を傾げる。


「海底の更に下にフロアが広がっている地下遺跡の事でござる。探索するとなるとかなりの距離を下る事になるでござるが、基地として使う分には入り口付近だけ借りればいいので上り下りの必要は無いでござる」


 構造としては、まず入り口から10メートルほど進んだ先の階段を海底まで下ってから探索開始といった造りなので、洞窟のように使う分には何の支障も無かった。


「ふぅん……それって広いの?」

「そうでござるな……パッと見た感じでは、先日の遺跡の比では無いほどでござるな」

「それはすごいわね。もしかして、どこか別の遺跡と繋がってたりしない?」

「ハハ、まさかそんなご都合主義な展開――」


 笑い飛ばしながら地図上の道を辿って行くと、別の入り口に繋がっている道を発見した。


「……繋がってるでござるな」


 その道の先は、トゥレス領本土にある遺跡の入り口だった。


「……ひょっとして、その遺跡から帰れるんじゃない? 水の確保がどうとか言う前に見つけてた、その遺跡から」

「その可能性は…………無きにしもあらずでござるな」


 カールは気まずそうに視線を逸らした。


「ちゃんと調べていれば、無駄な時間と労力を費やす事も無かったんじゃない?」

「ム……それは違うでござるぞエリザ氏」


 エリザの冷ややかな視線に、カールが反論する。


「遺跡攻略にどれほどの時間が掛かるか分からない以上、準備は万端であるべきなのでござる。探索半ばで満腹度がゼロになってリタイア、なんて目も当てられないでござる故。遺跡に臨むのであれば、しっかりと水と食べ物を用意してからというのが肝要なのでござる」

「……それもそうね。確かに、あなたの言う事にも一理あるわ。ところで――水と食べ物はどこにあるの?」

「…………。食料ならあそこに……」

「毒キノコじゃない!」


 結局準備の甲斐なく、二人は手ぶらで遺跡に潜る事になった。

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