ぎこちない、やさしさ
君のやさしさにふれることが
僕の幸せのひとつ
また君のやさしさが増えることが
君の幸せにつながるものと
勘違いしていたのかもしれない
あるとき君が話してくれた恋のはなしに
僕はまだ戸惑うばかり
君にしか愛せない人のことを知った瞬間に
悲しみとある程度の想定と
その両方を知ることになった
僕のやさしさに悲しみの部分が隠されているなら
もう、このやさしさは君の前では使えない
本当の恋を知った君にしか分からないこと
僕のやさしさでは、とてもかなわない
いつか見た映画のワンシーンのようなセリフを
僕は自分に向けて唱えている
人は悲しみよりも先に人のやさしさを
知ることになる
それが逆なら
人にも自分にも、やさしくなれるのに
特別な人にやさしさを分け与えたいから
ぎこちなくなる