研究棟
ガラス張りの箱にワシは保管されている。
人の姿に変わる事も出来ないとはこの箱のせいか。
時より子供たちが見に来るだけでなんの変化もない。
あれは白雪に佐助!「ここじゃ!ワシをここから出すんじゃ!」
「厳重な警備ですね。」
佐助が石を持っている。
「それは何を?」
「いいからこれを投げて。」
投げるとケースの前に張られていた結界が反応した。
「近づくことも出来ないなんて。」
「まだだよ。時間がないからとにかく投げて。」
何度も投げていると結界が反応できなくなって消えた。
ケースが割れ隕鉄が床に転がる。
「いたたた・・・。やっと出れた。これ!もう少し優しく助けんか!!」
「隕鉄様。若様は?」
「わしが見たのは研究棟に連れていかれる所じゃった。」
「では、そこに参りましょう。」
研究棟
「確かこの先の入り口じゃった。」
「韻鉄様これを!」モニターに写されたのは若様だった。
「隕鉄様神器が近くにありません。それにこの紙に書いてある事って若様の?」
「これはマズい。どれだけの命を失ったのじゃ?このままでは神器が暴走する。」
「遅かったか。半身が黒い。すでに荒神になられたか。」
「荒神?」
「若様!!気をしっかりお持ちください。」
「二人はここから逃げるんじゃ。」
「ワシは若様の元に行く。」
扉を開け部屋に入ると黒い光が天に昇った。
「申し訳ありません。この隕鉄の命で何卒お静まり下さい。」
暖かな温もりを感じ目を開くと韻鉄がいた。
「申し訳ありません。若様。」
右手が韻鉄に刺さっていた。
小さな光が舞っている。
満たされた。わかった・・・命を喰らうんだな。これが満たされる唯一の方法。
『神器の所有者は贄として最適だからな。』
「貴様はあの時の!!」
『ほう・・・我を覚えていたか。稀有な存在だ。』
「貴様のせいで私は・・・。」
『これは天が決めた事。我はそれに従ったにすぎん。』
「よしよし研究は成功。まあ侵入者は予定外だったが面白い結果も出たから良しとしよう。次は神器の解析だ。」
アラームが鳴り響く
「なんだこの音は!!」
「室長!!大変です!研究員が神器に取り込まれました!!」
「そんな馬鹿な!!ただの金属だぞ!」
「対象ロストします。」
「どこに消えた?探せ!!」
「モルモットはどうだ!!」
「モニター映りません。」
「確認に行け!!まずい、まずいマズイマズイ不味い!!このままでは陛下に申し訳が立たぬ!!神器の解明を後回しにしたなんて言えん。」
寒くなってきましたね。
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