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1~11

どうしてこうなった。

1

 朝から天気が良くてむかついた。

 当たり前だが、世界は俺の心情を表現してくれたりはしない。




2

 学校に向かう途中、ポイ捨てされた空き缶を見つけた。

 ヒーローがどれだけいても、悪が消えることはない。

 

 どうでもいいけど。




 教室に入る前に、手を洗う。

 全部飲み切る前にポイ捨てするって、どういうことだ。忍耐力もないのか。

 そんなんだから、最近の若者はとか言われたりするんだ。

 ……最近、そういう言葉をあまり聞かないけど。

 つまり、最近の若者は立派なのか?




 教室に入ると、茶髪にピアスの馬鹿野郎が俺の机に座っていた。

 ……これだから最近の若者は!

 今がタイミングかと思ったが、違ったかもしれない。お前も若者だろって言われたら、反論することができない。なら、多分間違っているのだろう。


 無念。


 とりあえず、ピアスを千切ろう。




 机に座らないでくれと話しかけたら、頷いたピアス君が机の上に立ち上がった。

 なんでやねん。

 数秒見つめ合ったあと、ピアス君はスクワットを始めた。

 俺は、その光景をただ見ていることしかできなかった。




 なんてことは無く、普通に頼めばピアス君はどいてくれた。

 世の中の大半は、無駄なことをしなければうまく回る。

 髪が茶色いからって、無駄に恐れたり軽蔑したりしなければどうにでもなる。

 俺の近くから離れていったピアス君とその仲間たちは、標的を定めてそっちに向かった。




 鈴木君はメガネをかけた線の細い少年で、気の弱い性格を生業としている。

 そのオドオドした感じがピアス君にとっては好ましいらしく、よく絡みに行っている様子が見られる。

 一方、鈴木君はピアス君があまり好きではないらしい。


 片思いか。




 ピアス君が鈴木君からノートを奪っていた。

 おそらく2限目の英語の課題を写そうとでもしているのだろう。

 あの程度の宿題なら自力で解けばいいものを、わざわざ鈴木君のを写そうとする理由はなんだ。

 ……そんなに鈴木君の私物が欲しかったのか!

 どうするんだろう、授業中に匂いを嗅いだりするのだろうか。


 やだ、卑猥。




 鈴木君はノートがそんなに大事なのか、返して欲しそうにしている。

 別に宿題くらい写させてやればいいと思うのだが、鈴木君にとってはそうではないのかもしれない。

 あるいは、匂いを嗅がれるのが嫌なのだろうか。

 ……俺でも嫌だな、それは。

 オドオドする鈴木君が好きなピアス君は、その様を満足げに眺めると、口を開いた。


「心配しなくても、写し終わったらちゃんと捨てといてやるよ」


 何故だ。




10

 写し終わったノートを捨てることの理由を考えてみたが、イマイチしっくりくる理由が思い浮かばない。

 ノート「解せぬ」

 鈴木君「解せぬ」

 俺「解せぬ」

 ピアス君「解せぬ」


 ピアス君も分かんないのかよ……。

 ピアス「解せぬ」

 ピアス君のピアスも分かんないのか!?

 ピアス君のピアスって何だ!?(錯乱)




11

 分からないことは素直に聞くタイプの俺は、隣の席の女の子に聞いてみた。


「えっ、さ、さぁ……」


 隣の席の女の子にも分からないらしい。

 なんて使えないのだろう。

 というか、この子の名前は何だ?

 鈴木さんかな?(適当)








こんな感じで続くと思います。


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