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戦利品と過去への決意

かつてのクラスメイトでリーダー格の少年の

意志の強そうだった視線が今はどこを見ているのか分からない

虚ろな瞳に猿轡をかまされ


「うー うー」


「この者は隣国の王族に乱暴を働いた罪で本来なら犯罪奴隷に堕ちるところを

王女様の慈悲によって愛玩奴隷としての出品になります!」


王女!!

私を探しているあの女が彼を!


「ハニーちゃん?」


「マスター?」


私の顔色が変わったのだろう

2人が心配そうに私の顔を覗き込む


……私が彼を買った場合

あの女に私の居場所がバレることになる可能性が高い

バレたらあの女は何が何でも私を連れ去り

今度こそ洗脳し、あの国のために死なすだろう……

でも、今の彼を見捨てて他の好色家に買わすというのは……私には……


「……ミズチ……彼を競り勝て」


罠かもしれない……

でも、……いい加減決着をつけるべきなのかもしれない


「いいのですか?」


「ああ」


幸い、お金はキキルが稼いでくれている分余裕がある

異世界人ということでなかなか高額がついたが

それでもミズチは競り落としてくれた


こうして私は元々の目的であった妖麟丸とセレスを買い戻し

……元の世界の同級生を……リーダー格の少年を買った


リーダー格の少年はその場で奴隷契約をしなかった

同郷のしかも以前助けてくれた恩人に奴隷契約をする気にはならなかった

帰りの馬車にて


「ハニーちゃんどういうこと?

彼は何?」


「アイザック様口が過ぎます」


ミズチがアイザックを諌めようとするが私が止めた


「彼は喜多川きたがわ 啓助けいすけ私の昔のクラスメイトだ」


彼はオークション会場を出た後、虚ろな瞳で


「あー」


「えー」


言葉にならない言葉を発している


「もう大丈夫だから」


何が大丈夫なものか……私がのうのうと暮らしていた間もあの女は

私のかつての友人達を操って何かしでかしていたのだ


「うー?」


「アイザック、ミズチ帰ったら話すことがある」


過去を話そう

それでアイザックやセレス達が離れていってしまうかもしれないけど

彼等を巻き込んでしまう前に奴隷契約を解除すべきかもしれない

そうしなければ彼のように……セレス達も……


「ハニーちゃん

ハニーちゃんが何を考えているか知らないけど

俺達はハニーちゃんの味方だよ」


「私も同じ気持ちです」


読んでくださってありがとうございました

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