裏オークションへの招待状
裏オークションは特定の場所で不定期に行われているものらしい
裏っていうからには騎士団の取り締まり対象な訳だ
裏オークションには紹介状が必要なようなのだが
紹介状を書いてくれそうな知り合いはいない
キキルでさえ、
「まっとうな商売をしてたら
裏オークションなんかと関わりを持とうとは思わないからねぇ」
だそうだ
奴隷商がまっとうな商売かどうかはおいておいて……
1人、そういうのに詳しそうな人物がいるが……彼は騎士団側の人間だしな
でも、一応聞いてみるか
セレスを連れて護衛にアイザックとティルトを連れて
ゼロス・ボンズレーの屋敷へ向かった
ゼロス・ボンズレーはセレスのファンである
そして、ティルトの友人でもある
丁度、屋敷にいたようで執事が快く案内してくれた
「いやあ、セレスくん、ティルト!
久しぶりだなぁ
よく来てくれたね
ささ、座ってくれたまえ」
相変わらずガマガエルに似ている
「それで、今日は何の用だい?
まさか、セレスくんとティルトを連れて来てくれただけじゃないだろう?」
「裏オークションについて教えて欲しいんだ」
「裏オークションね……また、なんでそんなところに?」
ボンズレーの目が細まる
「新しく買おうとしている奴隷の愛刀が出品されているらしく
取り戻したいんだ」
「……その愛刀というのは妖麟丸かい?」
「何で!?」
「ああ……やっぱり、そうなのかい?
あのクソジジイ、よりによって妖麟丸を手放しやがったのか!?」
ボンズレーの口調がいつになく荒くなる
「こほん、すまない
あのジジイとは少し面識があってね
妖麟丸について何か聞いているかい?」
「いや、何も聞いていないんだ
よかったら教えて欲しい」
「あれは妖刀だよ
持ち主を不幸にする刀だ
それを金に困ったからといって手放すなんざ……
鬼族の風上にもおけねぇジジイだ」
「まさか、ボンズレー様も鬼族なのですか?」
セレスが驚いたように言った
「ははは、私は母が人族で父が鬼族なんだよ
あのジジイとは悲しいかな……親戚とよべる関係ではあるね」
それじゃ……私は買わないほうがいいのでは……
「ああ、私と親戚だからといって気にしないでおくれ
あのジジイとはとうの昔に縁を切っているしね
それにセレスくんやティルトに慕われている君なら
あのジジイを使いこなせるだろうから」
また……厄介そうな奴隷だ……
「ああ、あのジジイに金を持たせてはいけないよ
酒とギャンブルに全て消えるからね
で、何の話だったかな
そう!妖麟丸だったね
裏オークションへの行き方かぁ
妖麟丸は是非ともあのジジイの元に返って欲しいが
私も奴隷商が専門だからね」
「あの、ご主人様、私を売ってはどうでしょうか?
私は半魔で魅了持ちです
ある程度需要があるはずです
裏オークションに売りたいものがあると噂を流すんです」
「な、何をいっているんだ!?セレスくん!
君は事の重大性を理解しているのかね!?
万が一、他の輩に買われたら君はサクラの奴隷でなくなるのだよ!?」
「ですが、ご主人様は妖麟丸を望んでいらっしゃいます
それに、絶対買い戻してくださると自信がありますから
そうでしょう?ご主人様」
「当たり前だ」
「セレスくんがそこまで覚悟をしているのなら
桜月亭の店主が顔の整った半魔の魅了持ちを
裏オークションで売りたがっていると噂を流そう
そうすればキキルくんのところに裏オークションの管理者から連絡が行くはずだ」
そう話して、ボンズレー邸を後にした
「ねえ、セレスくん
さっきの話、本当にいいの?」
「ああ、ご主人様なら買い戻してくれるはずだ」
そんなに信頼してくれるのは嬉しいけど
上手くいくか不安だな……
セレスの思惑は当たった
数日経ったある日、キキルの元に裏オークションの管理者を名乗る男から連絡が入ったのである




