8人目?
聖女が消えたという報告は騎士団を通して伝えられた
あの聖女が簡単に諦めるとは思えないが……
「セレス、これからはあまり1人で行動しないほうがいいかもしれない」
「俺、男なんですが……」
「あのキチガイには常識は通用しない
気をつけるんだぞ」
「それはご主人様もです
1人で出歩く真似はおやめください」
……やぶ蛇だったな
「ハニーちゃん、お兄さんのお願い聞いてほしいな」
「願いによるな」
「うーん、今日のは真面目よ
ちょっとレベルアップの為にダンジョンに潜りたいなって」
珍しくまともだ……
「いや、お兄さんだって考えたのよ
今回の件はお兄さんの隙が招いたことだし
ちょっと本腰入れてレベルアップしてこようと思ってね」
「私も参ります」
ミズチが賛同する
「出来れば俺も行きたい……です」
セレスもか……聖女問題がなければOKなんだが……
「それならセレスくんにまやかしの呪いのついたアイテムを装備してもらうってのはどうだい?」
「まやかしの呪い?」
「その名の通り見た目が変わってしまう呪いさ
聖女がこだわっているのはセレスの容姿なら呪いアイテムを装備すれば容姿は変わるよ
ただ、呪いを解く時に一々協会ににかないといけないけれどねぇ」
それでセレスの身が安全になるのなら越したことはない
「そのアイテムは」
「勿論、桜月亭で取り扱っているとも!」
「……1つ買おう」
「ふふふ、流石主人殿だねぇ」
「だだけども3人も一気に離れちまったら
ご主人の警護が薄くなっちまうんじゃねぇ……ですか?」
「ホーリーの言うことも最もだね
だから、主人殿、奴隷を買おうよ
今度は戦闘能力、探知に秀でた奴隷を!」
キキルがこう言うってことは既に目星のついた奴隷がいるんだな
「で、その奴隷は?」
「鬼族だよ」
「鬼族のは使えるの?」
「鬼族の中年にあたるんだけど、昔は剣聖とも呼ばれてた人だよ
借金まみれになって借金奴隷になったけれど
まだ腕は衰えていないし、探知能力も高い
こちらもおすすめだよ
それに何より主人殿と縁が繋がっている契約する価値はあると思うけどね」
契約すればアイザック達も安心してダンジョンに潜れるか……
「1度会ってから決めたい」
「ふふふ、そう言うと思って、桜月亭に用意してあるよ」
セレス用にまやかしの呪いの掛かった腕輪を買い
鬼族の奴隷がいるという部屋に入る
……臭い……酒臭い
「ウッぃっく、なんだ?酒はまだか?」
そこには顔を赤らめた父親より年上で祖父というには若い
体つきは大きくなく中背
白髪混じりの長髪の中、獰猛な鷲を思わせる目が印象的な
そんな人物がそこにいた
「ああ、また呑んだものですねぇ
この方が貴方を買おうとされている方ですよ
剣聖殿」
「ああ?この嬢ちゃんが儂を買うだぁ?
何に必要なんだっつうんだ?
アッチの方か?
儂もまだまだテクニックじゃ負けねぇよ」
アイザック系か……
「奴隷達がレベル上げに行っている間に護衛を頼みたい
私は……隣国の王族から狙われている」
「ああん?リンゴがどーしたっつんだ?」
ダメだ、酔っ払いすぎて話が通じない
「その間の賃金は払う
その金で自分を買い戻せ
レベル上げの奴隷達が帰ってきたらいくつか条件があるが解放すると約束しよう」
私とセレスのことを話せないようにだけはしておかないと……
それ以外はだいたい自由に過ごしてもらおう
「チーカマがどうしたっつーの?」
ダメだ、こりゃ
「酔いが醒めたらまた話そう」
踵を返して帰ろうとすると後ろから声がかかる
「あー嘘だ嘘だ
ッチ、冗談の通じねぇ嬢ちゃんだな
んだと、モテねえだろ?
まあ、聞けや
儂の相棒を買い戻してきてくれるなら契約してやってもいいぞ」
「相棒?」
「借金のカタに取られちまった愛刀だ」
キキルの方を向くと首を振る
「ぼくのところに来た時にはすでにその身1つだったからねぇ」
それなら、買い戻すにもどこにあるかわからない……
「裏オークションに出てるだろうさ
なんてったって儂の相棒だぞ!?」
「近々開催される噂があるねぇ
主人殿が興味があるのなら調べてみるよ」
「頼む」
「相棒の名前は妖麟丸つーからよ
手に入れたらまた来いや?
キルルだったか?酒持ってこーい!」
「キキルですよ
はいはい、お持ちしますよ」
珍しい、キキルが奴隷に気を使うなんて……
「この方には昔世話になったことがあるものでねぇ
借金奴隷でも恩のある方に他の奴隷と同じ様に接せれるほど
ぼくもニンゲンができてないものでねぇ」
そうと決まれば裏オークションに行って妖麟丸を買い戻すとしよう




