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目覚めと霊薬

目が覚めた時、セレスが枕元から顔を覗き込んでいてビックリした


「!?」


セレスだけじゃない

ティルトもミズチもクラウドもホーリーも部屋で見守ってくれていた


「ご主人、目が覚めましたか?

ああ、傷口はふさがりましたが傷跡は残りましたね」


セレスが傷跡をなぞる

ゾクリ


「ご主人、お粥が出来てるだよ」


ホーリーがお粥を持ってきてくれる

ふんわり美味しそうな匂いが広がる


「ご主人様、熱いですから私が食べさせてあげます」


ミズチがレンゲをもってアーンしてくる


「いや、自分で食べられるから」


そんな重病人じゃないし

第一恥ずかしい……


「ティルトがミコにあーんするのだ!」


「いえ、これは私の役目で御座いますれば」


ティルトがいつものように騒ぎ出せばミズチが笑顔で応戦する


「マスター、ニンゲンは栄養を必要とするという食べたほうがいい」


お粥の皿を口に押し付けようとするクラウドに


「クラウド、やめろ!大丈夫ですかご主人様」


止めるセレスにあわあわと慌てているホーリー

いつもの日常である


これにいつもなら


『そんなお疲れのハニーちゃんに愛の抱擁をプレゼントしちゃうゾ』


『はっはっは、主人殿はモテモテだねぇ』


と茶化す2人がいない

それだけでこんなに寂しく思うなんて……我ながら笑える


コンコン


「ちょいといいかノォ」


エルフの里の長が顔を出す


「おお、目覚めとったかノォ」


「お陰様で……それで?」


「お主らが雨をよんでくれたおかげでノォ

聖樹も元気をとりもどしつつある

それでノォ

これをお主らに渡そうと思ってノォ」


エルフの里の長は小さな包みを手渡しくれた


「これは?」


「霊薬じゃノォ」


霊薬は聖樹が元気になってからじゃないと取れないって……


「里に予備の薬を置いておるもんじゃノォ

約束じゃからノォ

…………これでアイザックをあのはぐれ者を助けてやってくれ」


「ありがとうございます」


全員でエルフの里の長に礼を伝える


「……あやつにもいつか顔を出すように伝えてくれノォ」


アイザックにもこの長にも何か理由があるんだろう

それは今は知ることではないのかもしれない

今、大事なのはアイザックを助けること


「必ず伝えます」


「すまんノォ」


帰り支度を整えるとエルフの里から街へと馬車を進める


「ミコ、ミコ、大丈夫なのか?」


「…………」


「ご主人様、目が死んだ魚のようです」


「…………」


「ご主人、酔い止めには寝るのが1番だ

オラの足を枕にするといいだ」


ホーリーの言葉に甘え、横にならせてもらう


「あーズルいのだ!」


「おやおや、抜け駆けですか?」


「ちちがうだ!そんなつもりじゃ……」


酔う……


「マスター、目的地までまだかかるぞ

一度休むか?」


「頼む」


こうして珍道中を行いながら私は夢見草に帰っていった


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