奴隷商
次の朝、蔭間 弥生を後にすると奴隷商通りの方へ歩き出した
ミツキからオススメの奴隷商を紹介してもらった
ミツキからもらった情報によると奴隷商もピンからキリまであり
それぞれの店の特徴というものがあるらしい
戦闘奴隷に強い店 家事奴隷を専門に扱う店 愛玩奴隷の店や
特定の種族だけを扱っている店などもあるらしい
最初は獣人奴隷を希望していたのだが
「最初に獣人奴隷を飼うのはやめとけ
アイツラは自分で認めた主人じゃないと制約があろうとなかろうという事を聞かないぞ
平気で主人の喉元に噛み付いて心中するような連中はやめとけ」
獣人奴隷はその名の通り獣人の奴隷である
この世界には人族 魔族 エルフ 妖精族 獣人族 鬼族 機械族の7種の生物が住んでいる
どの種族にも奴隷というものは存在する
魔族は魔王を中心として暮らす種族で争いごとや混沌を好む
エルフは耳長族とも呼ばれ自然の多い地域に住んでいる 滅多に市場に出ることはない
妖精族はエルフと共にいることが多いがたまに人里に降りてくる、人懐こく残酷な生き物だ
獣人族は体のどこかが獣の状態で生まれてきたものの総称である
人族の両親の間であっても獣の特徴が出た子どもは獣人族となり
獣人族に引き渡される決まりがある
鬼族は火山や自然の険しい場所に住む頭にツノをもつ種族である
機械族は何千年か前の人族が生み出した意志を持つ機械の総称である
「サクラはどんくさいから、心配なんだけどな
俺がついて行ってやるわけにもいかないしな
くれぐれも変なの買うんじゃないぞ」
世話焼きのミツキらしい言葉を思い出しながら
目的地にやってきたようだ
『陽蘭亭』
蔭間 弥生にも何人か卸している奴隷商だ
ここの奴隷はどちらかというと愛玩奴隷が多い
多種族を扱わず人族に特化した奴隷商でアフターフォローもあるらしい
私が求める奴隷は私に決して逆らわず、従順で眠る時に布団になってくれればいい
それ以外は何も求めない