Timeless World
雨が降っていた。レースのカーテンの向こうから、曇りの淡い光が室内に入る。雨音が響く。雨が屋根を響く音だ。単調に、時おりまばらな音を響かせて。窓枠の中だけが、発光しているかのように明るく思われた。陰鬱な雨の日だった。
ふと、視界が転がって、窓からの薄暗い光に照らされる兄を見た。私はベッドに転がっているから、照らされない。きっと兄は、正面から見たら切り抜かれた影のように見えるのだろう。
私をベッドに押し倒した兄の頬に触れる。この汚れは、兄にもきっと伝わっている。そう考えることだけが救いだ。
誘うように、兄の胸元を弄んだ。兄は、どこか昏い瞳で私を見つめた。
横髪と頬をなぞっていた唇が、徐に私の瞼に触れた。私は素直に瞼を閉じた。視界が闇に包まれて、雨音が嫌に響く。
兄も、身を屈めたせいで仄かな光に触れなくなった。私の唇に、兄の同じものが触れ合わされた。しがみつくようなキスに応えながら、私は汚れてしまったと今更のように思った。
ふと、視界が転がって、窓からの薄暗い光に照らされる兄を見た。私はベッドに転がっているから、照らされない。きっと兄は、正面から見たら切り抜かれた影のように見えるのだろう。
私をベッドに押し倒した兄の頬に触れる。この汚れは、兄にもきっと伝わっている。そう考えることだけが救いだ。
誘うように、兄の胸元を弄んだ。兄は、どこか昏い瞳で私を見つめた。
横髪と頬をなぞっていた唇が、徐に私の瞼に触れた。私は素直に瞼を閉じた。視界が闇に包まれて、雨音が嫌に響く。
兄も、身を屈めたせいで仄かな光に触れなくなった。私の唇に、兄の同じものが触れ合わされた。しがみつくようなキスに応えながら、私は汚れてしまったと今更のように思った。
1雨音響く
2017/02/12 20:50
2兄と妹
2017/02/12 21:04
3時が止まってしまえばいい
2017/02/13 18:46
4溺れる夜
2017/02/14 18:35
5冷たい雨
2017/04/22 23:37