夢の島のオークたち
ここはオーク達の夢の島。
神様が平和を目指して造り出した奇跡の島だが、世界中の全ての生き物が暮らすには小さすぎることから、神の手により意図的にその存在は謎に包まれている。唯一到達する可能性のあるオークにも、伝承のような形でしか知られていない。
「わあーい」
オークの子供達が走り回っている。タンポポが風に揺れ、魚達は川を優雅に泳ぐ。ここでは皆が手を取り合い、支え合って生きているのだ。
「ソーテ、こっちこっち」
「ちょっと待ってー!」
人間の姿をした男性オークのソーテは、同じく人間の姿をした女性オークの座る丘に登り、彼女の隣に腰を下ろす。
「良かったのかい、スティーミ。人間のままで」
「ええ」
ソーテとスティーミは、この島に来てからチート魔法を放棄した。
厳密には魔力を島中のオーク達や自然と分け合った結果、二人の中の魔力がほとんど無くなったのだ。
その際に、二人は話し合い、神様に人間の姿にしてもらった。何故そんなことをしたのかというと……
「オークの鋭い爪があると、あなたを抱きしめにくいじゃない」
二人は寄り添い、そしていつまでも走り回る子供達を見つめていた。
とりあえずこの話で終わりです
ありがとうございました