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スティーミの気持ち
自分が祝福されたオークだと知った時、私は絶望した。
ある日金色に輝いた私の体を見た群れの仲間達は、今まで一緒に生きてきた私を躊躇いなく追い出した。
太古の昔、生け贄にされて死んだオークや人はこういう気持ちだったのかな、と私は思った。一匹投げ出された私はきっとすぐに死ぬんだろうと。
そんなとき私が出会ったのが、ソーテだった。私と同じ色に輝く体の彼を見て、私はすがるような気持ちで彼に話しかけた。
一方のソーテは、そもそも自分が置かれている状況がよくわかっていなかったらしく、私の説明を聞いてやっと理解したみたいだった。
私と同じ境遇――そう思っていたソーテには、実は秘密があった。彼は転生者だったのだ。
別の世界では人間だったというソーテは、神様から授けられた魔法を惜しみもなく私に半分くれた。身を守る力を手に入れたこと、そして何より私を思いやってくれる人ができたことで私にいきる希望が湧いた。
二匹の旅は長かった。苦しかったけど楽しかった。
目的地を前にして、私達は今最後の試練の前にいる。これが最後だ。
ソーテ、頑張ろうね