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半年前
あれはちょうど半年前、大学二年生になったばかりの時だった。その日、亜美は彩から恋愛相談を受けた。同じ学部の岡田君が好きだという内容だった。だが、亜美は彩の恋の相談など出来るはずもなかった。
何故なら亜美は岡田君と数日前に恋人同士の関係となっていたからである。
大学に入ってからの友達、お互い悩みを親身になって話せる程の仲、かけがえのない人間。そんな関係を壊したくない。そんな思いで亜美は彩にたった一言だけ告げた。
「私で良かったら、話だけでも聞くよ。」
それから亜美は必死に岡田君との関係を隠し、徐々に徐々に彩と距離を置いていった。恋愛相談になると本当にただ聞く事だけに徹し、ひたすら当たり障りのない言葉を発していた。その度に心へボディブローをもらう様な痛みが走るのであった。
亜美が学生相談室を訪れるのにそう時間はかからなかった。
いよいよ次回、物語は終わりを迎える。