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ある朝のこと。

マジです。

 朝のまどろみ、布団の魔力、至福の時。布団から抜け出せない後5分理論。

 さて、この世でそれによってどれほどの人が怒声を浴びているだろうか……。

 当然、布団の中でそんなややこしいことを考えている自分ではない。

 毎朝7時に目覚ましを鳴らし、結局『後5分』と、布団に絡めとられているわけだ。しかし、自分は家を7時50分に出れば危なげながら、問題なく学校に到着する。

 よって現在では、『後5分』が『後30分』になっているわけで……。

 しかしその日は違った。目が覚め、時計を遠目に見る。視力の落ちた目が、少し古いアナログ式の壁掛け時計の文字盤を捉える。

 7時……5分?

 なら、もう少し眠れる。そう思って、寝転ばずに欠伸を一つする。そして、欠伸の後で目を開くと、文字盤を見ると、針があからさまに動いていた。

短針は8の近くを指し、長針は11を指していた。

「…………」

 目をこすり、眼鏡を付ける。文字盤はさらにはっきり見えるようになったが、針が指しているのはやはり8と11。

「…………………はぁ!?」


 冗談や比喩を抜いて、布団から5センチほど飛び上がった。

 7時55分。時計は無情にその時間を指していた。

 その後の記憶はおぼろげで、気付けば食事に着替えから何から何まで終わらせて、8時ちょうどだった。

 外でこけている自転車を起こし、交通違反だが毎朝かかさずにつけているイアホンを付ける。

「さぁて、間に合うかな!」

 一人でそう言って、音楽プレーヤーの再生ボタンを押した。

結果、教室には先生が来る前に着いた。案外何とかなるものだと、半放心状態で考えていた。

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