東京開戦!
眩い光から解き放たれてゆっくりと目を開けた。
ヴォーン!っと駅を通る電車
多くの人が待ち合わせをしている犬の像
大勢の人が行き交う交差点
そう、渋谷だ
「すげー人だなぁ」
「ほんとねぇ、セントラルより人集まってるわ」
圧倒的な人の密集度に圧倒される一同
「こっから扉とそれを作った奴を探すの〜?」
「だりィよなー」
ユキとハナは早速やる気を無くしている
これだけの人口密度と建物に囲まれては仕方ないのだろう
「東京については、私が1番知っているだろう」
「え?シルビア詳しいのか?」
「まぁ以前少し調べたことがあるってだけ
大体の地図は頭に入ってるから、扉は私に任せてみんなは扉を開いた奴を探してくれ」
「そうだな!元時空部隊のお前に任せる!」
さすがは神頭脳のシルビアだ
こうゆう時ものすごく頼りになる。ちなみにシルビアは一度見たり読んだ事を忘れることはない。
過去の事故で今は全盲だが、圧倒的な記憶力は健在だ
「俺も扉を探そう
扉が何個あるのかわからない以上手分けして探した方が得策だ」
「そうだな!じゃあ扉のことはモーザとシルビアに任せる
俺たちは早速街の人に話を聞こう。こっちも手分けした方がいいな」
「そうね!お兄ちゃんとルキアさんは単独で大丈夫そうだね」
リナの言うようにこの2人は戦士の中でも実力も実績もある
2人は単独で行動しても何ら問題ないだろう
「あたしも単独でいいぜ!」
「もーハナ〜、あなた絶対サボるじゃない」
大丈夫と言う意味なのかそのとおりという意味なのかよくわからないようにグッドポーズをするハナにユキが呆れている
この2人は姉妹のような関係なのだ
「まぁ本人がそう言うんだからいいんじゃない?私とユキは一緒に行動しましょ?」
「はぁ〜わかったわよー」
メンバーのことはリナが1番理解しているのかもしれない
「よし!じゃこれで行こうか!何かあったらすぐ連絡しろよ」
「了解!」
それぞれの行動が決まったとこでひとまず解散した
―――
早速キィは街の人たちに話を聞いた
しかしこれといった情報はなかなか得られない
・歌舞伎町付近でボロボロの少年を背負って歩く少年を見た
・魔女の様な格好をした少女
・駅で奇声を発するホームレスのおじさん
・携帯にむかって踊りをしている女子高生
「はァ〜、東京ってこんな奴らばっかなのか?
どう考えても扉開けたやつと関係無いだろ
こりゃ大変だな〜」
―
「おっ!マジであった
おーい!モーザ!扉あったぞー」
「助かる。ここは任せて他わたってくれ」
ルキアが路地裏で小さな扉を見つけた
近くにいたモーザに託し、ルキアは別の場所に向かった
―
新宿公園のとあるカフェにて
「ああ〜疲れた〜」
「扉は何個か見つけたけど開いてる人は見当たらないわね」
リナのユキも朝からずっと探し続ける分疲れも溜まってきている
フラペチーノを飲みながら2人は状況を整理している
「んーってか何で東京に扉を開けたんだろうね」
「よくわからないよね〜
そもそもこの世界の人は"魔力"を全く感じない。
と言うより魔力という概念がないと思うのよねぇ」
魔力とはキィたちが暮らしている世界で個々が所有する生命エネルギーの一種である
魔力は大きく分けて6つの種類があり、それぞれ自強化、他強化、放出、召喚、回復、神に分けられる
魔力は隠すこともできるが、街の人全員から魔力を感じないことからこの世界では魔力という概念がないとわかった
「んー東京が広くてみんなと逸れちゃったしこれからどうしようかな〜」
判断力のあるリナもこの状況には流石に参っている
「お困りの様ですね」
隣の席でコーヒーを飲んでいた男性が声をかけてきた
男の席には人間で言う15歳くらい?の子供もいる
「あはは〜今日初めて東京来たんですけど広いし人多くて疲れました〜」
リナも笑顔で返す
東京で話を聞いている内にここの人たちは親切な人が多い事を知ったので気軽に話せた
「この公園は桜が綺麗でね、この時期になるとよく心を癒しに来るんですよ」
「確かにものすごく綺麗です」
「心はねぇ、一度壊れるとなかなか取り戻すことができないんだよ」
男性は少し悲しそうに語る
別の席でスマホでニュースを見る客が元号が何になるのかを予想している
「時代は変わるんだなぁ〜」
「はぁ、まぁ人間って時代に敏感ですからねぇ〜」
リナも返答に困ってしまう
まぁよくある老人の1人語り…
だと思った
「わたしたちは、なぜ変われなかったのだろうな」
「…?」
「リナ!」
…!!
空気が変わったことにいち早く気づいたユキが反応する
ユキが反応したとほぼ同時に男性の連れていた子供がリナの目の前の卓上に現れた
(速い!)
バリーン!と音を立ててリナは店の外に殴り飛ばされた
「くっ!…いったいわね!」
「お姉さん速いね。
確実に顔面を潰したと思ったんだけど」
何とか腕でガードできていた
確実に人を殺す勢いで殴られた。もう確信できる。
とにかくこの2人が扉を開けた張本人
「リナ!」
「君たちが新しい七人の戦士か…」
「…!だったら何?」
「ふっふっふっ、そうかそうか〜」
男性が気味悪くユキを見下ろした
「三代目は〜失敗だったなぁ〜」
「…あぁ?」
その発言がユキの激情に触れる
それと同時に店内の温度がどんどん落ちていく
冷たい風が吹いた
「なら後悔させてあげる…
運が良ければ凍死で済むよ?
あなたを許さない!」
男性も戦闘体制に入る
「魔力解放…」
男性の魔力にリナとユキ以外の都内を散策する全員が気づいた
この魔力が東京での開戦を宣言した




