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なろラジ6参加作品

寝言で本心が聞けるという薬を、旦那様に使ったら。

掲載日:2024/12/18

 ポタリ。


 小瓶の薬を一滴、寝室に用意した酒杯(ワイン)に落とす。


(これで全てが(わか)るわ)


 結婚して半年。

 後継ぎを作るための行為はまだ、ない。


(所詮私は、旦那様にとって(ハク)付のために買った小娘なのね)


 私の実家は、由緒ある伯爵家だ。不運が重なり困窮していたところに、旦那様から援助の申し出があった。

 旦那様は仕事で成功し、爵位を買った新興貴族。

 他貴族との顔繫ぎ目的で、私を(めと)られたのだろう。


 にも(かかわ)らず。


(とても良くしてくださるわ)


 折につけ心を配り、不自由のないよう、衣食住諸々において最高のものを用意してくださっている。


 私を想ってくださってる?

 ではなぜ、指一本触れてくださらないの?


 どこかに愛人を隠していて、後ろめたいせい?

 

 わからない。


 ご多忙な旦那様とはあまり会話もなく、どうお聞きしたら良いのか。

 以前それとなく話を振った時には、はぐらかされてしまった。


 だから薬を、入手した。


 "寝言で本心が聞ける薬"。


 私は小瓶をそっと、脇机の抽斗(ひきだし)にしまう。


(旦那様にお酒をお勧めして、お眠りになったら尋ねてみよう)


 卑怯な方法だとは思うけど、旦那様が私に求めている役割を知りたい。

 実家を、ひいては領地領民たちを救ってくださった恩を返したい。

 お飾りの妻をご要望なら、寂しいけどきちんと務めたいもの。



 ノックで、旦那様が部屋に来られたことを知った。


「どうぞ……、えっ?」


 めっちゃ花束。山盛り花束。

 しかも珍しいルリーローズ!


「お待たせ、シア。君が希望してた花が、ようやく手に入ったんだ」

「えっ、えっ、えっ」

「プロポーズにはルリーローズの花束を望んでいたと聞く。ごく限られた時期にしか咲かない花だから、結婚式では用意出来ず、今まで待たせてしまった」


 呆気(あっけ)にとられる私に、旦那様が片目を瞑る。


「"初夜はこの花に埋もれて過ごしたい"とも、言っていたとか?」


「?! それは昔、実家の侍女にはそう言いましたけども!」


 何てこと。まさか、今まで夜に何もなかったのは!


「情報収集は基本だからね」


 情報は本人に()いてくださいまし!


「私が……お(イヤ)だったわけではないのですか?」

「まさか! 僕がどれだけ我慢していたか。だがそれも昨日までの話だ」


 ぐい!


 旦那様は勢い良くお酒を(あお)ってしまった。


(ああっ、薬入り!)


 その後私は。旦那様に熱烈な愛を(ささや)かれて一晩を過ごし。

 寝言(・・)でもさんざん「好きだ、綺麗だ」と褒め倒され続け。

 身の置き所なく真っ赤になりながら、朝陽を迎えたのだった。



 やだ、もう。




 お読みいただき有難うございました。

 いやそれって自白z…。いえいえいえ、"おまじないみたいなもので、効き目は定かじゃないけど"、みたいな文も入れたかったのですが、文字数の都合で入りませんでした。

 なろうラジオ大賞、7作目の参加です。楽しんでいただけましたら嬉しいです♪(*´艸`)


※ルリーローズはこの短編用の架空の花です。「ルリール」という薔薇もありますが、"珍しい"設定にしたいので架空! 青薔薇にしようかと迷ったけど「青は新婚っぽくないよね?」という理由で、こんな感じに。奥様の名前「シア」は多分愛称です。

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― 新着の感想 ―
とても甘いお話で、糖分を堪能させて頂きました。 愛しい妻のために珍しい薔薇の花束が準備出来るまで待つなんて、旦那様、とってもロマンティストですね。 勢いよくお酒を呷ったのって、実はシアさんと甘い時間…
やだ~もう( *´艸`)♡ 奥様はもちろん、ちょっと抜けてる旦那様も可愛い! 1000文字なのに、糖分が濃縮された素敵なお話でした♡ ……うちの旦那に飲ませたら、「おい豚、毎日屁こきやがって」とか言…
結果的に、薬を使ったのはベストなタイミングになりましたね! 甘くて、最高なお話でした(^^)/
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