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流れ星  作者: 遠藤 敦子
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 新年度を乗り切り、あっという間にゴールデンウィークになった。僕はあらかじめ手配しておいた新幹線で京都から地元に帰る。楓は隣県の大学に進学したので電車で実家に帰るそう。新幹線が地元に着いた後、僕は駅で楓と合流し、両親を待つ。

「聖那久しぶり! 楓も帰って来たのね!」

見覚えのある声がしたので振り返ると、そこには母が立っていた。父は車内で待っているという。

 久しぶりに実家に帰り、僕は地元に帰ってきたんだと実感した。激務かつ1人暮らしで偏った食生活だったので、母の手料理を食べられて涙が出そうになる。魚料理とか食べたのいつぶりだろう、なんて考えてしまったくらいだ。

 実家で数日過ごし、僕は同窓会に向かう。しま子ちゃんが流した嘘の噂で態度を変えてきた同じクラスの友人たちは、後ろめたいのか僕には近づいてこなかった。ストーカーするような奴に教員になる資格はないと言われたことが悔しくて、俺は教員になったぞと見返したかったけれど。当時僕を無視したり悪口を言ったりしていた文芸部の女子たちが、僕を見るなり「あの時はごめん」と言ってきた。僕としては「何を今更?」という気持ちだ。

 来て早々にもう帰ろうかなと思ったけれど、背後から「坂巻くん?」と僕を呼ぶ女性の声がする。振り返ると、当時付き合っていた真希が立っていた。僕と真希は思い出話に花が咲き、「そういえばしま子ちゃん逮捕されたんだってね」と話をする。


 「あの時は自分のことで精一杯で……。真希の気持ちを傷つけてしまってごめん」

僕が当時別れを告げてしまったことを謝ると、真希は「ううん、いいよ」と許してくれた。実はずっと真希のことが忘れられなかったと伝えると、真希も同じ気持ちでいてくれたようだ。

 それから僕たちは2人で抜け出し、バーでお酒を飲む。高校生時代から英語が堪能な真希は、大学卒業後は大阪の外資系企業で働いているそう。僕は京都に住んでいるので、会えなくもない距離だ。連絡先を交換して、僕たちはいったん別れる。次は大阪でデートしようという話になった。


 京都に戻り、真希とのデートを楽しみに1週間を乗り切る。連休明けもあって子どもたちは疲れた顔をしているけれど、「先生、僕ね、ユニバ行ってきてん! 楽しかった!」「おばあちゃんちに行ってきた! いっぱい遊んでくれはった」とゴールデンウィークの思い出をそれぞれ聞かせてくれた。相変わらず激務ではあるものの、子どもたちの顔を見ると頑張れそうだ。

 真希とは大阪の梅田でランチして、お茶もする。長時間ではなかった2回目は京都で神社に参拝しに行った。それから夜ご飯を食べて夜景を見る。夜景を見ながら、僕は真希に告白した。

「高校生の頃はめちゃくちゃになってしまったけど、今度こそは真希を幸せにする。またやり直そう」

真希は「はい、よろしくお願いします」と言ってくれ、僕たちは復縁した。もう恐れる必要はない。今度こそは幸せにする。僕はそう誓う。

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