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流れ星  作者: 遠藤 敦子
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 それ以降、僕の元にはしま子ちゃんから「彼女と別れて」「別れなければ楓ちゃんに危害を加えます」と大量のLINEや電話が来るようになった。その都度井手先生や警察に相談したけれど、疲れ切っていた僕は真希に別れを切り出してしまう。本当は好きなままだし別れたくなどなかったのに。

 真希と別れてから、S教育大学の模試での判定がB判定からC判定に下がってしまった。ひどいときはD判定になったことも。しま子ちゃんのことと真希とのこともあり、また勉強が手につかなくなった。これでは学校に行けなくなった2年生の頃と同じだ。


 そんなとき、しま子ちゃんからLINEが来る。内容は真希と別れろということではなく、意外なものだった。

「クラスで孤立して居場所がない」

「学校に行けなくなって、2年生の時の先輩の気持ちがよくわかりました」

「良い人に生まれ変わりたい。もう坂巻先輩しか頼れる人がいないんです」

平日日中にヤホー知恵袋に書き込んでいたので察しはついていたけれど、本人からそう言われてしまうと僕も驚きを隠せないでいる。

 しま子ちゃんのヤホー知恵袋には「クラスでいじめに遭っています。無視されたり、『ストーカー』『犯罪者』『早く逮捕されろ』と言われたりしています」「修学旅行の班決めのときも仲間外れにされ、修学旅行も休みました。毎日泣いてます」と書き込まれていた。なるほどそういうことかと僕は考える。


 正直無視しようかなと思ったけれど、付き合っていた元彼女だし僕と同じ目に遭っているのを放ってはおけなかったのだ。

「何か俺にできることがあれば相談して」

とだけ返信し、あとは受験勉強に励むのみだ。


***


 僕はこの春に高校を卒業し、大学に進学する。地元のS教育大学には不合格だったけれど、京都の有名私立大学に合格したので、地元から離れて京都で1人暮らしを始めた。これでしま子ちゃんの呪縛から解放されると思うと嬉しかったのだ。真希は地元の隣県の市立大学に進学したので疎遠になってしまった。

 しま子ちゃんの件があって恋愛はもう懲り懲りだったけれど、その分多くの男友達と仲良くなる。文芸サークルにも入り、たくさんの作品を作った。ありがたいことに「聖那の作品、もっと読んでみたい」と言ってくれる人が増えたのだ。

 そこで調子に乗った僕は、小説投稿サイトに作品を連載するようになった。もちろん本名は出さず、ペンネームを使っている。高校時代の同級生には見つかりたくなかったので、文芸部で使っていた名前とは違うものにした。授業で忙しいのと有名になりたいわけではないので、細々と執筆し続ける。それでもファンの方々から「続きが気になります」「頑張ってください」とコメントをもらい、嬉しくなった。

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