『レッテル その壱』解説
この話はウトウトしている時に思いついたので、出来が非常に悪いです。しかしそれでも解説しないわけにはいかないので、解説していきます。
やはり注目すべきは罪に問われたのが『被害者』であったことです。皆さんも一瞬首を捻ったのではないでしょうか?そうだといいなぁ。でも理解できる人が多いことでしょう。そうです。『加害者』は被害者であり、『被害者』は加害者だったのです。別に二人がどういう立場だったかなんて言及していませんので、二人の名前が『加害者』と『被害者』の可能性だってあるのです。それに前文で確実な情報が書かれていましたが、加害者と被害者という立場関係が確実とは一つも言っていません。屁理屈ですね。でも論理的に考えるとそうなってしまいます。では、まずは立場を入力して読んでみましょう。
『被害者』(加害者の人)「なんですか?!なにするんです!」
『加害者』(被害者の人)「金を出せ!さもないと――ッ」
証言によれば『加害者』(被害者の人)はその時はナイフを持って丸腰の『被害者』(加害者の人)を脅したらしい。
『被害者』(加害者の人)「お金?あんたに出す金なんてないんですけど」
『加害者』(被害者の人)「いいから言うことを聞けっ!」
ガンッ!と鳴る鈍い音。そして床と打つかる金属音。それに続く人が倒れる音。
『加害者』(被害者の人)「……許さないっ!お前だけは許さない……っ」
『被害者』(加害者の人)「あ、あんた……最近私を付き纏っていましたよね!?ほんと気持ち悪いっ!何様のつもり!?」
カチャリと金属音。
『加害者』(被害者の人)「おいっ!考え直せ!これは忠告だ!さもないと!」
『被害者』(加害者の人)「あんたが悪い!あんたが悪いんだ!」
『加害者』(被害者の人)「くそっ!くそぉぉおおおおっ!」
ドスンと刃物を突き刺す鈍い音。
殺人の罪で問われたのは『被害者』(加害者の人)だった。
状況的にはナイフで脅したら文武両道な『被害者』に殴られて病弱な『加害者』が倒されてナイフを落としてしまいます。そして『被害者』がナイフを奪って『加害者』をナイフで殺してしまったというものです。
しかしタイトルから読み取れるのは、現実的な話で、一度レッテルを貼られると社会的に抹殺される怖い一例を示したかっただけです。本当は本当の事件にも合わせようかと思いましたが、流石にまずいと思ったので途中で調べるのを止めました。きっと嫌な気分にもなっただろうし。
ここで言うレッテルとは『加害者』『被害者』だけではありません。前提条件として挙げた女性、男性という立場も勘違いを増幅するには十分なものではないでしょうか?世の中的には男性より女性が弱いイメージが先行して被害者だと思ってしまう傾向があるように思えます。男らしさとか女らしさとかそういうのが弊害になっているのかな?そして文武両道の優等生と聞けばそちらのほうが絶対に良い人で、病弱なのは可愛そうだけど実際に会ってみたら根暗なんて普通学校などでは避けられてしまいます。もしくはいじめの対称でしょう。
つまり確実でないのに、言葉の先入観で物事を見てしまう傾向が人間にはあるというちょっと怖い話でした。これを応用するといくらでも世論操作できるのが怖いですよね。最早コロナと言っただけで先入観を利用されているなんてことも考えると、世界もまた違って見えるのかも。
不快にしてしまったらすみません。今度はもう少し明るいのを書こうと思います。