『かわいい動物』解説
『かわいい動物』解説。
元ネタはその界隈では知られた話なので、分かった人は多いとは思います。しかしそれでも解説しないわけにはいきませんので、まず整理しましょう。
まず主人公はとある家族の奥さんであることは読み取れます。そして田舎に引っ越してきました。理由は何やら色々語られているようですが、どう見ても家族が死ぬことと関係がなさそうですので、無視していいでしょう。
ここでタイトルを振り返ってみますと、『かわいい動物』です。そして本文でもかわいいと明言されているものができてました。見た目はカピバラのようでそれよりも小さめと言っている生き物です。そしてそれは溜池にいることも書いてありました。そして家族が死んでしまったのは台風が来たときで、そのかわいい動物のせいだとも書かれています。ここでとある生き物がイメージできた人は答えを知ることができたでしょう。
かつて世界各国で安価で柔らかく上質な毛皮を採取するため、その丈夫で育てやすいという特徴から南アメリカから世界に運ばれた動物。日本では勝利にかけて沼狸と呼ばれ、大日本帝国陸軍向けに西日本を中心に育てられていました。戦後需要が激減しそのほとんどが野外に放逐され、毛皮ブームがあった時もそれが過ぎ去ればまた放逐され、野生化しました。今では定着してしまいました。その名前はヌートリア。侵略的外来種として現在では問題になっています。カピバラと同じく齧歯類であり、つまりネズミの仲間です。
そしてこのヌートリアは水辺で巣穴を掘る習性があるので、堤防を決壊させる危険性を孕んでいます。ここまで言えば分かりますね。主人公が見たのはヌートリアという動物であり、溜池に巣を作っていたのです。しかも主人公の町は農家が高齢者になって土地を管理できていないともありました。実は溜池の管理も農家がやっているので、自然とヌートリア対策はされなくなります。結果、台風到来時に、河が増水したのでしょう。そして本来ならその水量を調節するために使われるべき溜池がヌートリアのせいで決壊し、洪水を引き起こしてしまった。そのまま不運にも家族は死んでしまったということでしょう。
もちろんこれは私の妄想であり、事実というわけではありません。本当にそうなるかは完全に不明です。しかしこんなこともあるのではないかと考えてキーボードを打ちました。
拙い内容でしたが、お読み下さりありがとうございます。間違っている部分は多いかもですが、そこは温かい目で見てくださりますと助かります。