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第9話 カフェでの女子トークは楽しいです!

 この日は昼までの授業の日だったので、放課後に私はリリアナとティータイムをすることになった。


 一緒に帰ろうとするレオンに私がそのことを告げると彼はあからさまに不服そうな顔をしたが、リリアナと女子トークさせてくれると言ったこと、そして今朝のことを少し持ち出したらOKしてくれた。(っていうか、リリアナと遊ぶのになぜレオンの許可を取る必要があるんだろう・・・)


 ティータイムは、学園内のカフェで取ることになっている。さすが特別入学生以外は貴族のみが通う国内随一の名門学園というだけあり、学内のカフェも非常に貴族的で美しく、絢爛豪華だ。


 私たちはテラスの見晴らしの良い席に陣取りした。今日は本当によく晴れていて、風も心地よく、とっても気持ちいい。


「やーっと2人っきりね!」


「本当ね!私、すーっごく嬉しいの!だってこれまでこんなふうにお友達と2人でプライベートなお茶したことないんだもの!」


「えっ、そうなの!?」


「ええ。招待を受けて参加するようなのは行ってたけど、それ以外はそういうタイミングがまったくなくって」


「ねえ、まさかと思うけど、殿下って学園以外でもあんな感じで貴方につきまとってるの?」


「つきまとってる・・・っていうか、まあ基本ずっと一緒にいるかも?」


「侍女や護衛の人はつくとしても、ちゃんとひとりで出かけたりできてる?」


「ええと、ひとりで出かけるのは危ないからって、レオンが絶対許してくれないの。だから、どこかに行くときはやっぱりレオンと一緒かしら」


「──じゃあ噂はやっぱり本当なのね・・・」


「噂?」


「王太子殿下が貴方を束縛してるって噂」


 束・・・縛・・・?


「え!?そんな噂があるの!?」


「うん、以前からすっごく有名よ?でも、噂は噂だから私はこれまであんまり信じてなかったの。そもそも、前に偶然殿下をお見かけしたとき、すっごいクールな感じでまったくそういうタイプに見えなかったから。でも──」


「でも?」


「昨日今日と、貴方といるときの殿下を見ている限り、事実は噂以上だったようね。男は愛する女性を束縛したがるとは言うけど、あれはちょっと異常じゃない?ローザは息苦しくないの!?」


 ちょっ・・・!また変な誤解を──!


「あ──あれは、束縛っていうのとは違うわ!確かに過保護だけど、レオンが私のことを妹みたいに思ってくださっているからで、それ以上の深い意味はないの!」


「全然そうは見えなかったけど」


「本当よ!?確かにレオンは誤解されるようなことをしがちだけど、少し心配性なお兄ちゃん気質なだけで──!」


「ねえ、どうして否定するの?いいじゃない、婚約者に溺愛されてるなんて、素敵よ?まあ、ちょっと行き過ぎな気はするけど」


「ちがーう!あれはそういうんじゃないんだってば!溺愛とか、そういう恋愛感情的なものとは別物なのっ!お互いに!」


「じゃあ、キスとかもしたことないの?」


 な──!?


 ボンっと、顔が爆発したような感覚がした。


「まあ、そんなに真っ赤になっちゃって!ねえ、それってどっちの意味!?したの!?まだしてないの!?教えてよっ!」


 なんで昨日の今日でそんなことを聞いてくるのよ・・・したよ、されましたよっ!それもつい昨日ね!でも、あれはお仕置きだそうですよ?


 ──とはいえ、「お仕置きでキスされました、てへっ⭐︎」って・・・言えるかーっ!!!!もっと変な誤解されるわ!!


「ほらあ、やっぱりキスしてるんじゃない!!」


「ち・・・ちっ・・・ちがっ!」


「じゃあ、本当に1回もしたことないの?ほんっとうに!?──ねえローザ、まさか友達に、嘘なんてつかないよね!?」


「ええと・・・その・・・」


 顔が熱い。今、なんと答えるのが正しいんだろう?冷静な判断力よ、私のもとに戻ってきて──!


「──1回だけ・・・1秒だけ・・・」


 思わず、本当のことを言ってしまった。誰にも話すつもりなかったのに、なんか彼女の威圧感に負けた・・・。


「きゃーっ!いつ!?どんなシチュエーション!?」


「・・・昨日」


「へっ!?昨日!!?」


「うん、帰りの馬車で突然キスされて・・・でも、冗談みたいなものだったから・・・」


「冗談・・・?」


「うん」


「えっ!?冗談で殿下にキスされたの!?」


「ちょっ・・・ちょっと声大きい!」


「あ、ごめん──でも、それってローザはファーストキスだったんじゃないの!?」


「・・・うん」


「そ──それはだめでしょう!?いくら王太子殿下でも、そんな簡単に女の子のファーストキスを奪うなんて・・・!!自分は遊び慣れてらっしゃるのか知らないけど──!」


「あっ、でもレオンもファーストキスだって」


「・・・」


「はあ・・・レオンのことが急にわかんなくなっちゃったの。これまでは、彼のことぜーんぶ知ってるつもりだったのに、学園に入学してからなんか突然、性格が変わっちゃったみたいで──さみしいというかなんというか・・・」


「──ねえローザ、貴方はキスされたとき、どう思ったの?」


「へっ!?・・・えっと・・・びっくりした」


「──嫌だった?」


「・・・嫌?」

最後までお読みくださりどうもありがとうございます!


女子トークって、喋るつもりなかったことを上手いこと喋らされちゃうんですよね・・・それが楽しいんですけど^^


明日も18時にアップ予定です。

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