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縦ロールだし悪役令嬢に転生したと思うんですが、なぜか断罪されません!  作者: 夜明星良


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第4話 かわいい女の子、紹介してください!

 その後もなんとかこの誤解を解こうと弁明したものの、私が照れてるだけだと思い込まれて、どんどん誤解が深まるばかりだ。最初からこれでは、どうにも先が思いやられる。


 いずれにせよ、このまま話していてもさらに深みにはまる気がする。そこで話を逸らそうと思い、なにかいい話題をと考えていたら、あることを思いついた。そうだ、ヒロイン探しをリリアナに手伝ってもらおう!


「リリアナ、私のことはもういいから、ちょっといろいろ教えてくださらない?私、今まであまりお友達がいなくって、いろいろ疎いのよ」


「そうなの!?いいわ、なんでも聞いて!知ってることはなんでも教えてあげる!」


「じゃあまず聞きたいんだけど──このクラスで一番かわいい子って、どの子?」


「へっ?」


「かわいい子!一番、男の人に好かれそうな・・・」


 しかし彼女から返ってきた言葉は、予想外なものだった。


「そりゃあもちろん、ローザ、貴方でしょ!?ま、一択よね。本来、貴方の顔は美人と呼ばれる系統だけど・・・だとしても、一番かわいいのも、やっぱり貴方だわよ」


「・・・いやいや、そんなへんなお世辞やめてよ」


「友達にお世辞なんて言わないわよ!え・・・っていうかその表情、貴方まさか本当に気づいてないの!?そもそも貴方が婚約者だからこそ、誰も王太子殿下にアピールしないのよ!?貴方が相手じゃ、どうせ敵うはずないと思って」


 な、なんと!これも一種のゲーム補正みたいなものなのだろうか!?確かに私はわりと美人設定だと思うが、ほかの女の子を顔だけで牽制できるほどのレベルではないと思うのだが──。


「ねえ、本当に本当に自覚ないの!?いくら王太子殿下の婚約者だからって、貴方ほどの容姿ならこれまでとさんざん殿方からいろんなお誘いがあったでしょうに!」


「・・・そんなの、なかったけど?」


「ありえないわよ!!」


 いや、ありえないと言われも、それが事実なのだ。ご挨拶などを除いて、レオンハルト様以外の男性とお話ししたことなんて、本当に数えるほどしかない。それだって、他愛もない世間話を短時間したくらいだ。


「そう言われても、お誘いなんて本当になかったもの。リリアナは私をかいかぶりすぎよ!」


 リリアナはそれでも納得いかないようだったが、そのまま授業が始まったので、そこでこの話は一旦終了となった。


 授業そのものは至っては平穏に終わり、私はリリアナと次の教室に移動した。──そういえば何か忘れている気がしたけど、まあ大したことではないだろう。


 そしてリリアナと教室に入った途端、ぱっと視線が集まった。そして互いに何か目で合図する。えっ、私、なにかしでかしたっけ・・・?


 と、明らかにクラスの中心らしい男の子が急に私のほうへ近づいてくる。


「──やっとご挨拶できますね、ローザ・ミュンスター公爵令嬢。私はオスカー・キースリングです。以後、お見知りおきを」


 笑ってしまいそうなほどキザったらしい笑顔を浮かべて丁寧な挨拶をしてきた彼は、 レオンハルト様とはまったく違うタイプのイケメンだ。


 キースリングというと、うちと同じ公爵家である。当主であるキースリング公爵にはお会いしたことがあるが、特徴的な真っ赤な髪と目の色は、彼にしっかり遺伝している。(このカラーリング、めちゃくちゃゲームっぽいな!ヒロインの攻略対象か!?)


「はじめまして、キースリング様」


 私がそう言うと、キースリング様は意味ありげに微笑む。


「実は、お会いするのが完全にはじめてというわけではないのですよ。ご存知ですか?私のほうは以前に何度もミュンスター嬢をお見かけしているのです」


「まあ、そうだったのですか?」


 まったく知らなかった!


「でしたら、声をかけてくださったらよかったのに」


 同じ公爵家で年も同じなら、いろんな情報交換もできて楽しそうじゃないか。すると、キースリング様は苦笑いを浮かべた。


「そうしたいのは山々だったんですが、いつも鋭く怖い目が私を睨んでくるものでね。それでなかなか距離を詰めることができずに──」


 鋭く怖い目?いったい、なんのこと──


「ほほう、ではこれからもその距離感をしっかりと保ってほしいものだな?」


 私の背後であまりにも慣れ親しんだテノールボイスが、しかし、いつもより遥かに低いトーンで響く。


「レオンハルト様?」


 私がぱっと振り返ると、これまで見たことのないような冷たい目でキースリング様のほうを見るレオンハルト様が立っており、私の肩を抱くと、ぐいっと自分のほうに引き寄せた。え、なんか機嫌悪い?


「私の婚約者と話すのは、私も同席しているときだけにしていただきたい」


「失礼いたしました、殿下。婚約者様には少しご挨拶をさせていただいただけですので、どうかお許しを」


 キースリング様は丁寧に詫びるが──私に挨拶しただけで謝る必要、ある!?


「もうっ!ただクラスメイトと挨拶をしていただけですよ?レオンハルト様ったら、いったい何をそんなに怒ってらっしゃるのよ!?」


「ねえローザ、君は私との約束を破って、勝手に1人でさっきの教室を離れたね?」


 約束・・・?あ、さっき言ってたあれのこと!?いや、でもあんな一方的なのって約束じゃなくない!?


「私は約束なんてしていません!レオンハルト様がかってに迎えにいくと仰っただけで、私は必要ないとはっきり言いましたよね?それに私は1人でここまできたのではなくて、リリアナと一緒に来ました!」


「ほお、"リリアナ"ねえ?」


 私の隣に立っているリリアナに一瞥をくれたが、再び私のほうに顔を向けると、耳元でささやく。


「私との約束を破ったんだから、あとで君には『お仕置き』だよ」


 はあっ!?


「ちょっ・・・意味がわかりません!」


「ほら、もう授業が始まるぞ、私の婚約者さん。早く着席を」


 そう言って、私の席の椅子を引き、私を座らせる。いったい、なんなの!?学園でのレオンハルト様、キャラも口調もなんかいつもと違すぎない!?

最後までお読みくださりどうもありがとうございます!


レオンハルトの嫉妬心および独占欲の強さは異常です。


⭐︎本日はもう1話、20時頃にアップ予定です!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「レオンハルト様以外の男性とお話ししたことなんて、本当に数えるほどしかない。」 ローザの中でリヒターは男性じゃない……?w このオスカーみたいな遊び方したいです(≧∇≦) 「あら、失礼い…
[良い点] 「失礼いたしました、殿下。婚約者様には少しご挨拶をさせていただいただけですので、どうかお許しを」 オスカーのこの丁寧さ、レオンとの関係を知った後だとめちゃくちゃわざとらしく見えますww …
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