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縦ロールだし悪役令嬢に転生したと思うんですが、なぜか断罪されません!  作者: 夜明星良


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第13話 レオンにとって、なによりも大切なもの

 なんで今まで気づかなかったんだろう、これなら、すべての辻褄が合うじゃない・・・!


「(おっ!?ようやく、ようやくなのか──!?)」


「レオンの好きな人って・・・もしかして・・・」


「(おうおう!?)」


「──二次元?」


「は?」


「あ、つまりね、本の中の人ってこと!物語の登場人物!架空の世界の住人っ!ね、そうなんでしょ!?」


「(あー、そっちいっちゃいましたか!?)」


「だって、そうでしょ!?もうずーっと片想いしていて、本人は告白しているつもりなのに伝わらない。そしてなにより、あんなに優しくてかっこよくてなにもかも完璧なレオンの想いを受け入れないなんて──絶対、二次元だわ!じゃなきゃ、ありえないもの!!」


「(あいつのことそんなに深く想っていて、なぜ気づかないんだ?この子は・・・)」


「それに、さっきの貴方の謎かけみたいな言葉の意味もわかったのよ!?両想いになったら、私と一緒にいる時間が増えるって、そう言ったでしょ?あれはつまり、読書時間の増加ってことよね!?だってレオンは読書のときは絶対に私をそばにおくし、読書が終わるまで全然離してくれないものね!


 あっ──そういえば、レオンの読書の時間って、最近さらに伸びてるわよね!?それもきっと、このせいだったんだわ。レオンったら、自分が読書が終わるまで隣にいてくれっていうくせに、やたら読書時間長いんだもの!


 本好きなのはいいことだけど、あんなに毎日何時間も読んで・・・私も本はかなり好きなほうだけと、あんまりにも長いから、このところはレオンのとなりでお昼寝してばかりよ・・・」


「ははははは・・・(それはあいつが貴方の隣にいたいから読書という口実を作ってるだけでしょうが・・・。ってかレオン、この子の寝顔が見たいからってそんなこと言って何時間も拘束してんのかよ!?とんだわがまま王太子だな!)」


 あっ、このリヒターの反応からして・・・やっぱりそうなのか!ああ、よかった!色んな意味でめちゃくちゃすっきりした!どの物語のどの二次元ちゃんかは知らないが、レオンがそういう感情を人並みに持っているなら、もう安心だ!


 だって、たとえ今は二次元の子を好きだとしても、そういう関心や感情自体を持つことができるなら、いずれヒロイン然とした子が現れれば、ちゃんと三次元にも恋できるはずだからねっ!そしたらその時こそ、悪役令嬢ローザ・ミュンスターの出番よ!!


 と、馬車が静かに止まった。ああ、もう王宮か。リヒターとすっかり話し込んでしまった。


 先に降りたリヒターのエスコートで馬車から降りようとすると、さっと割り込んできたレオンにその手を取られた。


「随分と遅かったんだね、愛しの婚約者さん?」


 手をそのまま優しくひっぱられて、彼の胸に飛び込むような形になり、そして優しく抱きしめられる。私を馬車から降ろしてくれるときは、いつも決まってこうなのだ。


「レオン!わざわざお迎えありがとう!」


「「(どうしてこれで愛が伝わらないんだ?)」」


「さあ、お友達とどんなお話をしたのか、私にも教えてくれるかい?」


「えへへ・・・秘密っ!」


「なにっ?」


「だって、女の子同士の会話を勝手に漏らせないですもの!」


「・・・へえ?」


 そんな顔したって、絶対に教えてやるもんですか!だって、私は今までレオンになんの秘密もつくらずにぜーんぶ教えてあげてたのに、レオンのほうは二次元ちゃんの秘密を隠していたんだもの!これでおあいこよ!


「そう、秘密・・・ね」


 おっと・・・レオンの目がなんかめちゃくちゃ怖い。笑顔がきらきらしている分、恐ろしさが際立つんですが?──っていうか、そろそろ離してくれませんか?抱きしめられていると、その怖い目から逃れられないので・・・。


「夫婦間に秘密は禁物だ」


 ほう?これは、ツッコミ待ちだよね?


「・・・私たちは夫婦じゃありませんよね」


「まだ、ね?とはいえ、このクソみたいな学園生活が終われば、私たちはやっと正式に夫婦になれる」


 二度目の「クソみたいな学園生活」いただきました。学園生活はよっぽどレオンのお気に召さないらしいな。


「でも、学園生活のなかでなにがあるかわからないじゃないですか」


「へえ、まだそういうこと言ってるの?」


「まだって、学園生活はまだ始まったばかりですわ!」


「──やはり何としても君の学園入学を阻止して、私の部屋にでも閉じ込めておくべきだった」


「訳のわかんないことばかり仰らないでください!そしてもうひとつ!私は知っているんですよ?レオンも私に秘密を持っていることを!」


「ん、なに言ってるんだ?私は君に秘密なんてなにひとつないが・・・?」


「とぼけたって無駄です。私は知ってるのですから!」


「ほお、ではその私の秘密とやらを教えてくれ」


「そ──それは、私の口からは言えません!」


「は?どうして?」


「レオン自身から教えてもらわないと、フェアじゃないでしょう?」


「・・・だが、私がいくらその秘密とやらを君に暴露したくても、私自身がわからないものをどうやって君に教えればいいんだ?」


 レオンめ、白々しいことを・・・!だが、こっちはリヒターにはっきりと教えてもらったのだ。残念だったな、親友の裏切りあった気分はどうだい?──ってなわけで、いくらしらばっくれても無駄だ!


 それにしても──ほかに秘密がないなら秘密といえばあのことだけのはずなのに、どれのことかわからないってことは、レオンは意外と秘密が多いのか?


「では、大きなヒントをひとつ差し上げましょう」


「ああ、ぜひ頼もう」


「貴方にとって、なによりも一番大切なものを私は知ってます!」

最後までお読みくださりどうもありがとうございます!


レオンにとって、なによりも大切なもの──そんなの、火を見るよりも明らかなんですけどね。


明日も18時にアップ予定です。

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