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赤碧玉

異世界大都会

作者: 切咲絢徒

 夏は暑くて当たり前。

 太陽は今日もやけに高く、高いところに煙と馬鹿はいるらしいから太陽は馬鹿だ。

 昨日の雨のせいで湿った空気と滝の如くとは言い過ぎでも湧き水くらいの汗が吹き出して、相も変わらず電柱は空に線を引く。規則は無く、ただ、柱と柱を結んで、それで、無秩序で無駄かと思われるほどの電線がそこに存在する。

 見上げれば馬鹿な太陽、黒の背景に青の線画、そして、摩天楼。

 どこまで行っても天然樹はなくて、どこまで行っても灰色の道は果てしない。もう、この当たりで見る人間以外は鳥くらいだ。それがみんな烏だから、電柱の線画の協力をしている。

 乱立する摩天楼は電線と他の建物と背比べをして、電線に勝ち目はない。

 街を往く人間はみんな疲れきった顔をして、空の線画など見向きもしない。いや、空に線画があることなど知る由もない。

 空の線画なんて馬鹿なことを考えるのは今日の太陽と煙と僕だけだろう。

 やることも無く、ただ、ブラブラと国を歩いているような人間はこういうことしか考えない。ただ、それはそれで幸せなんだろう。だってここの人間は、朝起きて歯を磨き、顔を洗って飯を食う。次に着替えて家を出て、仕事して、そんなようなロボットしかいないんだから。

 ああ、今日もビルが出来上がる。

 ああ、今日も線画は風に乱される。

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