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茶吉の日常

投石科

作者: 茶吉

選択科目は迷わず投石科を選択したアサリ。大砲の打ち方を物理学の側面から学ぶ学科だが、なんで投石科なの?と聞いてみたら、そのほかのダンス科とか書道科とかとくらべて断然面白そうだったんだもん。だそうだ。そんなアサリが困って電話して来た。授業が始まってみたら、みんな執事を連れている子ばかりなんだそう。大砲の力学を学ぶ必要があるということは、兵を率いる立場の人であるということで、国に帰ればプリンセスだとか、私兵を持っているお嬢様だとか、そんな人たちなので、当然、授業にも執事を連れてきて弾道計算とかさせているのだそう。それで執事を連れていないアサリだけが妙に寂しいような気がして、なんとなく場違いなような気がしてきたと言う。そんな思いをしているとは!それは大変だ。じゃあ、セバスチャンに連絡してあげるからちょっと待ってて!と茶吉が言うと、もうアサリが連絡したんだと言う。そうしたら「出張はお引き受けしかねます。今年で82歳になりますので大砲の弾を運ぶのは腰がギックリとなってしまいまして。」と断られたそうだ。所詮はウチが雇えるような執事なのである。他の子達の執事は家に代々仕えている執事一族で、お嬢に着いて行くのは若い執事なのだ。若さかぁ〜。いや待てよ。若いのならいるぞ。アサリのイトコで、一日中ゲームばっかりやってるのがいるぞ。自称ゲーマーのイトコにアサリの投石科の話を持ちかけると、面白そうじゃんやってもいいよと言ってくれた。早速、今日の授業から付き添ってくれるそうでひと安心だ。どうだったかと感想をイトコに聞いてみると、なかなか楽しいから是非続けるよと言ってくれた。よかったよかった。

数ヶ月後の、授業参観で投石科を観に行った。イトコが巧みに大砲の照準を操作していた。イトコはダテにゲーマーだったわけではなかった。オンラインの戦車ゲームを1日20時間以上プレイして来た猛者だけあって、大砲の照準合わせなどお手の物で、イトコはクラスで他の追随を許さない断トツトップの成績を誇っているという。その隣で弾を運ばされているのがアサリ。執事たちに混じって頑張っていた。

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