迫り来るタイムリミット。どこからか聞こえる終わりの呼び声。
オレには、2つの道がある。
1つ目は、オレを学校で笑い者の対象にかえてしまったあの答案用紙をビリビリに破り捨てることだ。
「覚悟しておけ点Pよ、貴様が人間様と話すことが出来るのは今日までだ」
「ひえええソウタ様どうかお許しを」
「泣きわめいても同じだぞ、貴様が犯した罪は何よりも重いのだ」
ビリ、ビリ、ビリビリビリビリ
「うわわああああああああああああ」
「これで安心できるぜ」
2つ目は、つまらない日常から脱出し、非日常的な毎日を歩むために点Pと友好関係を結ぶことだ。
「点Pよ、今日からオレと友好関係を築こうではないか」
「いいぜ、お前みたいなヤツきらいじゃないぜ」
「よし、新しい世界へ共に羽ばたこうではないか」
「おう!」
どうしよう。この言葉しか頭には出てこない。想像をしてみたがどちらの道も間違っていない気がする。日常的な毎日をいつも通り過ごすのか。それとも、某妖怪アニメのように、非日常的な毎日を掴み取るのか。
ベッドに横たわり天井を見ても答えは出てこない。
破ってしまおうか。そう思った時に脳裏に点Pの姿が出てきた。アイツは、友達もいなくて、嫌われもので、相手もされていなかった。それに対してオレは、個性溢れる友達がいるし、嫌われているわけではない。
こんなオレがそんなヤツを破り捨てるという道は間違っているのではないかと自分に聞いてみた。
もちろん帰ってきた道は、アイツと共に非日常的な道を歩むことだ。
「ごめんな」
片手に握りしめていた答案用紙を広げ、話しかける。しかし、返事は帰ってこない。
「どうしてだよ、ずっと話しかけていたじゃないか、学校でもお前のせいでオレは笑い者になったんだぞ」
返事は帰ってこない。
「ビーーーービーーーー」
聞きなれない警告音のようなものが音が聞こえ始めた。警告音は、段々大きさを増していきオレの耳を壊した。
この町で最も大きな病院の中で、医者は暗い表情で口を開ける。
「佐藤ソウタさんは、昨夜病室で亡くなられました」
彼は、長い間眠っていました。原因不明の病にかかっていて、医者は必死に治療法を探しました。彼は、ときどき、笑顔になったり、何か呟いたりしました。彼が何か行動を起こしたとき、周りの大人は、助かるかもしれないと期待が高まりました。しかし、変化はなく、体の状態も日々悪化していっていくままでした。
医者は、言いました。
「きっと、何かいい夢でも見ているのでしょう」