受け止めきれない現実と周りの目
今日は、早く目が覚めた。きっと昨日は変な夢でも見たんだろう。
「おはよう、ソウタ!」
「おはよう・・・ん?」
オレはハッとした。昨日の不可解な出来事は、紛れもない事実だったのだ。オレは、点Pの話を遮って朝食を食べにリビングへ向かった。
「ソウターごはんよ」
母の声に普通では、考えられないような安心感が涌き出てきた。
「ありがとう、母さん」
オレは、朝食を食べて、急いで学校へ向かった。慌てて準備をしたバッグの中に昨日の答案用紙が入っていることにはまだ気づいていなかった。
「遅かったじゃねーか、昨日の[点P」の問題をおしえてもらおうかソウタ先生~」
「いや、その事なんだけど・・・実は昨日のテスト勘で当たったんだよね・・だからさ、教えることが出来ないんだよ・・・・変な期待させてすまんな」
「何だよ、勘かよ、それにしてもよく当たったな」
オレはとっさに嘘をついてしまった。本当は自慢気に話してやろうかと思っていたが、昨日のショックで心がどよめいていた。それにしても、リョウタはバカで良かったと感謝する日が来るとは思わなかった。
「お前必死に解いてたじゃん」
嫌な予感がした。慌ててバッグを漁ってみると昨日の答案用紙が出てきた。当然こいつが喋っていた。
オレは、リョウタを両手で押し退けて急いで教室から出た。チャイムが学校中に鳴り響いていたが今はそんなことは関係ない。体育館の用具入れに封印してやろうと考えていたが、先生に捕まり教室に引きずり戻された。
当然この日からオレは頭が可笑しくなったと思われ始めた。一つの真実隠そうとして、最終的にもっと大きな物を失ってしまったのだと後悔した。点Pは今も喋り続けている。当然耳を傾けたくもないので、何をいっているかも聞き取れない。また一つ大切なことを学んだ1日だったのだ。