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アルティメット エンド  作者: 齋音寺 里
第六章・大樹が護りし古の遺跡
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第二話・樹の守護者(3)

今回は2話分投稿します! よろしくお願い致します!

『……さぁさぁっ! 気を取り直して――第一問! お洋服に咲いている花の名前はなーんだっ?』



 再度アナウンスされる精霊の声を聞いて、なぞなぞを解こうと頭を(ひね)る三人。おのおの念仏を唱えるように、ブツブツと口に出しながら考えている様子。

 フィトの言う通り、なぞなぞというのはなかなか難しいものなのだ。単純な遊びに思えて、結構頭を使う語彙力(ごいりょく)が必要な複雑な遊び――。

 単語を知っていれば知っているほど有利なのだが、なにせレオンとリオンは()()()()()というものを抱えている。地上の花どころか、物にも詳しくない兄弟は答えを探すスタート地点にすら立てないと言えるだろう。

 本で得た知識は膨大(ぼうだい)にあるものの、生ものとなれば話は別だ。情けなくも、今回ばかりは活躍出来そうにないのだろうか――。



「洋服に咲いてる……花、ねぇ……」

「そもそも俺たち、花とか植物に詳しくないからな……。よくよく考えると、この問題って答えるの絶望的だよな……?」

「そうだねぇ……そうなると、頼りはフィトって事になるけど……」



 不安そうに、お気楽少女を見つめるふたり――。フィトは懸命に答えを導き出そうと悩んでいるようだ。

 どうにもならないのだが、ただ指をくわえている訳にはいかない。何とか突破口はないものか。諦めて考えることを放棄(ほうき)するつもりは毛頭ないので、どうしたものかと兄弟は頭を抱える――。



「うう~ん、なんだろう……? お洋服に咲いてるお花でしょ? 模様とか色は……関係ないよね。お洋服に咲いてるだから……何かついてるものを例えてるとか……?」



 フィトの発言を聞いてピンときたのは――弟のリオンだ。

 しかし――。入念深いリオンはすぐに問題には答えようとせず、樹の精霊に向かって「ねぇ、精霊さん。いくつか質問してもいいかなぁ?」と、楽しそうな顔で問いかける。



『……いいですが、ヒントは差し上げませんよ?』

「違う違う、ヒントなんていらないよぉ。なぞなぞに関する純粋な質問ね」

『……わかりました。質問をどうぞ』

「ありがと~。じゃぁ、質問一つ目。このなぞなぞには、何かルールは存在するのかなぁ?」



 リオンの質問を聞いて『……ルルディ。聞こえているのでしょう? お答えしてあげて』と、仲間に呼びかけるゼフィランサス。

 そう言われたなぞなぞの考案者――ルルディなる者は、見えない所から元気に声を届けた。



『……おっけー! それじゃ、アタイがお答えするよ! 全問正解してもらう以外にルールはナシ! ちなみに、出題するなぞなぞは全部で三問だよっ!』

「なるほどねぇ。それじゃ、質問二つ目。ルールがないって事は、誰が何回答えを言ってもいいって事だよね?」

『……うん、いいよ!』

「間違えても?」

『……もちろん! ガンガン答えちゃってよ!』



 遺跡に響きわたる声を聞いて「これなら必勝法は見えたよ」と、不敵に笑って見せるリオンと――「ああ、そうだな。数打ちゃ当たるってこった」と、ニッと笑い返すレオン。

 この負けず嫌いの兄弟は、意地でもなぞなぞを解きたいらしい。地上のハンデがなんだってんだ! と、勝手に盛り上がっている。

 そんなふたりを見て、フィトもぐっとガッツポーズを作って気合を入れ直す――。



「先手必勝! 服に付いてるモンだろ!? ――ポケット!」



 レオンがそう答えると――『……ブブーッ!』と、いかにも残念な気持ちになる効果音が辺りに鳴り響いた。

 突如鳴ったエラー音の意味が分からず、三人は目をぱちくりさせてポカンとしていたが――『……残念ながら、ハズレってことです』と、ゼフィランサスはにっこりと面々に告げる。



「あの音はハズレの音だったのか。なんつーか、いかにもダメーって感じの腹立たしい音してんなぁ」

「確かにね! 次は僕が答えちゃうよ――チャック!」



 自信あり気にリオンが答えるも――『……ブブーッ!』と、またもやハズレの音が辺りに響く。



「なんだぁ~ハズレかぁ、残念だなぁ」

「しらみつぶしに答えりゃそのうち当たんだろ」



 そう言って余裕をかます兄弟の横で「私、わかっちゃったかも……!」と、フィトはしゅぴっと右手を挙げた。

 うずうずと答えを言いたそうな黒髪少女に「フィト、ほんと!? 答えてみてよ!」「おう、いけいけ!」と、リオンとレオンは背中を押す。




「うんっ! 答えは――ボタン!」



 フィトがそう答えてから、少しの間をあけて――『……ピンポンピンポーン!』と、今度は明るい正解音が辺りに鳴り渡った。

 そして――『……おみごとっ! 正解でぇーすっ! 服についているお花は、牡丹ぼたんでしたぁーっ!』と、楽しそうにパフパフパフー♪ という爽快な楽器を鳴らすルルディ。



「すっげー! フィト、やったな!」

「さっすがフィト! ボタンって種類の花があるんだねぇ~!」

「えへへ! 私、お花の名前はけっこう知ってるんだぁ」

「フィトはお花が好きだもんねぇ。……服に付いてるもの~ってフィトが言ってくれたから、付属品か装飾品だって分かったんだよね。適当に言えば当たると思ったんだけどなぁ~!」

「惜しかったよなー。チッ、最初にボタンって答えてたら当たってたのか」



 なぞなぞの答えとしては惜しくも何ともないのだが、合ってそうな単語を答えることを目的とするふたりにとっては惜しかったらしい。

 (すで)になぞなぞの趣旨(しゅし)からずれまくっているのだが――、答えの導き方が圧倒的に絶望かつ不利な、()()()()()を負うふたりからしたら仕方のない事なわけで。

 激しく間違った考え方なのだが、レオンとリオンはおちゃらけているようで大真面目だ。早く次の問題を――という強気な顔で待ち構えている。


 そんな三人の表情を見て『……いい顔だね、アタイも楽しくなってきたよっ! じゃあじゃあ、次の問題に進んじゃうよーっ!』と、よく通る声を響かせ、ノリノリでルルディは語る――。

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